Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューGARAKUTA KOJO/清水泰次+影山裕之(Rooftop2014年1月号)

童心と郷愁と夕暮れの残像が詰まった歌の秘密基地

2014.01.05

「宝物はいつだってガラクタの中にある」
ぶっきらぼうだが温かみに溢れた彼らの歌を聴くたび、そんな言葉を思い出す。
怒髪天の清水泰次(vo, b)が同郷の幼なじみである影山裕之(g)とともに結成したユニット、GARAKUTA KOJO。昨年に引き続き、今年も我がネイキッドロフトにて『ガラ・コンサート&ガラ・トーク』を開催する彼ら。結成30周年を記念した日本武道館公演を直前に控える怒髪天のメンバーとして活躍する一方、清水自らボーカルを取る二重奏楽団を断続的に続ける意図を尋ねるべく、本誌は彼らにとって初の公式インタビューを奪取。リハーサルの終了後に影山の自宅兼GARAKUTA KOJOの秘密基地を訪ね、結成の経緯から今後の展開に至るまでのらりくらりと話を聞いた。(interview:椎名宗之)

ユニットを組むなら影さん以外に考えられなかった

──GARAKUTA KOJOが結成されたのは、『響都ノ宴』への出演(2012年10月)がきっかけだったんですよね。怒髪天のメンバー各自がその日限りのユニットを披露するという趣向のイベントで。

清水:そうだね。それまでも影さんとは何か一緒にやりたいと思ってたんだけどさ。

影山:シミが持ってきた曲に俺がギターをつけるのは1年半くらいやってたよね。ウチに遊びに来て、世間話の延長線上でそんなやり取りをしていて。でも最終目標がなかったから、ただダラダラやっておしまいになってたんですよ。

清水:その前は影さんと年に2回くらいしか会ってなかったけど、ここ2年は昔みたいに頻繁に会ってるんだよね。

影山:『響都ノ宴』の数ヶ月前に「ちょっとやって欲しいことがあるんだけど」って言われて、昔シミがロフトプラスワンとかでやってたトーク・ライブみたいなものに出ればいいのかなと思ったんですよ。そしたら京都でライブをやるって聞かされて、そんな所に自分が出ていいのかな!? と思って。

清水:怒髪天以外で自発的にユニットを組むなら、影さん以外に考えられなかったからね。最初はノイズっぽいグチャッとした音楽をやろうと思ってたんだけどさ。

影山:シミが「こんな感じのをやりたい」って持ってきたのが、ジョン・フルシアンテがフガジのジョー・ラリーと組んだアタクシアのCDだったんですよ。やってみてもいいけど、こんなのできなくない? って思ったよね(笑)。

──前衛性の強いポスト・パンク的な作風ですからね。

清水:うん。まずドラムがいないし、そもそもベースを弾きながら唄えないだろ!? って思ったし。

影山:でも、それをもしホントにやったら「怒髪天のベースの人、頭おかしくなったんじゃないか!?」って思われて面白いよね、みたいな話になって(笑)。

清水:そうこうしてるうちに、歌モノの曲が1曲できちゃったんだよね。それが「sayonara」っていう曲で、ベースを和音で弾きながら唄ったの。こんな感じでいけばやれるんじゃないかと思って、影さんにギターをつけてもらってさ。それからポンポン曲もできるようになった。『響都ノ宴』は4人それぞれの持ち回りだったから、結局、自分で唄わないとソロ感が出なかったんだよ。

──怒髪天本体でも充分忙しいはずのに、よくそんなに曲を作れましたね。

清水:まぁ、曲ができるまでの時間が長かったからね。

影山:歌モノの曲ができるまではほぼインストだったんですけど、そもそも最初にシミと出会った時にシミはボーカルだったから、「なんで唄わないんだろう?」ってずっと思ってたんですよ。

清水:ああ、セサミストリートの時ね。俺がゼラチンの前にやってたラフィンノーズとかのコピー・バンド。ガーゼのシャツを着て唄ってました(笑)。

影山:俺、セサミストリートのライブを最前列で見たことありますよ(笑)。多分、「sayonara」ができるまでのシミには唄いたいテーマがなかったんでしょうね。たまたま『響都ノ宴』がいいきっかけになって、シミも自分で唄おうと思ったみたいですけど。

清水:歌詞も何となくだけどできたから、これであと2、3曲作って喋っておけばライブは何とかなるだとうと思ってさ(笑)。

──シミさんが唄うのは僕らにとっては新鮮でしたけど、影さんにとってはそれが本来の姿だったんですね。

影山:もともとボーカルの人だと思ってましたからね。それがゼラチンに入ってからベース専任になって、怒髪天に引き抜かれて今に至るわけですけど。

清水:あのね、俺はもともとはベースなんだよ。

影山:そうだっけ?

清水:うん。中学の時にザ・バーストってバンドをやってた時はベースだったから。ちなみにそのバンド名はもちろんスターリンの「爆裂(バースト)ヘッド」から取ってるからね(笑)。

影山:俺、そのバーストのライブも見てるんですよ。その頃、まだ自分はバンドをやってなかったんですけど。

清水:バーストのライブを千歳でやったのが30年前の冬でね。だから、今度の武道館は初ライブからちょうど30年後に実現するんだよ。それが何だか感慨深くてさ。

影山:そのバーストのライブって、町内会館みたいな所でやったよね?

清水:そう、信濃会館。信濃会館から武道館へ(笑)。

 

“チームGARAKUTA”としていろんな人たちを巻き込みたい

gara9_web.jpg──『響都ノ宴』での初ライブで「これはいける!」と手応えを感じたんですか。

清水:いやぁ、俺は緊張しすぎてあまりよく覚えてないんだよね。どうだったの?

