Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューTHE RYDERS(Rooftop2013年3月号)

10年ぶりのフルアルバムリリース
「“はみ出し者”でも、やらなきゃいけない時には、“できる”はずなんだ」

2013.03.01

 結成25周年を迎えたTHE RYDERSが、10年ぶりとなるフルアルバム『ONE FOR ALL』を3月13日にリリースする。現在のメンバーになって早3年が過ぎ、ライブでも新曲がそろそろ欲しいという"焦り"もあったそうだが、そうしてリリースされる今作は、メンバーの足並みが揃い、全員が同じ方向を向いて進んでいることを象徴していると言ってもよいだろう。途中何度か立ち止まることはあったものの、現役として走り続け、幅広い世代のバンドに影響を与え続けるTHE RYDERSのフロントマンOHNOに今作について訊いた。(interview:加藤友江)

はみ出し者ここに在り

── 10年ぶりのアルバムになりますが、今回のアルバムのコンセプトや、なぜこれだけの期間が空いたのか、またそれを経て今作を作るに至った経緯を教えて下さい。

 アルバムのコンセプトっていうか、いつもテーマになるのは、“はみ出し者ここに在り”ってことかな。曲にしても歌詞にしても、飾り立てて見栄はるほどの行動はしちゃいないし、今現在をストレートに出せればいいのさ。“はみ出し者”のPUNK ROCKになりゃいい、それだけさ。

 10年ぶりのアルバムって言われても、簡単には活字に表わせないよ。その時々で、何かが欠落してるから話しや行動がまとまらないんだよね。逆にアルバム作れる時って、条件が揃ったからか? 答えはNOだろ。バンドの誰かの情熱だか、暴走だか、強行突破だったりね。どこのバンドも、とにかくミーティングはやれど、意見が合わなかったり、足並みなんて簡単に揃わないだろ? まわりの人に圧力かけられて、シブシブやり出したり。バンドで足並み揃う時なんて、少ない気がする。逆に言えばコンスタントにアルバム出してる人達は凄いよな。あたりまえのことなんだろうが。

 まあでも今回の俺達は、さすがにライブも3年なりこのメンバーでやってきたし、アルバム作らなきゃって、みんな高揚したり焦ったりしてきたわけだね。既成の曲だけでライブやってるのは、ホント精神的にしんどい時もある。新しいことを起こせないって、結局現役感にかかわるだろうしね。だから新曲作ってライブやることが重要なのかと。しかしホント、このバンド間延びしてしまったが、そういう時期なのかと。

── 今回の各曲の解説を、曲の構成や歌詞も含めてお願いします。

 まあ実際は、聴いてもらって歌詞みて感じてもらえばいいだけなんだけどさ。だって、今までそんな親切丁寧に曲解説なんてしたことねーぜよ(笑)。ただこんなフリされることによって、振り返ってみたり。俺も自分でアルバムの曲聴いて、歌詞見て、自分で「なるほど、そういうことか!」って気づいたりするからマイる。

 1曲目の『LET IT GO』は、心の中や現実社会の“闇”からの脱出だな。キッチリ断ち切ってオサラバしなきゃならない人や事柄がある。人生は人による影響が強いからな、、、、。大事な人が消えてしまったり、悪い関係が続いてしまったり、自分が人を傷つけてるのを分からなかったり。まあこの曲からこのアルバムがスタートするわけだから、かなりのマイナス地点からのスタートになったわけだ。俺自身、ひとりで塞ぎ込んでる時に“闇”を感じるより、人と接してる時に、自分自身の“闇”を感じてしまうのかもしれない。


歌詞一部参照『LET IT GO』より

ネガティブだらけの 現実を葬れ
舵取り間違えりゃ Deadly (Deadly)
ダメージばかりで 出口のない闇を
漂い続けてりゃ Too Late (Too Late)

格子なき牢獄をブチ壊すぜ

Let It Go Let It Go
Let It Let It Let It Go
新たな場所目指せ


 4曲目の『ONE FOR ALL』は、子供の頃からのテーマだったことを形にしたかった曲だよ。親戚の兄ちゃんがラグビーやってたから、小学生の時、よく試合を見に連れていってもらって、その時に教わったことなのかもしれない。「ONE FOR ALL,ALL FOR ONE」ってなんとなく聞いたことあるようなことだったから。

