別になにやってもええやんって
── ニューアルバム『イカの天プラ』が発売となりますが、まず何でこの曲をタイトルにしたんですか? トラックの『イカの天プラ』はアメリカンハードコアのような、でも歌詞がふざけているような。
ユ:そう、これはふざけた曲なんですよ(笑)。この曲は歌詞も載せてないくらいふざけてますわ。スターリンの『天プラ』のめちゃめちゃバカなパロディ的な曲を作りたいなと。
── この作品は音楽の振り幅がとても大きくないですか?
ユ:殺害、流血=悪ふざけってイメージがあって、まじめな事歌ったら、そんなん流血ちゃうやろとか言われたりするんやけど、別に俺自身いろんな音楽好きやし、ふざけたところばっか焦点当てられるのも飽きてん。流血ブリザードってこういうバンドやろって限定されるのも嫌やし。別になにやってもええやんって。
── 『流血ブリザードのテーマ』とか、『ジェノサイドノイズ』が一番世の中に思われている流血ブリザードっぽい曲ですよね。そこから急に80'Sのビートパンクがあったり、ニューウェーブ感や、ポジパンの雰囲気もあったり。
ミ:『ババアキーポンスタンディング』とか、『ポリスマストダイ』とかはアタイらの趣味が結構出てるな。
ユ:『ポリスマストダイ』は不当な職質を受けた実体験を元にしたガチな曲やな。警察の汚職とかひどいやん。あとヤクザの車をレッカーするのは見たことないし。まぁ…この曲は笑い無しになったな(苦笑)。
── お客さんは流血ブリザードに何を求めていると思いますか?
ユ:最初、面白いところばかりを求めているのかと思ってたんやけど、それって俺らが勝手に抱いてるお客さん像であって、実際の最近のお客さんは激しい過激なGIGを求めてきているような気がする。
ミ:アタイはライブバンドとしてのパフォーマンスのかっこよさと、ユダのばかばかしい部分、バナナとか納豆を投げたりとか、リミッターを振り切っている所が受けている気がするね。
── 音源でそういった所を表現するのは難しくないですか? それを思ってジャンルの振り幅を広げたり、歌ものを多く入れたのかと感じたのですが。
ユ:確かに歌ものが多いかな。歌い方も変わってきたかな。
ミ:結構1stはあえて殺害塩化ビニールに合わせたと言うか、イロモノの部分を多くしたんだけど、今作は自然とこれまでのイメージだけでは無く、歌詞も意外と考えているんだぜって事を分かりやすくした。
ユ:社長も今回のは殺害殺害してなくて、一般にも受けそうな作品だねと言ってくれたけど。まぁそれでも普通のバンドよりは言っていることもグロかったりはするんやけどね(苦笑)。
ミ:メンバーみんな音楽の趣味がちょっとずつ違うから、出てくる物が自然と違うんだよ。
── 音楽的ルーツは何だったんですか??
ユ:この『ユートピア』とかは俺等オルタナ世代だったんで。
── 『ユートピア』って、BUCK-TICKとか、LUNA SEAのような雰囲気だと思ったんですが?
ユ:それは今回はDrのTOJIKOMEがギターで参加してるから2本のギターになってて、あいつがそういうジャンルが好きなのが出たのかも。俺は最初SUCKDOWNみたいな曲にしよ思てたんやけど(笑)。
── SUCKDOWN感は全く感じませんでした…。
ユ:あとヌンチャクとかの感じ。
── それはちょっと感じますね。
ユ:いろいろコンセプトはあんねけど、『ババアキーポンスタンディング』とかはフィンランドのハードコアを意識してる。
ミ:結構歌詞を見られるとなんてひどい歌詞だってなると思うんだけど実は聞いてみるとフィンランドのハードコアの歌い方に良く似てる。フィンランド語の響きに併せてオイボレクタバレとか実は言っているって言うギャグ(笑)。
── やっぱりどんな人に聞いて聴いてもらいたいか分からないんですが?
ミ:ハードコアの人とかではなくて、中学生高校生に聴いて、あっこんな音楽もあるんだって発見して欲しいと思って、このレコ発のフライヤー見てクスッて興味を持ってくれる人に聴いて欲しいな。
ユ:俺もハイスタとかブラフマンとか普通に流行ってたものを聴いてから、そっから遡って鉄アレイとかDEATHSIDEとか聴いたりしてきたんやけど、そんな感じで最初の入門編のように聴いてくれたらと。勿論コアな趣味の人も聴いて欲しいけどな。実際シリアスなハードコアパンクが好きだけど、流血も好きって言うてくれてる人もおるし。ほんでこれギャグやなく真剣に言うてるんやけど、俺は今回のアルバム、この世の全ての人に聴いて欲しい。俺の家族以外の全員な(笑)。
── ライブで最後に必ずプレイする同期の『I LOVE ME』第二弾の様な『愛暴動』が入ってますね。
ユ:そう、実は凄い昔からあった曲なんやけどな。
── ちなみに最後の一気に空気が変わる『I LOVE ME』ってライブの中で必要ですか?
ユ:あれを楽しみにしている人がいるからなー。
ミ:そしてライブで物投げたり、激しく狂ったり、かっこつけてたるする中で、他のパンクバンドとはちょっと違うってところを出したくて。
── たしかにぐっちゃぐちゃになったあとに突然あの曲がかかるとひとつになれますね。
ユ:怖いというイメージ止まりになりたく無いねん。俺等なんかでも、女の子とかからしたら十分怖いと思われたりするからね。
── 9月29日にレコ発がありますが、何故ロフトで開催しようと思ったのですか?
ユ:やっぱり俺はロフトが大好きやし、ルースターズとかアナーキーとか好きで、よくロフトに幻想を抱く人居ると思うんやけど、俺はその典型やから。何回か出させてもらってやっぱりロフトが一番いいなと。大きくてちゃんとしながらも、ラフさがあるし。自分には珍しいことなんやけど、仮にロフトの人に嫌われても俺から出たいと思うね。ロフトって超メジャーなハコなのに、何故かコアな匂いというかストリート感があるしね。
── それでは、最後にロフトライブへの意気込みをお願いします。
ユ:何はともあれ俺の誕生日! 前回は部屋いっぱいのプレゼントをもろたけど、今回は部屋に入りきらない量のプレゼントが欲しいなー。そしてGIGが良かろうが悪かろうが盛り上がりなさいと言いたい。この日の主役は俺だと! 俺を気持ち良くしなさいと(笑)。
ミ:どんだけ学校で駄目なやつでも、仕事が出来ないやつでもこのアルバムを聴いて流血ブリザードのGIGを見て、安心しろって伝えたいな。