2月20日(水)に新宿ロフトで開催される"よかっぺBAR"。THE BACK HORNの山田将司と水戸LIGHT HOUSEの稲葉茂を発起人として、2011年9月13日に第1回目を開催した。"よかっぺBAR"とは、2011年3月に起きた東日本大震災の影響で農業や漁業など大きな被害を受けたお2人の地元・茨城に活気を取り戻すことをテーマに、そして楽しいことがしたいというきっかけで、茨城県にフォーカスしたこのイベントが立ち上げられた。
ということで、山田・稲葉両氏に次のイベントについてお話を聞いた。次のイベントについては、これからアイディアを出し合う段階ということで、新宿ロフト店長・大塚を含めて打ち合わせも兼ねた(!)対談となった。「このイベントをきっかけに茨城をアピールしたい」と、地元を思うお2人の熱い気持ちは充分に感じられるはずだ。(構成:やまだともこ)
誰かが茨城をアピールしていかないと
── まず最初に、イベント“よかっぺBAR”をやることになったきっかけは、何だったんですか?
稲葉:みんなで集まって楽しいことがやりたいというのがひとつと、2011年に起きてしまった東日本大震災と原発事故により、僕たちの地元である茨城の農家や漁業関係は大打撃をくらったんです。もちろん風評被害の影響もありますね。でも、そうは言っても茨城県産のものを全く食えないわけじゃないし、もともと茨城にはおいしい食べ物がたくさんあるんです。それをみんなに食べてもらいたいし、茨城に活気を取り戻すためにも何か出来ないかということを考えて、ライブハウスとバンドという括りじゃなくて、どちらかというと仲間同士でパーティーが出来れば良いなっていう意味合いもあってこの企画がスタートしました。震災の時は、東北地方の報道が多くて、被害を受けた茨城の情報ってほとんど出ていなかったんですよね。それで、どんな形であれ、誰かが茨城の現状をアピールしていかないと、と思ったんです。
山田:今も変わらずですけど、当時は特にみんな何をしたら良いのか、自分には何が出来るのかと思っていた時期だったから、こうしてイベントをすることによって何かきっかけを作る事が出来て、少しでもいろんな人が元気になってくれれば、という気持ちはありましたね。
── そうして、第1回目が2011年9月13日に開催されました。
稲葉:その前に、震災直後の3月20日に新宿ロフトで“LIGHT UP IBARAKI”というイベントがあったんです。新宿ロフトには茨城出身のバンドも多数出演していますし、そこで「頑張れ、茨城」という主旨で、このイベントを立ち上げてくれて。その時に、僕たちの元気な姿を見せたいという思いもあって新宿ロフトに出向いたという経緯もあります。
── 茨城の今って、稲葉さんから見ていかがですか? 復興は進んでいますか?
稲葉:街は復興してますけど、農業と漁業は厳しいでしょうね。今でも沢山厳しい話は聞きますよ。そういう話を聞いても特別何も出来ないですけど、ほんの少しだとしても僕らが茨城で野菜を買って、少しでも店や街が活性化してくれたり、茨城をアピールすれば何か変わるのかなと思うんです。こうして僕らが動くことで、「俺らも頑張ろう」って誰かが思ってくれたらそれで嬉しいし、さっき将司が言ったように誰かの何かのきっかけに繋がってくれたら良いなと思ってますしね。まあ………真面目に話しちゃいましたけど、そこまで背負ってないですよ(笑)。もともとは、楽しい事がしたいというのが発端なので。
── 9月に開催したイベントでは、茨城出身のバンドに声をかけていったんですか?
稲葉:僕と山田が茨城出身なので、他はあまりこだわらなかったですね。
── その時に、またこういうイベントをやりたいという思いはあったんですか?
山田:終わってすぐにまたやりたいですねっていう話になりましたよね。
稲葉:雰囲気がすごく良かったんです。普段のTHE BACK HORNのライブとは全然違うし、山田将司がバーテンをやるわけですからね。お客さんにとっても特別感のあるイベントになっただろうし、楽しんでくれたんじゃないかと思います。
山田:バーテンは良い経験でしたよ。ロフトではベースの(岡峰)光舟が働いていたから、飲みに行った時に何回か酔った勢いでバーテンをやらせてもらっていて、システムはだいたいわかっていて。
── バーテンの山田さんは、どんなお酒を作るのが得意なんですか?
山田:やっぱ生ですね(笑)。
大塚:作るのが簡単なやつですね(笑)。
稲葉:あのイベントの時はお客さんもみんな相当酔っぱらってましたよね。焼酎を割らないで原酒のまま飲んでる人もいましたから。
── 茨城県産の野菜等を使用した、その日限定のメニューとかもあったそうですけど。
稲葉:ロフトにはだいぶ迷惑をかけてしまいましたけど(笑)、ちゃんと作り込んでる感が良かったんだと思います。
山田:お世話になりました。
稲葉:基本的に全ての食べ物や飲み物は茨城のものを提供するという主旨でやっているので、茨城で調達したものをワゴン車いっぱいに詰めて、到着と同時に仕込みを始めて。
山田:もろこし焼酎とか、干し芋焼酎とかもありましたね。
稲葉:茨城のものを知ってもらえることが重要だったりするので、来てくれた方のお話を聞いて、茨城の食べ物がおいしかったとか、あのお酒がおいしかったとか言ってもらえて嬉しかったですよ。
── また、ライブがあったり、トークがあったりと、内容盛りだくさんだったそうで。
稲葉:夜の8時ぐらいからスタートして、朝の4時ぐらいまで。将司は1時間弾き語りをやって、1時間バーテンやって、また次トークやってバーテンやっての繰り返しで。大変じゃなかった?
山田:いや、大変じゃないですよ。わざわざこのイベントのために遠くから来てくれるお客さんもいましたし、1人1人話も出来ましたし、何よりお酒を飲みながら出来ますから(笑)。