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INTERVIEW

トップインタビューlloy draws「IMMIGRANT HAUS」

自分にとっての新しい【存在】を『IMMIGRANT HAUS』に発掘しに来て欲しい。

2013.06.25

全部自分の価値判断で生きろよ(松原)

1307lloy_ap1.jpg―今回で18回目となる『IMMIGRANT HAUS』についてお伺いしたいのですが、このイベントはどういうコンセプトで企画されているのでしょう?

松原:企画した当初は内輪的な感じのイベントになりつつあったんだよね。でも、集客はもちろんのこと、お客さんがお目当てのバンド以外にも興味を持ってくれて今後のバンドの動員に繋がるっていうか、凄く当たり前の事だけどバンドにもお客さんにもメリットがないとイベントをやる意味はないと思うようになった。花火が打ち上がらないと、ただの飲み会イベントになっちゃうしね。自分自身が今いる状況に飽きていたり、つまんないな~と感じるからイベントをやりたいわけで、企画するときにはその気持ちをいつもぶつけてる。自分自身これから歳を重ねていく上で、ただの仲良しこよしで、傷を舐め合うロックミュージシャンみたいなフリをして生きていきたくないんで。「何の為のロックなんだよ」って言ったら、俺は何かを(見る側に)与えたいし、初めて共演するミュージシャンを呼んで自分もドキドキしたいので。そういうスリリングな原体験的な感覚も持ち合わせた上でイベントを組んでます。先日、skillkillsのライヴを観に行って来たんだけど、「今、この人達は同じ空間、同じ時間軸で演奏しているんだ!」って今更ながら感動したんだよね。このイベントでも、お客さんがそういう【ザ・ライヴ】な気持ちを持てるようなものにしたいと常に考えています。自分の好きなバンドのライヴしか見ないっていう人もいるとは思うけど、もっとその空間に入り交じって、いろんな音楽を聴いて刺激を受けて欲しい。

―7.19もジャンル枠を超えて幅広いラインナップになってますよね。

松原:ホールの出演者を見ただけでも「何だこれは!?」って俺なら思う。当たり前だけど、マジメに自分がシビれるバンドしか誘ってないです。「俺はガレージだから」「私はビジュアルだから」「俺はパンクだから」みたいに「私はこういう者でこういう派閥に属しています」って、人が作りあげたものに乗っかって自分を名乗る人が多いと感じるんですよね。それはそれで各々の愛する音楽のジャンルだから素晴らしいことだけど、俺自身はそういうのが本当に嫌だなと思ってて。俺は何にも属さないし、自分自身をジャンルというものに枠組むのではなく、『存在』として在りたいです。

yuko:私自身、どこに行ってもどこにも馴染めないっていう感覚があるんですけど、同じ様に思う人が居たとしたら『IMMIGRANT HAUS』(移民の家)に来て楽しんでくれたら良いな、と思います。「このバンド初めて見るけどかっこいいな!」って発掘しにくる感じで、新鮮なものを得てもらえたら嬉しいです。

松原:自分達がやっていることがかっこいいと確信して演奏しているから、他のバンド目当てで来た人を少しでも自分達の音楽の方に連れ去っていきたいよね。せっかくイベントに来てるんだから、新しいものに目や耳を向けようとしないと音楽の世界に未来は無い気がする。情報を強く押し売りするヤツが勝つような世界にはしたくないですね。SNSなどで「今度のライヴで凄いことが起こります!」みたいな宣伝や情報が溢れ返っていると思うんだけど、本質的なところってやっぱり直に見て聴いてっていうものじゃないと掴めないものだと思うんだよね。だから、このイベントの面白さみたいなものもクチコミ感覚で広がっていって欲しい。「誰かの意見に同調して音楽を判断するのではなく、自分の価値観で音楽を捉えてほしい!」っていう情報をここで発します(笑)。

―共演者について紹介して頂けますか?

松原:今回のホールの出演者に関しては『東西南北』というイメージがありましたね。毒気とスタイリッシュさをもつPLASTICZOOMSや、DAMAGEのようなエレクトリックなバンドもいれば、ハードコアが基軸になっているT.C.Lも。PLASTICZOOMSとはライブをお互い見に行ったりする事もあるから、たまに一緒にライヴをやっているように思われがちなんだけど、実は2回目の共演になるんだよね。DAMAGEは大阪のバンドで、TV BROSに載った時からファンだった。ピーター・フック(ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーのベーシスト)がDAMAGEを気に入って一緒にイギリスでライヴやったりもしているんだよ。だからピータ・フック好きのNEW WAVEチルドレンにもDAMAGEを見に来て欲しいよね。T.C.LはTHE MAD CAPSULE MARKET’SのKYONOさんやTORUxxxさんを始め、GERONIMOや元THE CREATOR OFのメンバー達が在籍するバンド。THE MAD CAPSULE MARKET’Sって、ジャンルと世界を縦断して幅広い客層に愛されている存在で、間違いなく日本の先駆者だと思う。そういう人が今もあんなにハードな音を鳴らしてて、しかも最新型の音楽をやっているっていうのが本当に素晴らしいな~と思うんですよ。バーステージでは、ZIZのKözi君とyugami君がアコースティックで演奏してくれたり、昔からの友人のFUCHIが所属するロックンロールバンドのSTACEY、言葉では言い表せない位にオルタナでオリジナルなHUMAN TAIL(窪 ex.BLOODY IMITATION SOCIETY/KAZI THE JUNEJULYAUGUST )が出演してくれます。この3アーティストによって、よりカオスな世界が広がる。DJは暴走アパレルデザイナーのヒラカワレンタローという男が担当してくれます。

―LOFTで開催するときは、ホールステージとバーステージのライヴを同時進行していくという形で行ってますが、そこに意図したものはあるのでしょうか?

松原:例えば、転換中にDJが気合い入れて選曲してきたとしても、ただのBGMのようにしか聴いてない人もいるわけで、そういうのってすげえつまらない。休憩時間みたいなものを作らずに、テンションが上がったまま終演まで向かいたいじゃない。

―お客さん自身が自分のタイムテーブルを組む楽しさもあるでしょうね。

yuko:そうですね!lloyの曲を聴いてくれる人ってアンテナが立っている人が多いと思うから、今回のイベントでも「このバンドかっこいいじゃん!」ってピンとくる人がいっぱいいると思うな。

―では最後に7.19に向けて一言ずつお願いします。

松原:強力なエネルギーが放たれているライヴっていうのは、見る側の人生を変えてしまう程の磁力が存在するものだから。この日は、本当に何が起こるか俺自身全く想像がつかない。わからない。

yuko:そうですね(笑)。音楽は世界を一瞬で変えますから。

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LIVE INFOライブ情報

lloy draws IMMIGRANT HAUS#18
ーCHAOSUMMERー


OPEN 18:30 / START 18:30
ADV¥3000/DOOR¥3500
【発売】LAWSON・LOFT 6/9〜
●Lコード:72367

【HALL】
lloy
T.C.L
DAMAGE
PLASTICZOOMS
【BAR】
Közi+YUGAMI(ZIZ)
HUMANTAIL
(KUBO ex.BLOODY IMITATION SOCIETY / KAZI  THE JUNEJULYAUGUST)
STACEY(FUCHI ex.HATE HONEY)
【DJ】R(FAUST)

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