2010年3月に発表した1st.アルバム『ベイビー!キミのビートルズはボク!!!』が各方面で絶賛を浴びた住所不定無職。メンバーは、ザ・ゾンビーズ子(ギターとか)、ユリナ(ギターとか)、ヨーコ(ギターとか)のスリーピースバンド。彼らが10ヶ月ぶりの最新作『JAKAJAAAAAN!!!!!』(ジャカジャーン!!!!!)を1月26日にリリースする。50'sアメリカン・ポップス、60'sビート・ミュージック、70'sパンク・ロック、80'sハード・コア、90'sギター・サウンド、そしてジャパニーズ歌謡曲からハロー!プロジェクトまで、全ての要素をミックスした結果生まれた彼らの楽曲。タイトルも『JAKAJAAAAAN!!!!!』だけあって、一音目からキュンッと来てググッと引き寄せられる作品だ。演奏には拙さや危なっかしさを感じるものの、それすらも味わいだと思えるのは完全にハートをかっさらわれてしまっているのだろう。
今回は、彼らのプロフィールを読んで心をドッキュンと射抜かれてしまったので、お話を伺わせていただくことにした。職安で出会い、ハロー!プロジェクトの話で意気投合し、楽器はやった事がないのにバンドをやりましょうかという話になったと。一体どんな人たちがやっているバンドなのか、期待を胸に指定された場所へと向かった。(interview:やまだともこ)
出会いはハロー!プロジェクトがきっかけ
── 今回なぜみなさんにインタビューをさせていただこうと思ったかと言いますと、新しい作品がリリースされるということもありますが、最初にプロフィールに興味を持ったんです。ユリナさんとザ・ゾンビーズ子さんは、職安で出会ったそうで、どちらもハロー!プロジェクトが大好き。ユリナさんは以前アイドルになりたいと思った時期もあったそうで、アイドル感も含めてお話を聞かせていただきたいと思ったんです。
ユリナ:アイドルを目指していたという部分に関して言えば、「(笑)」ぐらいにしてもらいたいんですけど…(苦笑)。女の子はみんな一度はアイドルになりたいって思ってますよね。でも、自分の容姿とかスタイルとか冷静に見られる年齢になると、アイドルになれないんだって気付くんです。私も二十歳前でやっぱり無理だとようやく気がつきまして…。
ザ・ゾンビーズ子:ちょっと遅いね(笑)。
ユリナ:うん。うちは兄がメロヲタで、ハロー!の曲がずっと家で流れているという環境の中で育ったんですけど、ゾンビーズ子ちゃんと仲良くなったきっかけも、その話で盛り上がったからなんです。
ザ・ゾンビーズ子:初めて会った時に、メロン記念日の曲を歌って意気投合したんだよね。
ユリナ:あの曲いいよねとか言って。それで、帰り際に「誕生日近いんです」って言ったら、Berryz工房の菅谷ちゃんのバッヂをくれたんです。それなのに、次の日に「やっぱりあれ大事だから返して」って言われて、「イヤだ」って言って今でも鞄に付けてますけど、あれは引きましたね(苦笑)。
── 出会ったのが職安というのは、本当のエピソードなんですか?
ユリナ:ホントです。私から話しかけたんです。特に何かを感じ取ったわけでも音楽好きを感じて話したわけでもなくて、何気なく話したらハロプロの話で意気投合して…。音楽が好きな人なんだってわかったのは、後になってから。
── その時からバンドはやっていたんですか?
ユリナ:ゾンビーズ子ちゃんは家でギター弾いてたみたいですけど、私は全然。
── どこからバンドやろうみたいな話になるんですか?
ユリナ:いろいろ話をしていたら、すごくバンドに詳しくてヨーコちゃん(ギターとか)と一緒に教えてもらい、「ジャカジャーンとやりたいですね」って話になってバンドが始まったんです。ヨーコちゃんはアイドルには興味がないので、今日は来ていないんですが…。
── ヨーコさんはどんな音楽が好きなんですか?
ザ・ゾンビーズ子:テクノとかニュー・ウェイヴ、ギャング・オブ・フォーやジェームス・チャンスとか好きみたいです。
── ちなみに、お二方は初めて好きになったアイドルってどなたになります?
ザ・ゾンビーズ子:私はあやや。
ユリナ:私は初めてファンレターを書いたのは篠原ともえちゃんです。今思うと、ともえちゃんというアイコンが好きだというのはもちろんありますけど、石野卓球さんが書く曲も好きだったんです。グループだと、小学校の頃にモーニング娘。がデビューして、モーニング旋風が起きて私も筆箱を持ってました。
ザ・ゾンビーズ子:私は一番初めはあややがハロー!プロジェクトに所属していると知らなかったんだけど、その後にハロー!プロジェクトを知って、つんく♂さんが作る曲はやっぱりすごいなと思って。ハロー!プロジェクトはみんな好きでした。あややもメロン記念日も。昔はあややのコンサートは日帰りで帰って来れる会場なら全部行ってましたよ、今は行けてないんですけど。
── ゾンビーズ子さんのエフェクターケースもすごいことになってますね。(ハロー!プロジェクトに所属している方々のコレクションカードとTHA BLUE HERBなどバンドのステッカーが混在し、所狭しと貼り付けられている)
ユリナ:ゾンビーズ子ちゃんと、絶対的なものが好きなんだって話になったんです。だから、私たちにとっては、THA BLUE HERBのILL-BOSSTINOとあややは同じ。
ザ・ゾンビーズ子:アイドルって基本的にファンはダメな部分を自分が補うというか、ダメな部分を応援したいというところがあると思うんですけど、あややはそれがなかったんです。最初から自己プロデュース能力が高かったんですよね。だからあややは、アイドルという部分では全然別物だと思う。