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INTERVIEW

トップインタビューKYOKUTOU GIRL FRIEND主催公演「"GIGS" WEEKLY KGF_4」開催記念ヴォーカル対談! 林田倫堕(KYOKUTOU GIRL FRIEND)× 手鞠(amber gris)

お互いがお互いをライバルと認め合うカラーの異なる両バンドのヴォーカルに直撃!!

2011.05.22

〝好き、嫌いで判別してもらえることもまた幸せ〟

——目指しているヴォーカリストはいらっしゃいますか?

林田倫堕:手鞠さんって具体的にそういう方っていっぱいいますよね?

手鞠:そうですね、割と。ヴォーカルになってからは、誰か一人ってわけでもなく、ヴィジュアル系以外でもいますし。

——ヴォーカルになってから、というのは?

手鞠:高校生ぐらいまではキーボードをやってたんですよ。その時はSOPHIAの都さんが僕の中でヒーローだったんですよ。だからKYOKUTOU GIRL FRIENDさんとのツアーで西九条BRAND NEWに行った時は、「SOPHIAの聖地だー」って一人で騒いでたんですよ(笑)。

林田倫堕:そうか、そうか! そういうことか!!

手鞠:そういうことです。ヴォーカルになってからはいろいろなヴォーカルさんの影響はありましたけどね。

——キーボードからヴォーカルになったきっかけは?

手鞠:キーボードとして遊びでやっていたようなコピー・バンドが終わって、ちゃんとしたバンドをやりたいって思った時に、一緒にやりたいって思うヴォーカルの人がいなかったんですよ。みんなただの物真似だったり、上手い人もいたけどやっぱり誰かの物真似だったりとか、ただのナルシストだとか、何も面白い人がいなかったので、「じゃあ、人をそうやって見下すんだったら、自分はどれぐらい出来るんだろう」って、「自分でヴォーカルやってみよう」って思ってやってみたんですけど。まぁ、なんか大それたことをしたなぁって(笑)。

林田倫堕:でも、ヴォーカルになってくれて良かったですね。

手鞠:そうですかね。有り難いです。ヴォーカルをやっておいて何なんですけど、あんまり自分の声とかは好きじゃないんですよ、昔から。結構自分の好きじゃない所が多くて。

林田倫堕:でも絶対そうだと思ってた。

手鞠:(笑)だいぶあったので、そういうのをどうにか払拭したくてバンドをやっている部分もあるし、嫌いな部分というか。

林田倫堕:コンプレックスがあるでしょ?

手鞠:だいぶ。

林田倫堕:俺もそうだから。きっとこの人はコンプレックスだらけなんだけど、自分の武器も知ってるから、きっとそこで勝負しているんだろうって思ってた。

手鞠:ちょっと我が儘な部分もあって。みんなのことは聞きたくないけど、自分のことは知って欲しいみたいな。ここで一生懸命、僕みたいなのが叫んでるんだから気付いてくんねーかな、みたいな所があって、でもみんなのことをガーガー言われちゃうと、「いや、もういいです」って(笑)。結構我が儘なだけなんですけど。

林田倫堕:手鞠さんがずっとキーボードのままじゃなくて良かったと思います。

——キーボードのままだったら、この出会いもないですもんね?

林田倫堕:おそらくないですね。

手鞠:ないですね。

林田倫堕:多分、amber grisっていうバンドはないです。多分っていうか、絶対に。俺はやっぱり声だと思うし、歌心だと思うし、それがバンドの最大の武器でなければいけないと思うんですよ。責任感というか背負っているものが、他のパートの人には失礼だけど一番あるから。声だけで拒否されることもあるし。

手鞠:そうですよね。言われ続けてきましたからね、ずっとバンド始めてから。

林田倫堕:KYOKUTOU GIRL FRIEND良いんだけど、声が苦手なんだよねって話、よく聞きますからね。でもその代わり、これじゃなきゃダメだって言ってくれる子もいっぱいいるだろうし。自分の弱点を消去していくよりかは、自分の長所を最大限に活かす活動をしてきたから。自分に対しての諦めと言えば諦めですね。それぐらい声って重要だし。

