Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

16人がドカンドカンと奏でる「嬉しい音楽」

2010.12.01

一生懸命ふざけている

──今回「野外フェスティバル」というレーベルを立ち上げてのリリースですが、これまたインパクトのある名前ですよね。

藤森 そもそも「画家」って見方によってはアングラっぽい名前だし、今回はジャケも情報量が少ないじゃないですか。それだと余りにも分かり難いので、せめて「野外フェスティバル」っていう名前がどこかに載っていれば、そういうバンドなんだって翻訳してくれるかなと。あと、これを見た関係者の方が勘違いしてフェスにブッキングしてくれないかな、という思惑もあります。

──その勘違いは無いと思います(笑)。

藤森 あと、よく「どんな感じの音楽なの?」って訊かれることが多いんですけど、なかなか説明し辛くて。そういうときに「フェスで盛り上がりそうな感じ」っていうのが一番手っ取り早いんですよ。

──確かに「獅子舞」なんて、フェスというか“お祭り”ですもんね。今回、そういった“和”なメロディが多い気がしたんですが。

藤森 勘違いした和風みたいなアホっぽいメロディは好きです。ただ、メンバーに三味線の女性がいるんですが、16人もいるなかで三味線の音が聴こえるパートを作るには、三味線を一人にするしかなくて。そうなると“和”っぽい空気に引っ張られちゃうんです。

──敢えて“和”な感じを押し出そうとしている訳じゃないんですね(笑)。

藤森 むしろ、そういう“和”っぽい色はつけたくないです。

──でもそういう感じの曲、結構多いですよ?

藤森 そういう曲は、単純にイントロで三味線が鳴っているだけのことが多いです(笑)。

──まあ、バンドサウンドの中では真っ先にかき消されそうな楽器ではありますけど……。

小林 音、小さいですからね。あと弾いてる人もそんなに得意じゃないですし。

──ええ!? じゃあなんで彼女は三味線を?

藤森 なんか、持ってたんですよ。

川島 最初は師範代だって噂もあったんですけどね……。

小林 最近はもっぱらマラカスや笛に移動してます。

藤森 今回はレコーディングでメンバーも初めて見る楽器を使ってる人もいたりして。不思議な状況ですよね(笑)。

──三味線といえば、破天荒な展開の「旅役者」はインパクトありました。

川島 これはストーリーがありました。そういう作り方をすることもありまして。3曲目の「狩人」には脚本がありましたし。

──ほう、それは公開しないんですか?

藤森 いや、それをしちゃったらインストバンドとして野暮じゃないですか。

──じゃあそれは、メンバーが世界観を共有するために作っているんですね。

藤森 そうですね。あとは曲名も、メンバーがその曲の景色を共有するための要因ですね。それぞれがどこを見ているかは分からないけど、同じ景色の中にはいるという。

小林 そう言えば、そういう話はよくするよね。もしかしたらそれが曲の方向性を決めてるのかもしれない。

川島 そうすることで、それほど作曲に携わらないメンバーにも絵が見えるように心がけていて、それが画家というバンド名にも繋がっているのかもしれないです。

藤森 それはキレイゴトだよ(笑)。

──すごく意地悪な話かもしれないですけど、メンバーを減らしたりして音楽的にもっと突き詰める、という選択肢もあると思うんですよ。そうしないのは何故だと思いますか?

藤森 それをやると真っ先に俺がクビになるから(笑)。

小林 保身か(笑)!

藤森 まあメンバー内でも少人数のユニットがあったりして、テクニカルなことがやりたい人はそっちでやってますし。もちろん今後、画家でももう少し構築的な曲をやることもあるかもしれないですけど、それはそれとして、とにかく続けるのが一番の目標だと思ってます。続ける中で自ずと技術が必要になることもあるかもしれないけど、メンバーを替えてまでそちらを優先するような、ストイックなバンド然としたことはやらないと思います。

──「楽しそう」って言われること多くないですか?

藤森 そうですね。実際楽しんでますしね。

小林 真面目にバンドやってる人にちょっと嫌味っぽく言われることが多いです。

藤森 趣味というか、一生懸命ふざけている感じだからね。

小林 そうだね。そこはメンバー間の温度差ないかも。

──こうしてCDをリリースすることでまた活動の幅も広がると思うのですが、今後の目標は?

藤森 数万人の前でライブやりたいですね。……まあ、特に今後活動のペースが急激に上がることもないとは思うんですが、これをきっかけに、周りを巻き込んで面白い状況を作っていけたら良いですね。それと、ライブでは、ディズニーランドのエレクトリカルパレードみたいな、大した意味は無いけどやたら圧倒的な、祝祭の場を作りたいです。あとは、ただのめちゃくちゃイイ曲とか作りたいですね。ベタに100万枚売れるレベルの。

小林 欲が出ちゃうんじゃない? もっと売れたいとか……。

藤森 いやあ、それはないよ、大丈夫。なるようになるって!

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『嬉しい音楽』

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LIVE INFOライブ情報

2011.1.15(土)柏ドランカーズスタジアム

2011.1.29(土)『嬉しい音楽』リリースパーティー@新代田FEVER

 


Profile
2007年、藤森(ジャンベ)を中心に結成。レイヴやお笑いイベント、ファッションショー、ライブハウス、野外フェスからクラブなど様々なシチュエーションでライブを行い、注目を集めている。

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