ライブは誰もが楽しめる自由な空間
── そうやって生み出した曲を聴いて、すごく楽しみにしてライブに来てくれる人たちがいて、でもそれって人を巻き込む力がないと出来ないし、knotlampの曲には巻き込む力があると思います。それに今作を聴いていても思いましたけど、曲がライブを含めてお客さんをすごく意識されてますよね? 先日ライブを見て、お客さんがとにかく楽しんでいる姿がそこにあったし、そういうエネルギーや雰囲気をステージが放出していたし、すごく良い関係性が出来てるんじゃないかなと感じたんです。
KEIT:ライブが楽しいと思う理由は、お客さんが全てです。
── ということは、ライブを想像して曲を作ることもあるんですか?
KEIT:あります、あります。一番と言っても良いかもしれません。それだけではないですけど、大きなもののひとつですね。それで良いライブが出来た時は楽しいし、悪いライブの時は凹むし、それでもいつも今までの中で一番良いライブを毎回やってるつもりではあるので、やりがいもある。新曲を出した時の反応を確かめられる場所でもあるし、いろんな意味で特別な場所ですね。
── 新曲はライブで先に聴いてもらうことが多いですか? CDを出してから披露することが多いですか?
KEIT:今までの傾向で言うと新曲をリリース前にやることはないんですけど、今回はやりましたね。『Live my life』をロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012)で。この曲でミュージックビデオも録って、初回盤に入ります。
── 『Live my life』ってあの時が初披露だったんですか? 後ろのほうまでお客さんが盛り上がっていて、すごく馴染んでいた印象を受けましたよ。
KEIT:完全に初披露でした。これまでもそうですけど、新曲を初披露するって全体の動きというかノリというか、空気というか、この曲でダイブ起きないでしょってところで起きたり、ようわからないと言えばわからないですけど。でも、ライブは後ろで見てる人も楽しんで欲しいし、騒がないとダメなの? って言われたくないし、言わせたくない。誰でも楽しめる自由な空間であって欲しいですね。基本的には来てくれるだけでありがたいし、その時点で嬉しいです。
── 歌詞はどうですか? こちらも聴き手をかなり意識されていると感じましたが。
KEIT:対象として、聴いてくれてる人がどう思うかなというのは考えます。例えばアルバイトをしながら生きてる25歳独身男性がいたとして、そういう人が聴いても感動出来るし、昨年震災があって家族全員失ったけど生きていかなければいけないという人に対しても、元気付けられるというか感動してもらえる言葉とか内容というのは一体なんなんやろうなと、1人でも多くの人に通ずることをうまいこと伝えられんかなと考えながら歌詞は書くことが多いですね。みんな日々一生懸命生きてるし、生きていく中で傷つくこともたくさんありますけど、もっと深く傷ついている人とか悩んでる人とか、ネガティブな状態になってしまっている人たちにも届けたいというのがあって、でもそうじゃない人たちにもちゃんと届けたいし、そのバランスというか共通する場所を探しながら書いてます。
── そして、このアルバムのレコ発ツアーが行なわれますが、ライブ以外にツアーの楽しみってなんですか?
KEIT:ご飯!
── やっぱりそうですよね(笑)。どこの県が一番好きとかあります?
KEIT:地元の福岡以外だと、北海道かもしれないですね。あと高松かな。メンバーもスタッフもみんなうどんが大好きなんで、高松にいる間じゅう毎食うどん食べてます(笑)。おいしいうどん屋を求めて、こぞってイベンターに聞いたりしてますから。
── お客さんの中には遠征組もいるかと思いますのでお聞きしたいんですが、オススメのお店とかありますか?
KEIT:五右衛門ですね。あと松下製麺所、それと竹清は好きです。
── その高松は11月17日で、初日は10月18日の岡山、最後は12月16日に地元福岡となり、2ヶ月のツアーになります。先ほどおっしゃっていたリハやらレコーディングやら、そしてこのツアーやらで、この1年はほとんどメンバーと一緒にいたと言っても過言ではないですね。
KEIT:ここ何年も一緒にいるんで、それは気にならないですけど、さすがにこの間朝起きてドラムに「もう(地元に)帰りたい」って言われた時には「こっちも同じじゃ! ボケェ!」って思いましたね(笑)。
── みなさんいろいろなものと戦っていると。では最後になりますが、読者の方々ファンの方々にひと言頂けたら。
KEIT:このアルバムはこれまで好きでいてくれている人も楽しめるし、初めてknotlampを知ったという人も入りやすい、旧作に触れたいなと思ってもらえる力を持ったアルバムなので一聴してほしいですね。とにかく聴いてみてくれよと思います。