夏を待ってました(『爆弾の作り方』より)
クリスマス(『ワンルーム叙事詩』より)
amazarashiの作品はPVにも注目すべきだろう。『光、再考』では、登場するてるてる坊主が、表情を変え、姿形を変え、ひたすら変身を繰り返す。そのまわりを歌詞となる言葉がうねるように現れては消え、より言葉が強く突きつけられているようでもある。白を基調とした背景に、淡い色をしたてるてる坊主。そして黒で書かれた歌詞。すごくシンプルなのに、一度観たら忘れられない強烈なインパクトを持つ。
『夏を待ってました』は3DCG Awards 2010にて最優秀賞を受賞した作品。歌詞に忠実に映像が作られているというわけではないが、楽曲が持つ物語性の強さと映像が持つ世界観がノスタルジックで、フィルム映画を見ているようだ。異様な顔をしたてるてる坊主と、足と羽を携えて空を飛ぶ不気味なてるてる坊主。子供の頃に初めて見た『風の谷のナウシカ』のオウムを見た時のような、恐ろしさと衝撃を受けた。メディアへの露出もほとんどなく、まだ新人でありながらこの作品のYOU TUBE視聴数は、15万を越える。この音楽があるから、この映像が生き、この映像に乗ったのが『夏を待っていました』だから、これだけの世界を作り上げることができたのだろう。
今作の『クリスマス』は、PVがamazarashiオフィシャルサイトで公開されているので、ぜひ見て頂きたい。てるてる坊主が変身を繰り返すというスタイルは変わらないものの、これまでの作品とは違い海外の童話のような筆のタッチで書かれたこの作品は、SFアニメの要素も含んでいる。善と悪の戦いは、人間の内面が浮き彫りになっているのではないだろうか。このPVでひとつのアニメを見たいと思うほど完成度が高い。
前作は、AR(拡張現実)が採用されたCDジャケットでも話題を呼んだが、今作はジャケットがスクラッチになり、削ると新しいイラストが出てくるというとても斬新な試みがなされている。ジャケットに隠されたもう一枚のイラストも見て頂きたい。また、初回限定盤には詩集が封入されている。右に、詩集から『クリスマス』を掲載した。amazarashiは歌詞自体が文学的であり、ひとつの詩集として成立するものであるが、こちらの詩集もぜひ読んで頂きたい作品だ。
クリスマス
人は生きている間
毎秒罪を犯しているとして
一分で
六十の罪があるとして
一時間で
三千六百の罪があるとして
一日で
八万六千四百の罪があるとして
三百六十五日で
三千百五十三万六千の罪があるとして
それを洗い流すのが
年明け前に降る雪だとしたら
新年に皆が清々しい顔して笑っているのも
無理やり頷けない事も無いな
だから僕は
雪の降る街が好きなんだよ
罪悪だらけだもんな
amazarashi撮影! フォトライブラリー
Rooftop読者のためだけに、プライベート写真を撮影して頂きました。
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