昨年の4月からリズム隊に新メンバーを迎えて活動しているDIRTY OLD MENのニューアルバム『I and I』が、3月26日にリリースされた。今作は現メンバーになって初のフルアルバムとなる。以前は、変わることをおそれて、新しい一歩を踏み出す事を躊躇していた彼らだったが、環境を変え、今はただただ真っ直ぐに前だけを見て進んでる。普段のライブのMCにしても、今回こうしてインタビューをしていても、以前とは比べものにならないほど、Vo&Gt・高津戸信幸から発せられる一言一言には信念を貫き通すことを決意した強い言葉が出てくるようになっていた。今作には、そういった強い気持ちの表れともとれる言葉や、現在の彼らのリアルを充分に感じられる11曲が収録されていた。現メンバーになり、昨年1年が地面を固めていた時間だったとしたら、ここからさらにその先へ羽ばたいていくのではないだろうか。
今回は、ひさしぶりにメンバー全員に話を聞く事が出来た。4人がお互いを理解し、同じ方向を向いて進んでいることを感じられた。(interview:やまだともこ)
1年経ってやっと実り始めましたという感じ
── 新しいメンバーになってようやく1年ですけど、1年経っていかがですか?
山下拓実(Gt&Cho):今年のツアー初日でちょうど1年になるんですけど、あっという間でした。すごい良い雰囲気でやれてるんじゃないかと思っています。
高津戸信幸(Vo&Gt):この4人でやるようになって、昨年1年はよそ見もせずに走り回っていて、やっと実ってきたというか、まわりに伝わってきているなというのは感じています。それが純粋に嬉しいし、これからどんどん面白い形になっていくんじゃないかなって予感もしています。まだまだわからないことがいっぱいあるし、やれることがいっぱいあるんだろうなと。
── 昨年の年明けぐらいに、渡辺さんと岡田さんの加入が決まったんでしたっけ?
岡田翔太朗(Dr&Cho):1月に2人と話を始めて3月ぐらいに動き出して、4月にライブでしたね。
── 今さらなんですけど、お2人はどうやってバンドに誘われたんですか? そういえば本人の口から聞いてなかったような。
岡田:前にやっていたバンドが彼らと同じレコーディングエンジニアの方にお願いしていて、その方からDIRTY OLD MENのドラマーが抜けるらしいと電話が来て、興味があったのでメンバーに会って話してみたいなと思って。対バンはやったことがあったんだけど、あまり話したことがなかったんですよ。加入するって決まってから対バンの時に話したぐらい。真剣な話もしたことがなかったし。
── 渡辺さんは? 岡田さんよりも先?
山下:いや、翔ちゃんのほうがたぶん先。
渡辺雄司(Ba&Cho):僕はレコーディングで、サポートで弾いてほしいって言われていたんです。でも、スタジオに入っとったら、すごい楽しくて一緒にやりたいなって思い始めて。前から全員顔見知りだったんです。翔ちゃんと拓実は昔一緒にバンドをやったことがあって、のぶはやってないんだけど昔のバンドで対バンを何度か。
── DIRTY OLD MENに加入して、一緒に活動をしていくことになっていかがですか?
渡辺:自分的にも成長出来てる感じがあるし、今が一番楽しいです。それに、聴く音楽が今まではメタルコアとかハードコアとか偏っていたんですけど、周りの影響でどんどん幅が広がりました。
── 昨年はツアーとしては、『doors』のリリースツアーをやって。
山下:あとは、東名阪で自主企画や各地でイベントに出させてもらって。
── どんどんバンドが形になっていくというか、昨年4月に見た渋谷WWWと大晦日に見たライブでは全然雰囲気が変わってましたし、ステージ上の雰囲気も良く、メンバー4人のグルーヴがすごく合うんだろうなということは感じてます。
高津戸:ライブ中にメンバーをよく見るようになりましたし、ライブ後に反省会をするようになって、今の自分たちの姿がちゃんと見えるようになってます。でももっともっと頑張らないとと思いますよ。昨年やったことが形になるのはこれからだと思っているし、今のメンバーになってからもバンドに対する熱い気持ちは変わっていなくて、絶対に夢を叶えてやろうぜってひとつになってます。みんな気持ちが共有出来ていると思います。
── 目標は以前と変わらず、日本武道館のステージに立つ事ですか?
高津戸:そうです。
── そうやって夢に向かって一歩一歩進んでいく過程には、前のメンバーと土台を固めたというのはありますね。
高津戸:それはもちろんあります。