影山:分からないよ。俺はそれ以上に緊張してたからね(笑)。だって、シミと一緒にステージに立っても「あいつ誰だ!?」って絶対に思われるわけでしょ?

清水:俺以外の3人はみんなコピー・バンドだったんだけど、俺はコピーをやりたくなかったの。コピーするほうが面倒くさいし、それをやるならバンド形態にするしかなかったからさ。それならせっかくのいい機会だし、オリジナルでやっちゃえ! と思ってね。ここで踏ん張って新しくユニットを始めるのも悪くないなって。あと、このユニットは今後いろんな人たちを巻き込んで、“チームGARAKUTA”みたいな感じにしていけたらいいなと思ってる。現にオハラトモコ(*)ちゃんっていうアートワーク全般とパブリシティ担当のクリエイターもいるんだよ。彼女はGARAKUTA KOBO(工房)として、グッズのデザインやツイッターの管理なんかもやってもらってるんだよね。

──なるほど。僕はネイキッドロフトの新年会イベントで初めてGARAKUTA KOJOを見たんですが、どの歌も詞がシンプルでとても温かみがあって、シミさんっぽくていいなと思ったんです。「nanka」や「kyou」のように何気ない日常の心象風景が等身大で綴られている歌もいいし、「hurusato」や「anohi」のように少年の日の夏の夕暮れ感がある歌もいい。「dareda」で聴かれる、明日を背負って立つ子どもたちに対する優しい眼差しも如何にもシミさんらしいなと思いましたし。

清水:大人になった今の気分を唄う曲もあるけど、少年時代の冒険心みたいなものがテーマとしては一番面白いんだよね。やっとそういうことを素直に詞にできるようになったんだよ。と言うのも、ずっと恥ずかしくて歌詞が書けなくてさ。普段からもの凄く主張があるタイプじゃないから、特に言いたいこともないしなぁ…って感じだったの。でも、「なんかつまんねぇな」とか「働きたくねぇな」みたいな歌詞でも充分歌になるんだよね。

──“詞”と“詩”は違いますからね。

清水:そうだね。あと、俺は基本的に曲と詞を同時に作っていて、曲を作りながら出てくる言葉を待ってるんだよ。曲の最初の原形はそうで、後で歌詞を書き直そうとしても大抵は最初に出てきた言葉のほうがいい。だからその言葉に合った素直なメロディになるし、友康さんが作るような上質で複雑なメロディは作れない。とにかくね、難しいことを考えるのはやめにした。Aメロ→Bメロ→サビっていう一般的な流れもやめにして、A→B→A′でも歌になるよなって思ってさ。それでも曲として充分に成り立つと分かった時に曲作りがラクになったんだよね。

──影さんはシミさんから上がってきた曲を聴いて、どう感じました?

清水:「俺の好みじゃないな」って感じじゃない?(笑)

影山:そんなことないよ(笑)。俺はシミが自分で唄い出したことが凄く嬉しかったんですよ。そもそもシミに誘われて2人で最初にスタジオに入ったのは5年くらい前のことなんです。「何やるの?」って訊いたら、「エフェクターをごそっと使ってベースで遊ぼうかな」なんて言う。その頃から俺は「唄えばいいのにな」って思ってたんですよね。

清水:やっぱり凄く恥ずかしくてね。影さんの前で唄うことすら恥ずかしかったから。

──それが吹っ切れた転機は何だったんですか。

清水:自分でも納得のいく曲ができたことが大きいかな。その意味では『響都ノ宴』みたいなイベントがあって良かったね。練習をいっぱいやって大変だったけど。

影山:大変だ大変だって言う割に、リハがあと2回しかないって時に「1曲新しいのができちゃいました」なんてメールが来てね(笑)。それで1回くらいしかスタジオで練習できなかった曲もあった。

清水:お陰でいっぱい間違えたよね(笑)。

──ライブを見ると余計に感じますけど、影さんのギターの味つけが過不足なく絶妙なのが分かりますよね。

清水:俺の曲が成り立ってるのは完全にギターのお陰。影さんがいいギターをつけてくれるから、ちゃんとメリハリや表情が生まれる。ベースは基本的に5度の和音だからほとんど味つけにはなってないし、ちょっと音圧を高める程度なんだよ。それも高いほうで弾いてるからそんなに効果がないっていう(笑)。ただ、普通に低いほうでルート弾きしたらなんかヘンだったんだよね?

影山:そうそう。それで和音に戻したんだよ。

 

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LIVE INFOライブ情報

清水泰次(怒髪天)presents
『GARAKUTA KOJO ガラ・コンサート&ガラ・トーク 2014』
〜人間万事塞翁が馬、ウマい話とウマい酒には気をつけろ!!〜

2014年1月4日(土)新宿百人町 ネイキッドロフト
【出演】GARAKUTA KOJO(清水泰次+影山裕之) 他、飛び入りゲストあり!?
OPEN 17:00/START 18:00
前売¥2,500(飲食代別)完売御礼!!
【問い合わせ】ネイキッドロフト 03-3205-1556

怒髪天結成30周年記念日本武道館公演“ほんと、どうもね。”
2014年1月12日(日・祝日前夜)日本武道館
【出演】怒髪天(ワンマン)
OPEN 17:00/START 18:00
●指定席 ¥5,000 完売御礼!!
●着席指定席 ¥5,000 完売御礼!!【*1F/2Fスタンド最前列含む前方エリアのお席です。公演中は着席にてご覧頂きます(立見観覧不可)】
●指定席 A席 ¥3,500【*2Fスタンド後方エリアとなります。一般発売日からのお取り扱いとなります】
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