全国でもらったパワーを東北に持っていきます

── 『イライラEVERY DAY!!』は珍しいぐらい言いたい放題というか、怒りがブチ撒かれてるというか。
アツシ：逆に20代ぐらいの人が書くような歌詞で大丈夫かなって。こんなんでいいのかなって。
カタル：怒りの方向がわかりやすくていいよね。
アツシ：怒りもあるし、自分も不安だし。でも、46歳では普通こんな詞は書かないな（笑）。
── 根底にあるものは、バンドを始めた当初から変わってないってことですか？
アツシ：そうみたいですね。いつまでも20代前半ぐらいの感覚で書いてる感じです。それ以上書けないですし。難しい言葉はソウルフラワーの中川（敬）に任せておけばいい。俺、ソウルフラワーの新譜もらうと難しい言葉は辞書で調べますよ。
── それはご自分が歌詞を書く時に反映されるんですか？
アツシ：反映されないけど、インタビューでポロッと言って頭良いなって思わせる。
── さりげない知的アピールですね。
カタル：だいたい使い方間違えてるんですけど（苦笑）。
── とは言っても、最後の『殴り合うより踊りあかせ』はすごくリアリティがありますよね。
カタル：ストレートですよね。タイトルからして、『殴り合うより踊りあかせ』って両極端じゃないですか。パッと見意味がわからないようなことを納得させるので、それはすごいなって思います。作ってる時は最後に持ってくるような曲のイメージはなかったのに、だんだんそうなっていったんです。僕もやっていてすごく面白かったですよ。どんどん曲のイメージが変わっていくから。詞を読んでるだけではイメージがはっきりとはしていなかったので、歌って他の音と鳴った時にすごく力を感じた曲だったんですよ。
── 全体的にも27年バンドやってからこそ言えることなんだと、すごく感じました。曲は新しいことにチャレンジした曲も多いですよね。最初の話じゃないですけど、本当にずっと成長している感じですね。
カタル：『殴り合うより踊りあかせ』にしても、『とびきりのハッピーバスデー』にしてもモータウン・チックなのは意外とやってないし、『転がれ石の様に』はフォークですし。今さらながらやってなかったようなことにチャレンジということになるんでしょうね。
── アコギで聴かせる『ヤバイほどヤリ甲斐アリ』とか。
カタル：それだけマイナーなんですよね。曲を先に作ってどうなるかなあと思ったら、ストレートに行きましたね。最初のイメージ通り。70年代チックなのかな、これは。あっちゃんが「いい、いい」って言ってたね。やっぱり昔の歌謡曲みたいなものが好きみたい。
── タイトルだけ聞くと、もっと勢いのある曲なのかなって思いましたけど、口笛で始まり…。
カタル：口笛ですもんね（笑）。口笛はナボちゃんなんですよ。口笛であの音域って僕らは出せなくて、ナボちゃんは低い部分まで出せたから。全員出なかったからボツになるところでしたよね。
── 最後のギターのユニゾン含めて哀愁が漂っていて。トレンチコートを着てるあっちゃんが想像できました。
アツシ：着せられてる感じだね。
── でも、このアルバムを聴いた人が明るい気持ちになれるんじゃないかってすごく期待しているんです。だから、1人でも多くの人に手に取って頂きたいです。
カタル：ぜひとも聴いて頂きたいですよね。応援歌ばかり入ってますからね。
── あっちゃんの中で応援したい誰かという対象がいるんですか？
アツシ：まずは俺だね。みんなを思って歌詞を書いている人間ではないので、そうなりたいとは思わないけれど、いつも言うようにこんな楽しいことやってるから一緒にバカやろうよって。
── 今回もワンマンで全国をまわりますし、元気も一緒に届けて下さい。
アツシ：4月からワンマンが始まって、3月は若いバンドともやってきたし、それが良いのか悪いのかっていうのはまだまだ毎年悩むよね。4月・5月のワンマンに集中すればお客さんもそこに集中するんだろうけど、このツアーが終わってもまたBALZACとのツアーがあって、やりすぎ感もあるんですけど、声をかけられるうちが華なのかなとは思ってます。動員は減っててもやり方は間違ってないと思ってずっとやって来てますから。
── そうですよ！ 夢も与えてもらわないと！
カタル：とくにあっちゃんはね。
アツシ：どこに行けばいいの？
カタル：元気で頑張っていればいいんだよ。
── 40になっても50になってもあんなに元気で頑張ってる人がいるって思うと勇気もらえますし、素敵なことだと思います。まずは、東北を含め今回のツアーで元気を振りまいて来て下さい。
アツシ：東北の方々にもCDを買って頂いてライブに来てもらったので、恩返しはしたいですね。全国で頂いたパワーを“アルバム「俺達が歩く道」発売 ＆27周年記念ワンマン！〜後夜祭〜”に持っていきますので。