僕等はテレビが面白かった時代を知っている最後の世代
──6曲目『私をoiって叫ばせて』なんですが、これはoiパンクをやりたかった?
北島 実はoiはあんまり詳しくないんです。この前、ロリータ18号のライブを観たらすごくよくて、何か自分の中で気が晴れる所があったんです。あーこういう曲やりたいなって思って、それで作った曲ですね。ロリータさんは唯一無比というか、パンクにしかできない力を感じます。
──7曲目の『弟』では、弟が欲しいって歌ってるんですが、これはなんでわざわざ曲にしたんですか?
北島 いや、自分が大人になりきれない一番の言い訳を考えた時、自分が末っ子だからかなと(笑)。あと過去のアルバムではポエトリーリーディングはやってなかったので、大人になれない言い訳をポエトリーリーディングでやってみました。
──『ロマンチックがどえらいことに〜Drummer's mental remix〜』ですが、mental remixって何かと思ったら、モリスさんの心の叫び声を曲に被せただけという(笑)。
モリス まあ、それだけです(笑)
──「わいが瀬戸内海が生んだドラム界の桃太郎」って叫んでますが、いつもそんな感じなんですか?
モリス いや、今は「わい」とは言いません(笑)。でも子供の頃は自分のことを「わい」って言ってました。高校に入って少し離れた高校に通ったら誰も言ってませんでしたが。
北島 彼はドラム叩いてる時だけ「わい」なんです。
──いい曲なんですけど、remixする必要があったのかという(笑)。
U太 ないですね。1回聴いたらもういいかなと。
モリス いや、飛ばさないで下さい!
──13曲目の『オモローネバーノウズ』は1曲目の『コミックバンド』と対になるような曲ですね。昨年シングルとしてもリリースされてますが、2011年の3.11後、自分達が何を表現したらいいのか悩んだ末にこの曲ができたと仰ってましたが。
北島 そうです。俺らはこれで行くぞと思いました。どんどん笑ってもらおうと。
──先程言ってたように90年代の中盤は音楽もテレビも全盛期だった一方で、阪神淡路大震災やオウム事件といった衝撃的な出来事がありました。その当時の経験も影響してますか?
北島 もちろんそうですね。中学生の時は本当いろんなことがありすぎましたから。自分が屈折しているのかもしれないけど、当時録画したビデオを今でもよく見るんですよ。
──70年代は高度成長期で80年代はバブルの時代だったのが、90年代後半は不景気で徐々に暗い時代になっていく頃だったと思うんですが、当時、中学生としてはどうでした?
北島 なんとなく未来は明るくないって感じてました。気づいたらテレビでおっぱいが見れなくなってしまったし。
──え、そこですか!?
北島 いや、それまでは見れてたんですよ! これからどんどん面白くなくなっていくんだろうなって思いました。
──だからこそ俺たちが面白くしてやろうと。
北島 その気持ちはベースにありますね。
U太 僕等はテレビが面白かった時代を知っている最後の世代だと思うんです。
──『オモローネバーノウズ』は誰でも知っている有名な曲名をダジャレにしているのも大胆ですが、これはビートルズじゃなくてミスチルの方なんですね。
北島 僕の年齢だとそうですね。大ヒットした曲から名前をもらって、僕等がいつもやっているライブハウスで流行ってる曲にしたかった。フラワー・カンパニーズの『深夜高速』とか、ガーリックボーイズの『あんた飛ばしすぎ』みたいな。ライブハウスでやるとめちゃめちゃ盛り上がるような。
──なるほど。やっぱり四星球はライブハウスで観ないといけないですね。アルバム発売ツアーは関東圏もありますからね。
北島 はい。当面の目標は関東圏でもっと知られることですね。今年は巻きで行きますよ(笑)。がんばります!