Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューBORN(Rooftop2014年5月号)

音楽の女神も屈服させる悪魔の申し子の“音の黙示録”

2014.05.01

ライブもCDも緩急のバランスが大事

K_web.jpg──「↑HUMAN HOLE↓」もビッグ・ビートの要素を幾分取り入れた神秘的なインストですよね。

猟牙:あれくらいのブレンド具合が自分たちの性に合った形かもしれませんね。「↑HUMAN HOLE↓」は「排梳ノ蝶」の導入部分みたいなSEなんです。アルバムの頭のほうは突き抜けた曲で攻めて、その後に一度「↑HUMAN HOLE↓」でどん底へ叩き落として(笑)、そこから「排梳ノ蝶」でじわじわ這い上がっていくイメージなんですよ。今回はアルバムの導入部分を頭に置かずに真ん中に置いたことによって、メリハリをつけたかったんですね。

──「↑HUMAN HOLE↓」=“人間の穴”とは?

猟牙:何か大きなものに吸い込まれるようなメロディだったので、俺はブラックホールをイメージしたんですよ。そこから発展して、泥ついた人間くささを出したくて「↑HUMAN HOLE↓」と命名したんです。音もまさにそういう仕上がりだったので。

──もうちょっと聴いていたいところでフェイドアウトするのがにくいですよね(笑)。

猟牙:「排梳ノ蝶」へなだれ込む導入曲ですからね。スペーシーな雰囲気から一気に夜の歓楽街へなだれ込むっていう(笑)。その泥ついたメリハリがいいなと思って。

──通常盤のみに収録されている「磔」と「BREAKTHROUGH」もクオリティの高い楽曲ですよね。前者は性急なリズムでグイグイ攻めるパンキッシュな1曲で、後者はダークな曲調から一転して開放感のあるサビのメロディが美しい1曲で。

猟牙:CDの仕様によって収録曲が違うから、どれに何を入れるか凄い悩んだんですよ。ホントは全曲入れたかったくらいなんですけど、通常盤でしか聴けない曲もやっぱり必要かなと思って。ちなみに、「BREAKTHROUGH」はシングル候補の曲だったんです。Kが最初に曲を持ってきた時、俺はマッド・カプセル・マーケッツを連想したんですよ。気持ち的にはマッドへのオマージュとして「BREAKTHROUGH」に挑んだんですよね。しかもそれをどうしても最後に持ってきたかったんです。曲調はキャッチーだけど、日頃自分が感じている思いを歌詞に詰め込んだつもりなんですよ。

──「BREAKTHROUGH」も、まるでジェットコースターに乗っているようなめまぐるしい展開の曲ですよね。

K:確かにリズム・パターンは多いかもしれないですね。「BREAKTHROUGH」はちょっと前からあった曲で、サビのコード感や空気感が割とベタな感じだったので、それを上手く料理できずにいたんですよ。でも、『THE STALIN -666-』の全体像が見えてきた時にこういうストレートな曲が1曲くらいあってもいいんじゃないかと思ったんです。選曲会議の時も評判が良かったし。

猟牙:『THE STALIN -666-』のなかで一番愛されやすいのは「BREAKTHROUGH」じゃないですかね。老若男女問わず踊りたくなるような曲だと思うので。他の曲がダークでヘヴィな感じだから余計に際立つし、だからこそ最後にこの「BREAKTHROUGH」で突き抜けて終わりたかったんですよ。

──ちゃんと細部にわたって構成を練っているんですね。

猟牙:こうして話していると練っているのが自分でも分かりますね(笑)。作っている最中は目の前のことで一杯一杯でしたけど、今思うとけっこう練っているものなんだなと(笑)。

──「磔」にしても、この曲順の辺りにキレのあるパンク・チューンが欲しいというところで配置されていますよね。

猟牙:ライブと一緒で、CDの曲順も緩急のバランスが大事なんですよ。「磔」は30分程度のイベント・ライブには欠かせない1曲ですよね。この曲は全部英詞なんですけど、自分の溜め込んだ鬱憤を吐き出しているのを解読して楽しんで欲しいです。そして俺の痛みを知りなさいと言いたい(笑)。

──“I am a sad clown...”という歌詞がありますが、己が悲しき道化師に思えてならない瞬間が多々あると?

