片手間じゃありません。本気です
──パンクバンドをやっていると実感するのは、どんなときですか?
サンジ こうやってCDが出来たりPVが出来たりすると、やっぱり実感しますね。アンザイさんがイラストを描いたりとか、そういうDIYなところもパンクだと思うし、全部自分たちでやっているんだな……いや、今のところはやらざるを得ないんだなって(笑)。
──売れたら外注もできますからね(笑)。トモロヲさんはいかがですか? 久々のパンクバンドですが。
トモロヲ 僕は楽しい以外の何もないです。過去にやっていたときは、非常にシリアスだったし、パンクはこうしなければならないということに縛られていた気がするんです。それが十何年振りにこういう形でパンクに再会できて、本当に楽しいなと。他人の歌詞を歌うのもほぼ初めてで、昔はみんなオリジナルっていうことに拘っていたりもしたけれど、そこからひとつ開放されたっていうのも楽しい。一回りした年齢だから、この出会いにスッと入っていけたのかもしれない。あと、皆めちゃめちゃ(酒を)飲むんですよ。リハーサルが3時間だとしたら、終わった後に3倍くらいの時間は飲んでますからね。渋谷の和民で。
──そんなヤングなお店で!?
トモロヲ スタジオに一番近いんですよ。最近、女性陣が飲みにつきあってくれなくなったのが軽い悩みなんですけど。
──呆れられたんですか?
トモロヲ この人たちと飲んでもグズグズになるだけだって、思われたんでしょうね。この短期間で。
──見極め早いですね(笑)。でも、楽しいのは良いじゃないですか。見ている僕らも楽しみになりますよ。
サンジ ただ、僕らは片手間にやってるって見られちゃうのが心配なんですよ。楽しんでいることが、お客さんにはどう映るんだろうって。
──冗談でやってるんじゃないの? っていう。
サンジ そうそう。僕がMEN'S5を始めたときは、本当にそういう見られ方をしましたから。「また企画モノでしょ」みたいな。……まあ結果的にそうなることもあるんですけど、でも、やるときは本気なんですよ、僕は。
──でも、この歌詞を読めばその本気は伝わると思いますけどね。これって、要するにパンク讃歌じゃないですか。「パンクが好きで好きで仕方ないんです!」という心意気が、溢れかえっていると思うんですよ。
サンジ 一般的にはパンクって“暗い”とか“怖い”ってイメージもあると思うんですよ。そこから考えるとLASTORDERZはパンクじゃないのかもしれない。でも、演っている側からしてみたら、何やったって良いじゃんって思うし……。
トモロヲ バラエティ・パンクですよ。“バラエティ”と“パンク”は一緒にしちゃいけないんじゃないかと思われがちだけど、そこに挑んでいるのが新しいと思うし、パンクってそれくらい自由でしょ、ってことだと思うんです。とにかくこれは余技でも何でもなくて、大人の必死の悪ふざけなんですよ。それはもう、死にもの狂いの。……だって、僕らもうすぐ本当に死んじゃいますから。
サンジ もう大人ですからね(笑)。