手鞠:前のバンドが終わってamber grisを始めるぐらいの時に、好き、嫌いで判別してもらうこともまた幸せだなって思えるようになってきて。もちろん顔が嫌い、声が嫌いとかって言われ続けてきたんですけど。好きとか嫌いとかでその人の中で判別してもらえるって、意識してるからこそ出来ることじゃないですか。興味がない、分からないってことが一番僕の中でつらいことなんで。

林田倫堕:無関心がね。

手鞠:無関心が一番つらいんですよ。一生懸命叫んできたつもりなのに気付いてもらえてない、その人の視野に入ってないってことが一番悔しくって、自分が生きてきたことを否定されているみたいで、すごい嫌で。それから考えたら、今、amber grisを始めてみて、好きな人は好き、嫌いな人は嫌いって言ってもらえるのが、すごく幸せなことだなって思って。だいぶその辺では気が楽になったというか、救われた部分がありますね。

林田倫堕:ちょっといい話過ぎて、言葉が出ないですねー(笑)。

——(笑)倫堕さんがヴォーカルになったきっかけは何だったんですか?

林田倫堕:僕はヴォーカルになったきっかけとかって特にないんですよ。僕は元々ギターだし。地元のバンド仲間達とバンドを作ったり、離れたり、くっついたりを繰り返している中で、たまたまヴォーカルをやる機会があったからってだけで。最近までヴォーカルのポジションがそんなに好きじゃなかったし。自分の声はやっぱり嫌いだし。歌が上手いなんて無理だし。今も、解散を前にした時期だから余計に思うけど、僕の声だからKYOKUTOU GIRL FRIENDが成立したし、僕の声が無かったら多分無理だったんだろうなって。自分がヴォーカルをやっていて良かったって思うことはそれぐらいのことかな。KYOKUTOU GIRL FRIENDがやれたことかなと。俺は本当にコンプレックスだらけだから。決して目立ちたがりとかではないですし、そういう意味でヴォーカルというポジションを選んではなかったから。僕は本当に凡人なんですよ。天才ではない。しかも何かを表現していなかったら死んじゃうタイプではないと思うんですよ。歌い手さんやアーティストさんは、何かを生んでいないと息苦しくなってしまうとか、そういう方が多いと思うんですね。“歌っていたい”とか、“歌うことが大好き”とか。僕は全然そうではなく、どっちかというと苦しいし、しんどいし。だけどどうしてもKYOKUTOU GIRL FRIENDだけはやりたかった。すごい切実だったんだろうなと思うんですよね、欲求が。表現欲求かと言われるとちょっと違って、KYOKUTOU GIRL FRIENDがやりたい欲求がもの凄い切実だったから。これをやらないと俺は死ねないっていうぐらい。やっぱりライブを観る時はどうしてもヴォーカリストばっかりを観てしまうけど、俺をみんながどう観てるか分からないけど、俺は手鞠さんを観ていると、この人は凄く切実でひたむきだと感じますね。きっと相当な覚悟があって、amber grisのヴォーカリストを務めているんだろうなっていうのは分かるし。無条件に手鞠さんを観ちゃうんですよね。どうしても目が行っちゃうんです。この人は何を考えているんだろうなって。きっとファンの子も「この人の頭の中はどうなっているんだろう?」って凄く知りたいって思ってると思うんですよね。

手鞠:意外と何も詰まってないですよ(笑)。

林田倫堕:だとしても、あの瞬間、この人は何見てるんだろうなって気になりますね。

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LIVE INFOライブ情報

2011年5月28日(土)新宿LOFT
KYOKUTOU GIRL FRIEND主催公演「“GIGS”WEEKLY KGF_4」

出演:KYOKUTOU GIRL FRIEND/amber gris/9GOATS BLACK OUT/Moran/Kaya O.A.:ヴィデオグラマァ
OPEN 17:00/START 17:30
ADV ¥3,000/DOOR ¥3,500(D別)
チケットは、ローソン&LOFT店頭はSOLD OUT!! e+が残少!!!
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382

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