Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビューSUPER BEAVER(Rooftop2012年7月号)

新たな一歩を踏み出したSUPER BEAVERが、
今を生きる全ての人に贈る『未来の始めかた』

2012.07.03

ちゃんと向き合わないと目標には近づけない

── でも、歌詞や曲が長いと言いつつも、だれることなく最後まで聴けるのは、1曲1曲フックになる部分がちゃんと入っているからなんじゃないかと思いました。例えば、1曲目の『星になりゆく人』は、これまでこんなにスロウなテンポで入ってくる作品ってなかったですから。

柳沢:『星になりゆく人』は曲がまだ揃ってない時に、この曲を中心にして組み立てようと思っていたんですけど、この後に出来た曲も良い曲ばかりだったし、だったら1曲目は自信を持って聴かせたい曲にしようということで『星になりゆく人』が良いかもねという話になって。

藤原:なんでもそうですけど、「一番強く言いたいことは最初に言った方がいいんじゃないの?」って。前作はライブの勢いでアルバムを作ろうと思っていましたが、今回はテーマも違ったし、こんなに良い曲があるなら最初に言おうよって。

── この曲で始まることによって、この後に続く曲にもワクワクするし、1曲目にあることでCDを聴き終わってからもう一度戻る楽しみ方もあるし。

柳沢:全く同じ事を自分たちでも言ってました。

── 『星になりゆく人』は「最後の最後の日に まだ未来を話せるような」という歌詞が印象的でしたが、どうしてこういう歌詞を書こうと思ったんですか?

柳沢:すごい具体的に言うと、僕の祖母が亡くなったというところから始まったんです。ずっと入院していて看病していたんですけど、みんなが少しでも長生きして欲しいと思っているなら、ギリギリまで生きてやろうという気持ちを祖母からすごく感じたんです。その時に改めて生きたいとか生きてて欲しいと思う人間がいる限り、どうあがいてでも生き抜くことが大事だと思ったし、生きているってすごいことだなと思ったんです。だとしたら、今の俺はどうなんだろうなって。前作の『まわる、まわる』でも最期の日まで生き抜くということを歌ってますが、それをもっと具体的に、個人的な感情から生まれた曲ですけど、SUPER BEAVERが歌いたいことの根底であるような曲だと思います。

── いつから「生きる」ことをテーマにした歌詞を書くようになったんですか?

柳沢:僕らがもがき始めた頃ですね(苦笑)。もともとは君が好きみたいな曲が多かったんですけど、いざ音楽で生活していきたいと思った時に現実とのギャップを身をもって痛感したし、自分にとっても聴く人にとっても反面教師みたいな歌を作りたくなったんです。僕はネガティブな曲を聴くと自分のことを歌われている気がして、「変わらなきゃ」と奮い立たされることが多いんです。だから、こういう歌が増えてきたのかもしれません。しんどいことと向き合って、それに対してどうしたいのか、何をしなければいけないのか、見て見ぬフリをするのか、でもちゃんと向き合わないと目標には近づけないと思ったんです。

── それは、今の自分が立っている場所を具体的にしたかったというのもありますか?

柳沢:今自分がどこにいるかっていうのを明確にしたかったこともあります。今とか未来とか昨日の境目って曖昧で、だからこそここからが未来とか、ここまでが今っていうのは、自分で区切ることが出来ると思うんです。だから、「この瞬間から未来を始めます」「僕が行きたい未来はこれです」というのを歌いたかったし、歌えたんです。

── フックの話に戻ってしまいますが、『your song』の歌詞で“「愛してる」違う そうなんだけど何か違う”のところがもがいてる感じがグッと来るんですよ。

柳沢:煮え切らない粘着質の感じがありますよね(苦笑)。四畳半の中で歌っているような。

上杉:やなぎらしいって言われてましたね。

柳沢:その曲もすごい広がったんですよ。それこそ君と僕の世界を歌っているんだけど、女の子のコーラスが入ってイメージが増幅されたし、渋谷の歌い方も秀逸だったんです。

── 渋谷さんの歌声の説得力はどんどん増してますよね。

柳沢:変わった気がしますね。絶対的な自信がこの人から滲み出てる。僕らもそれに引っぱられるから。それはすごく大きな違いだと思います。

── 基本的に作詞作曲は柳沢さんですが、歌詞を書く時に、渋谷さんが歌うことでもっと良く伝えてくれるはずだということは思っています?

柳沢:それはありますね。ただ、自分でデモを作る時にはやなぎボイスが変な感情をまき散らしながら歌ってるみたいで、良い曲なのかわからないと言われることが多いです。

藤原:ぶーやん(渋谷)が歌うと良い曲だということに気付けるんですけど(苦笑)。

── でも、そうは言っても柳沢さんのコーラスは渋谷さんの歌声に重なるとすごく気持ち良いですよね。

柳沢:僕の粘着質の声がぶーやんとすごい合うんです。

渋谷:俺がコーラスをしてもダメなんですよ。俺の声が2つ重なってもひとつ分の重みにしかならない。だから、やなぎは良いコーラスだなって思います。ライブ中同じ事が出来たら良いんですけどね。

── ん?

渋谷:ライブ中下手だなって思うことありますから(笑)。

柳沢:1曲声が持たないんですよ(苦笑)。

── コーラスは柳沢さんだけでしたっけ?

柳沢:たまにリーダー(上杉)が歌ってます。でも、今回のアルバムからはリーダーも歌い出さないと。

上杉:やらなきゃいけないことは何個かあります。

── 藤原さんは? ライブ中すごく歌いながらドラムを叩いてますが、コーラスはしてるんでしたっけ?

上杉:彼は「チー!!」とか言ってますね(笑)。しかもうまくいかないと「チクショー!」って言ってるみたいです。

藤原:自分との戦いになる時があるんです。思い通りに叩けなかったり、腕が動かなかったり、気持ちが出過ぎすと手の力だけじゃ足りないんですよね。それで、「チクショー!」とか言っちゃうんです(笑)。

このアーティストの関連記事

New Album『未来の始めかた』

DQC-922 / 2,500yen (tax in)
I×L×P× RECORDS
2012.7.11 IN STORES
M-1.星になりゆく人
M-2.ゼロ距離
M-3.歓びの明日に
M-4.ルール
M-5.your song
M-6.幻想
M-7.そして繋がる
M-8.その日を待つように
M-9.始まる、未来
※タワーレコード初回生産限定特典有り(店舗により取り扱いが無い場合もあります)

amazonで購入

LIVE INFOライブ情報

SUPER BEAVER『未来の始めかた』Release Tour 2012 〜ビーバーと、ラクダ〜

9/9(sun)横浜club Lizard ※初日ワンマン
9/14(fri)KYOTO MUSE
9/15(sat)岡山PEPPERLAND
9/17(mon)高松DIME
9/21(fri)札幌COLONY
9/28(fri)広島Cave-Be
9/29(sat)神戸太陽と虎
10/8(mon)名古屋CLUB UPSET
10/13(sat)新潟GOLDEN PIGS Red Stage
10/18(thu)福岡graf
10/19(fri)大阪LIVE SQUARE 2nd LINE
and ?????

休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