1997年5月に結成され、2013年5月までを結成15周年と銘打って活動中のスムルースが、インディーズ時代にリリースされた『スライドブルー』を含む、2004年から現在までの楽曲を詰め込んだベスト盤『スムルースSUPER BEST 2004-2013』をリリースする。
今作を聴くと、改めて彼らがデビュー当時から一貫してポップなサウンドを鳴らしていることを感じられるだろう。また、ライブでも常に見る者を魅了し、時に笑顔にさせる力を持ち、幅広い世代に親しまれていることも納得が出来る。今回は、Vo.&Gtの徳田憲治にこれまでを振り返って頂きながらメールインタビューを行なった。まだまだ彼らの音楽活動は続いていくことが確信出来る言葉がたくさん綴られていた。(interview:やまだともこ)
今でも新人気分です
── スムルースはバンド結成から15周年を迎えましたが、これまでの活動を改めて振り返ってみるといかがですか?
徳田:あっと言う間です。だから、今でも新人気分です。苦労があったり、悲しかったり、限界を感じたり…みたいな、苦労話よりも、90%くらいは良き思い出ばかりです。
── 結成当時は、15周年を迎えるほどバンドを続けていると思っていましたか?
徳田:まったくです。
── また、結成した当時はどんなバンドになりたいと思っていましたか? 今はその目標に近づいていますか?
徳田:お恥ずかしい話、なにひとつ、ビジョンのようなものはございませんでした。
── これまでにはメンバーの脱退もあり、順風満帆な道のりではなかったと思います。バンドの転機はいつ頃だったと思いますか?
徳田:2008年、ドラムの脱退ですね。どうなることかと思いました。でも、ベストアルバムを集大成と考えると、今も転機かもしれませんね。
── 昨年出演して頂いた新宿ロフトでのライブの際に、ステージで現在もやっている習字のパフォーマンスは昔ロフトでライブをやった時にスタイルが完成したとおっしゃってましたが、自分たちの曲だったり、ライブパフォーマンスなど、手応えを感じる瞬間というのはこれまでに何度もあったかと思いますが、具体的にどんな時に手応えを感じますか?
徳田:手ごたえはいつもあります。勘違いがほとんどかと思いますが、この職業は、この「勘違いする」という才能がないと続かないのではないでしょうか。
── では、デビュー当時と今では音楽に向き合う際の気持ち等に変化はありますか?
徳田:先日、とある雑誌の取材でデビュー時の記事を読ませていただいたのですが、今と言っていることがほとんど同じでした(笑)。成長すらしていないのかもしれませんが、初心も忘れていないというわけです。ちょっと変わったかなと思うのは、単純に歳をとったなということです。
── ステージ上ではデビュー当時に比べ変化しているということはありますか?
徳田:どんどん落ち着いてきたと思います。それでも突然頭が真っ白になるということもまだありますが。それがライブのオモシロさだと思います。
── そして、2006年11月の『スムルース インディーズベスト 赤』『スムルース インディーズベスト 青』以来のベスト盤『スムルースSUPER BEST 2004-2013』がリリースされます。2004年にメジャーデビューをして以降、シングル9枚、配信3曲、フルアルバム9枚をリリースされ、今作は2004年から現在までの楽曲が全32曲収録されますが、たくさん曲がある中からの選曲はそうとう悩んだんじゃないかと想像しています。選曲の基準は何だったんですか?
徳田:選曲は、シングルやアルバムの押し曲を全部選びまして、まさにスーパーベストにしようと思いました。それを並べましたら、自然とこの選曲で落ち着きましたので、とくに悩むことはありませんでした。
── その中でもデビュー曲の『帰り道ジェット』(2004年4月リリース)は今改めて聴くとどうですか? 私は今のみなさんと比べるとすごくシンプルで聴かせる曲だなと思いましたが。
徳田:う〜ん。どうでしょうか…。この曲と一緒に育ってきましたので、結成15年の今の気持ちで歌うことが出来ています。デビュー当時にどう歌っていたのかは…、ちょっと具体的に覚えていないです(笑)。