 それが今の自分たちの状況に、すんなり当てはまったんだろう。自分達流にすれば、『ONE FOR ALL』の“ALL”は、アルバムを作り上げることなんだろう。何かテーマがないと、団結できないし。

 当然ライブをやる時も同じなんだが、音源制作はある程度の期間もあるから、日々局面が変わるわけで、忍耐強く人間関係作りつつって、精神的に圧力かかる。そんな時にギャグ言って笑いで乗り切るのも必要だよ。堅いことばっかりになったら、やめちまった方がいいとか思う、俺的にね。“はみ出し者”でも、やらなきゃいけない時には、“できる”はずなんだ。


歌詞一部参照『ONE FOR ALL』より

メンタル、研ぎ澄ませ、はみ出し者達よ
試されることがいつも、待ち構えてるぜ

個人力じゃ敵わねえ、局面もあるのさ
エゴイズムに巻かれてりゃ、打ち負かされる

エリートじゃ出来ないチカラを魅せろ
ONE FOR ALL  ONE FOR ALL
数ある気持を“ひとつ”に変えろ
ONE FOR ALL  ONE FOR ALL  ONE FOR ALL  and ALL FOR ONE

 まあ他の曲にもほぼ共通するのは、俺的に考える“自立心”みたいなことが核になってるんだろう。マイノリティーに生きる覚悟と、それによって受ける実生活の影響、“ささやかな歓喜と、莫大なる落胆”ってな感じなんだから、開き直って自立しなきゃな。
 どこぞの誰かの生き方なんて関係ねえよ。
 少なくとも共感できる人達と共に在れって思いだね。

── ツアーも含めて、今後のTHE RYDERSの展開などを教えて下さい。

 アルバムのリリースに関係なく、いまだに行ったことない街でライブはしたいよね。この間、久しぶりに九州は小倉に行ったんだが、ライブ後、いろんな人達と写真撮ったりで、楽しかったよ。“久しぶり”もガンガンやっていきたいね。俺、ムダに恥ずかしがり屋なんで、楽屋から出ないんだけど、うちのメンバー、そのへん堂々としてるから、羨ましいな(笑)。おおらかで、いいメンバーだと思う。酒に関しては少々問題あるけどな! ハハハーッ。とにかく今後も、新しかったり久しぶりだったり、いろんな人達に会えるよう、ライブしていくつもりだよ。

 先日、ロシアに隕石が落ちた。巨大地震も起こるし、人災も闇が深い。何が正しくて、どうやって生きていくのがいいのやら? 何に対して“自立”すりゃいいのか? みんなそれぞれ、自分自身のセンスに頼るしかないな! まあ俺達的には、展開なんて風まかせ! ってことだ。


歌詞一部参照『PROGRESS』より

マイノリティーの風に乗って進め
俺たちぁ反骨ロッカー 気まぐれ者
逆境に燃える気質のおかげか?
High low High low デコボコ旅をする

This way
ハイエナジーで続けてなければ Fade out
すぐに忘れられちまうよな
This time
リズムが悪いじゃ自滅へ向かうぜ 気を吐け Gotta Gotta GO!

Progress Progress この道を選び 
Progress Progress やるだけやるさ 
Progress Progress 進めない時も 
Progress progress 前を向け

 

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ONE FOR ALL

TFS-8001 / 2,500yen (tax in)
3.13 IN STORES
TOKYO FIGHT RECORDS

amazonで購入

1. LET IT GO!
2. DO YOU WANNA GET AWAY?
3. ROLL ON
4. ONE FOR ALL
5. PROGRESS (acoustic version)
6. WASTED YOUTH
7. 強行突破
8. D.I.Y.
9. 感受性
10. ROCK'N'ROLL PIRATES
11. BEST FRIEND
12. TONIGHT〜ケジメ〜
13. 弱い者イジメは地獄へGO!
14. RUNNIN' RUNNIN' RUNNIN'
15. PROGRESS

LIVE INFOライブ情報

3月2日(土)熊谷HEAVEN'S ROCK
3月9日(土)町田Nutty's
3月16日(土)静岡Sunash
3月20日(水・祝)新宿LOFT
3月23日(土)大阪KING COBRA
4月7日(日)奈良ネバーランド
4月20日(土)新宿LOFT
4月27日(土)広島Border
5月5日(日)水戸Club SONIC
5月11日(土)石巻BLUE RESISTANCE
5月18日(土)中津川Breath
5月26日(日)小倉FUSE

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