猟牙:ありますね。ネット社会で生きていると、自分たちに向けた賛否両論の声がイヤでも耳に入るじゃないですか。こうしてバンドをやっている以上はそれも当たり前のことですけど、ネガティヴなことを聞けば悔しい思いもするわけですよ。もちろんそれを楽しんでますけどね。ただ、自分を信じてやりたいようにやってやるぜとは言いつつも、1人のファンの意見に心が左右されることもあるんです。そういう複雑な心中を掘り下げて歌詞にしてみたんですよ。

──英詞にすることでニュアンスが柔らかくなるのがいいですね。

猟牙:日本語でダイレクトに書くと生々しくなるし、聴き心地の良さは意識しましたね。

 

ゼロからのスタートを切ったBORNを世に知らしめたい

Ray_web.jpg──去年の3月以降、4人体制となったBORNにとって、この1年はバンドのビルドアップをすべく試練の年だったとも言えますね。

K:結果的にそうなりましたね。全力で走っている間は無我夢中でしたけど。

猟牙:あれだけの本数のライブをやり遂げたので、ライブに対する姿勢が変わりましたね。自分たちの強い部分と足りていない部分が明確に出てきたし。ワンマン・ツアーと並行して『THE STALIN -666-』の制作に入っている時もさらにその先のことを考えていたし、今後のBORNのヴィジョンが定まってきた気がします。

──ライブやレコーディングで放電したエネルギーは普段どうやって補っているんでしょうか。

猟牙:たまに呑みに行ってどんちゃん騒ぎするのは大事にしていますね(笑)。去年から今年にかけて常にアウトプットし続けた1年でしたけど、アウトプットしながらも無意識のうちにいろいろとインプットしていたんでしょうね。ライブにしろレコーディングにしろ、「もうこれ以上出てくるものがないな」と思った時期も正直あったんですよ。でも、『THE STALIN -666-』が出来上がる直前にバーッと視界が開けた感じがして、また表現したいものが出てきたんです。それに加えて、KIFUMIが正式に脱退することになって、オリジナル・メンバーが1人欠けるのはゼロからのスタートだと俺は思っているんですよ。だから今はバンドを組んだ当初のような精神状態なんですよね。それに一回り大きくなれた自負もある。このタイミングで6周年を迎えて『THE STALIN -666-』を発表できたのは、自分でもドラマティックだな思います。

──新たにベーシストを迎える発想はないんですか。

猟牙:今のところ正式メンバーを入れることは考えていません。サポートをやってくれている美央は凄くテクニカルで、今のBORNには馴染んでいるんですけど、正式メンバーとして迎える気にはまだなっていないんです。

K:4人でもやってやるぞと1年間突っ走ってきて、今はその延長線上にいるんですよね。「ベースどうする?」って誰からも話が出てこないということは、4人ともこのままのモードで突っ走っていこうってことなんだと思います。

──オリジナル・メンバーが離脱するアクシデントに見舞われても『THE STALIN -666-』のような会心の作を生み出せるのだから、BORNの底力は半端ないと思いますよ。

猟牙:BORNはずっと綱渡りをしてきたバンドなんですよ。これでもうバンドが終わるかもしれないという危機が今まで何度もあったんです。でも、どんな時でも気づけば笑いながらライブをやっているんですよね。

