Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(Rooftop2013年9月号)

ファンの皆様が突き動かしてくれたんです

2013.09.01

劇場版の見所

—— 映画化を決めたきっかけは?

斎藤 テレビシリーズの放送が2011年の4月だったんですけど、9月に秩父でイベント(「ANOHANA FES.」)を行って、10月上旬に4夜連続の再放送を行なったんです。その際にフジテレビさんから来年も夏にイベントをやりたいって要望があったんですが、ただイベントやるだけでお客さんに満足してもらえるんだろうかっていうことも含めて、どこからともなく「映画でも作ろうか」みたいな話が持ち上がったんです。実際に映画を作ろうと決めて動き出したのは2012年になってからですね。4月か5月くらいから動き始めて、夏のイベントを迎えたときにクリエイターの3人も来て頂いて、お客さんの映画化発表に対する反応を見て、もともと総集編で考えてたんですけど、これはただの総集編じゃお客さんは満足してくれないんじゃないかということになって(笑)。そういったお客さんの後押しもあって、45分の新作映像が加わるきっかけとなって、今回公開している映画の内容に繋がっているんです。

—— 『あの花』はテレビシリーズでストーリーが完結してしまっているので、新たなストーリーを作り難いですよね。

斎藤 今回の映画のベースとなっているのは、「ANOHANA FES.」で岡田さんが書きおろした『めんまへの手紙』っていうピクチャードラマなんですね。それが劇場版に追加された一年後の話のベースとなっているんですけど。後は過去話ですよね。当然、新たな物語を産み出すのは大変なんですけど、逆に昔の物語ってすごくたくさんあったと思うんですよ。超平和バスターズが仲良くしていた時代の話は、本当はいくらでもあったはずで。めんまがどんな気持ちで超平和バスターズに加わったのか、みんなに対してどういう気持ちをもっていたのか——。そこを描くことでテレビシリーズよりもめんまの気持ちが補完されていて、さらにめんまが消えないで欲しいと思ってしまう、温かいエピソードがたくさん加わっています。そこにたどり着くまでには3人に凄く苦労頂きました。

岩田 落ち着くまで大変だったよね。

斎藤 落ち着いたのは夏のイベントがあった後ですよね。220分を90分の総集編に収めるのって、『あの花』みたいな作品だとどこも切れないくらい名シーンが詰まってるので、とりあえず2〜3ヶ月ずっと頭を悩ませていたなか、イベントがきっかけになって、監督、岡田さん、田中さんの3人が昔作ったイベントのピクチャードラマをふくらませながら、子供達の時代を描こうっていう展開を提案してくれました。

—— テレビシリーズから関わって来られたお2人の好きなシーンは?

岩田 結構いっぱいあるんですよね(笑)。いっぱいあるんだけど……「かっけーんすよ」は良いですねえ……。あとはすごく地味だけど、お墓でのじんたんとお父さんの会話。「何でも知ってるんだよ、親って」みたいに言うのがね、同じ親の世代としてグッとくるんです。

斎藤 (笑)。僕もたくさんあり過ぎて選べないですよ。

岩田 ねえ。じんたんの後ろにしがみつくあなるとかね。

—— 今回の劇場版の見所は?

斎藤 めんまの気持ちが新たに分かるところがあるんです。彼女がなぜじんたんのところに戻って来て、実際にはそのときめんまがどういう風に思っていたのかというところは、テレビシリーズより補完されているので。そこはすごく劇場版で見て欲しいところですね。

岩田 じんたんがめんまの手を引いてくれたっていう気持ちが見所だね。

斎藤 そうですね。そして、1年後の5人の関係値がどういう風に変化していて、どういう風に一歩進んだり止まったりしていたかっていう。

岩田 めんまが最後に見えたことによって、5人それぞれのめんまへの意識っていうのがより明確になっているのかなと。

—— では最後に、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

岩田 本当に丁寧に作っていて、各キャラクターの表情とか良い顔してますし、物語も面白く仕上がってます。その辺も含めて充分楽しんで頂けるかなと思います。そして多分、シリーズを全て観た後に観たらもっと深く映画が楽しめるかなと思います。

斎藤 さっき劇場版が決定した理由をお伝えしたんですけど、お客さんと何度かイベントで接する機会があって、そのことが劇場版のきっかけになり、劇場版の内容が変わりました。本当にファンの皆様に突き動かされて今回劇場版をできるという機会を得ているんです。そういったファンの皆様に喜んで欲しいと思って作った映像になってるので、ぜひ劇場に足を運んでください。あと、本当にテレビシリーズをご覧になっていれば更に楽しめますし、テレビシリーズを観ていないお客さんにとっても必ず共感できる内容になってるので、いろんな人に観て頂きたいです。

—— ありがとうございます。テレビシリーズをもう一度観たくなりました。

斎藤 ぜひご覧頂きたいです。そして劇場版も観て、どっちが泣けたか教えて欲しいですね。僕は映画も号泣でした。

岩田 楽しみにしていて欲しいです。

斎藤 そうですね。

 

anohana_02.jpg『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
新宿バルト9他、全国劇場にて好評公開中
http://www.anohana.jp/

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