「平成デモクラシー」という若手の登竜門で伝説的なイベントだったねと言われるものを作りたいです。(神崎)
――「平成デモグラシー」を開催するにあたり、見本となるようなイベントはありましたか?
神崎:サーキットイベントでしたら「見放題」や「ミナミホイール」等があるのですが、都内でしたら「サウンドクルージング」ですね。強気なことを言うと、こじんまりとしていても面白いことが出来るのではと思っています。なんか新しいと思わせるというか、はじめましてが多いイベントの方が皆ワクワクするのではと思うのです。「平成デモクラシー」に出た人が将来有名になった時に、振り返ってみたら「平成デモクラシー」って若手の登竜門で伝説的なイベントだったねと言われるものを作りたいです。だから、お手本としているイベントはたくさんあるのですが、それとはまたちょっと違ったものでありたいという理想はありますね。
樋口:私はブッカ―として世代間を繋ぐ架け橋的な存在になりたいなと思いながらブッキングをしているんです。昭和は昭和、平成は平成とまとまってしまっていたら悪い意味でこじんまりとした感じになってしまう。折角、音楽が縁で世代を超えて出会っているのだから、その世代間を混ぜたものをやれたらなとよく考えます。
舳:そこから平成生まれのアーティストが上の世代の人たちと繋がるきっかけにもなりますしね。
樋口:今の若い人たちに受けがいい音楽が、私たち世代に受け入れられることだって絶対にあるし、その逆もあると思うのです。CD不況だからこそ、そこをライブで繋げたいです。それがブッカ―のやりがいのあるところかなと最近つくづく思います。また私自身教えてるようで若い子から学ぶことも多いんですよ。
結局ブレてない人は、今でも活躍している。(樋口)
――ロフトのブッカ―である樋口さんから見て、昭和生まれのアーティストと20代前半のアーティストを比べた時に、何か違いとかを感じることはありますか?
樋口:根本的に変わってないなと思っています。ガッツがあって、やってやるぞ! という人達はやっぱりブレていない。それで結局ブレてない人は、今でも活躍している。ただ、敢えていうなら昔より打ち上げでの飲み方がお上品になったかも(笑)。
神崎:僕たちは飲みますよ(笑)!
樋口:私も今年最後のブッキング担当なので大打ち上がりです。
舳:忘年会ですよね(笑)。
樋口:皆さんのような若い人たちと接するようになったのはここ2〜3年。それまではこうやって接する機会が少なかったから、最初は平成生まれの人たちとどうやったら仲良くなれるのかなって思っていて。ただ私はブッカ―として、どんどん新しいことはやっていきたいと思っているから、こちらから若い世代に歩み寄ることは大事だと思うので、新しい風はどんどん入れていきたいです。「平成デモクラシー」を年末に開催することによって、2014年から個々でロフトや別の場所で活躍する平成のアーティストがきっと出てくるだろうし、そうであってほしいなと思います。
――樋口さんは若い世代の皆さんと一緒にイベントをやることについてはわりとすんなり受け入れられた感じですか?
樋口:はい。ロフトで開催だからこそ、いい意味で緊張感は持って欲しくて。背伸びしたブッキングよりは、ある程度リアリテイのある嘘のないブッキングの方が「平成デモクラシー」っぽいし、そこは頑張って欲しいなと思います。
舳:そういう風に接してくれる、引っ張ってくれる大人がいるから私たちも頑張れます
樋口:2000年代の若者たちが出てきたら、みんなが引っ張っていかないとね。「平成デモクラシー」に出ているバンドが、もしかしたら7年後にある東京オリンピックのテーマソング歌っている人が出るかもしれないし。だからこそ、今回この「平成デモクラシー」から生まれるムーブメントの発祥の地が新宿ロフトだったらいいなと思います。
――12月26日は、それまでにいろんなことを吸収して良い形で当日を迎えられると思うんですけど、最後に運営のお2人の当日の意気込みをいただいて終わろうと思います。
舳:お客さんも出演者も含めて、若い世代がここからみんなで上を向いて頑張っていこうという、若手の一つの登竜門的なイベントとして、そして新宿ロフトという登竜門と言われるライブハウスでこれから戦うところを目指した、ギラギラしたイベントでありたいなと常に思っています。このイベントを見た私たちより下の世代が、「平成デモクラシー」みたいなことしようぜと言ってくれるようなイベントになったらかっこいいですね。
神崎:イベントとしても、出演者としても、これからくるぞっていうのをとにかく感じてほしいですし、この世代を今から見ていてほしいとも思っています。ある意味でこぼこな、完成しきってないイベントですけど、常に勝負していたいイベントです。