K:何やかんやと逆境に強いのかもしれませんね。ピンチになってヤバいと思いながらも、結果的には大して気にしてないって言うか(笑)。

猟牙:いい意味で無神経なのかもしれない(笑)。

──転んでもただでは起きないと。

K:転んだこと自体、気づいてないんでしょうね(笑)。

猟牙:転んでも笑ってるんですよ。「ウケるなー!」とか言いながら(笑)。

──今年もライブは誘われれば断らない主義なんですか。

猟牙:さすがに今年は去年より減るだろうと思っていたら、今の段階でもうかなりの本数が入っているんですよね(笑)。ウチはそんなにライブが多いのかな? と思って、いろんなのバンドのバイオグラフィを見てみたんですよ。そしたらちょいちょいイベントがあって、ワンマン・ツアーを大きな会場でやって集客を集中させたりして、皆さんちゃんと頭を使ってるんですよね(笑)。それに比べると、俺たちはかなりブチ込んでるなぁと思って。

──6月から始まるワンマン・ツアーは【OSMOSIS】というサブタイトルがついていますが、『THE STALIN -666-』の収録曲を世に浸透させてやるという意気込みの表れなんでしょうか。

猟牙:『THE STALIN -666-』という作品もそうだし、4人になってゼロからのスタートを切ったBORNを世に知らしめたいんです。それが“SECTION 1”のミッションですね。『THE STALIN -666-』から先の展望も今は見え始めているので、その片鱗を【OSMOSIS】で散りばめたいんです。

 

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THE STALIN -666-
【初回限定盤A/CD+DVD】

PSIS-30036/3,000円+税
*「THE STALIN」、「SKIN」、「↑HUMAN HOLE↓」、「排梳ノ蝶」、「DIARY」を収録。
*DVDには「THE STALIN」の“MUSIC CLIP”と“MUSIC CLIP MAKING”を収録。

THE STALIN -666-
【初回限定盤B/CD+DVD】

PSIS-30037/3,000円+税
*「THE STALIN」、「SKIN」、「↑HUMAN HOLE↓」、「排梳ノ蝶」、「DIARY」を収録。
*DVDには「LIVE TOUR 2014 ALL NUDE SATISFACTION」の“DOCUMENT MOVIE”を収録。

THE STALIN -666-
【通常盤/CDのみ】

PSIS-50036/2,700円+税
*「THE STALIN」、「SKIN」、「DIARY」、「↑HUMAN HOLE↓」、「排梳ノ蝶」、「磔」、「BREAKTHROUGH」を収録。

LIVE INFOライブ情報

Moran VS BORN 2MAN TOUR
〜轟音なるスターリンと常闇のオペレッタ〜

◆4月25日(金)新潟Live Hall GOLDEN PIGS(BLACK STAGE)
◆4月26日(土)金沢AZ
◆5月3日(土・祝)仙台MACANA
◆5月5日(月・祝)札幌KRAPS HALL
◆5月6日(火・祝)札幌KRAPS HALL
◆5月10日(土)名古屋ell.FITS ALL
◆5月11日(日)大阪FANJ twice
◆5月13日(火)京都MUSE
◆5月15日(木)高松Olive Hall
◆5月16日(金)岡山IMAGE
◆5月18日(日)博多DRUM SON
◆5月25日(日)渋谷O-WEST

BORN TOUR 2014
〜THE STALIN -SECTION 1-【OSMOSIS】〜

◆6月6日(金)新宿LOFT
◆6月13日(金)博多DRUM SON
◆6月15日(日)熊本DRUM Be-9 V2
◆6月18日(水)広島ナミキジャンクション
◆6月22日(日)新横浜NEW SIDE BEACH!!
◆6月27日(金)名古屋ell.FITS ALL
◆6月29日(日)OSAKA MUSE
◆7月3日(木)藤沢 善行Z
◆7月9日(水)仙台MACANA
◆7月17日(木)神戸VARIT.
◆7月19日(土)金沢AZ
◆7月26日(土)新宿BLAZE
【チケット】
新宿LOFT〜金沢AZ公演:立見 前売¥3,800/当日¥4,200(税別/D代別)
新宿BLAZE公演のみ:立見 前売¥3,990/当日¥4,500(税別/D代別)

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