それでも何かが起きる気がしているんです
── この作品のリリースツアーが3月1日から始まり、ファイナルは5月23日に渋谷クアトロワンマンが決定していますが、クアトロでのワンマンは初ですね。
柳沢:クアトロをいっぱいにしたいですよね。
── これまでのライブの中でも大きな会場に挑戦するということですごく楽しみです。
柳沢:ただ、個人的にはとびきり大きな挑戦という感じでもないんです。もちろん、絶対に埋まるでしょという自信があるというわけでもないんですけど、ここは勝負だから頑張ろうと肩肘張ってる感じではないというか。
渋谷:順当な形だと思うんです。前回のワンマンの渋谷WWWが売り切れて、あの時に僕たちの音楽を聴いてくれてた人がいなくなっちゃうような活動をした覚えはないので、普通に考えて新たな仲間が増えたんだから聴いてくれる人も絶対に増えていると思っていて。
柳沢:関わってくれる人が増えたから聴いてくれる人も増えているでしょなんて、クソ甘い話だってことは経験してきたはずなのに、それでも何かが起きる気がしているんです。謎の自信なんですかね。
── アルバムにも自分たちの活動にも自信を持ててるからでしょうね。ツアーはワンマンなんですか?
柳沢:Mop of Headとか、DIRTY OLD MEN、撃鉄とかをゲストに呼んで。楽しければ対バンのジャンルとかもこだわらないでいいと思ってます。
── 今年はどんな1年にしたいですか?
柳沢:もっともっとザワザワしてくれると思う。焦ってないって言ったらウソなんだけど、焦りというよりはもっと届けたいし、広がるはずだと思っているし、聴いてもらいたいと思ってます。だから、今年どうしたいというよりは、今のSUPER BEAVERの音楽を続けていきたいですね。良いアルバムが出来たとか、クアトロのワンマンが決まった時にやったねとか、嬉しいねとか楽しいねって言える人間をいっぱい増やしたい。唯一の共通項のSUPER BEAVEの音楽を囲んで、みんなで喜べたり楽しめたりの規模をどんどん大きくしていけたらもっともっと楽しいだろうなというのは思っています。
── リズム隊の2人はこの作品が出来上がってなんと言ってますか?
柳沢:同じような意見ですけど、このアルバムを聴いてすごく良いって言ってたって話を聞いた時に、調子に乗ってるとかではなくて、それはそうでしょって言えるようになった。それだけの自信作が出来たし、ただひたすら届け! って思ってるだけ。
── 届く気がしますよ。このアルバムを聴いた人にとっての大事な1曲が見つかる気がするし、その聴いたみんながSUPER BEAVERが届けたいと思っている「あなた」になりうるわけで。だから届く気がするんです。私も謎の自信だけど(笑)。
柳沢:俺らもそんな感じです(笑)。届く気がする。
渋谷:すごく自信があるものが出来たら聴いてくれたら嬉しいですよね。
最近は誰かの音楽と比べることも全くなくなったし。SUPER BEAVERはSUPER BEAVERだって思えるようになったから、過去の自分たちから言わせると今のSUPER BEAVERは楽しそうで、すごく羨ましく見えると思う。そういう感じが滲み出てるから、そっちに行きたいって思ってくれたら一番楽しいんじゃないかと思うし、ついて来いよって言えるし、すごく前向きになったね。
渋谷:卑屈ではないですね。
柳沢:もちろん、俺たちが良いと思ってるからってだけで終わらせるつもりもないですけど。
── 時間と経験がここに来て良い作用をしているんでしょうね。
柳沢:やっぱり5年早いんだよ(笑)。もちろん今でもギランギランしているんだけどね。売れたいし。でも、不安はあるけど先のことはほんと心配しなくなりましたね。
渋谷:なるようにしかなんねえから。
柳沢:つまりはレット・イット・ビーですよ。ほんとに積み重ねて来たなと思うから。
── 積み重ねただけではなく、その先が見えてきたということですよね。
柳沢:無駄だと思ってた過去も一本線が繋がったよね。ベタな言い方すると、無駄だと思っていたこともこのためにあったんですねって思えるぐらいレベルアップして経験値を貯めていたんですね。
渋谷:あのまま辞めてたら、ただの卑屈人間になってましたよ(苦笑)。
LIVE PHOTO BY:佐藤寧花