
ファンに対して"約束"すること
──日本の場合、目当て以外のバンドには目もくれずに帰ってしまうオーディエンスが多いように感じるんですが。
逹瑯:それでもいいんじゃないですか? 仮にひとつのバンドしか見なかったとして、そのバンドがチケットの金額に見合うだけのパフォーマンスをしたからお客さんも満足して帰ったんだとすれば、それは素晴らしいことだと思うし。来てくれる人は自由でいいんですよ。イヴェントだからと言って何の義務もない。逆に、気を遣って見られるのもイヤですね。最後のバンドはお客さんが全然いなくて可哀想とか言うけど、お客さんを残せないバンドが悪いと俺は思うんです。可哀想と思われるのが可哀想ですよ。
──アウェイなライヴほど闘志が漲ったりは?
逹瑯:ホームもアウェイもあまり関係ないですね。ただ、初めて見るお客さんがどうこうよりも、アウェイな場所まで足を運んでくれた俺たちのお客さんに「こっちのバンドのほうが格好いいじゃん」って思われないようにしなきゃなとは思います。そういう時は燃えますね。まぁ、ただの負けず嫌いなんでしょうけど。...と、SATOちはいつも言ってますね(笑)。
SATOち:俺を使ってまとめるなよ(笑)。
──アウェイな場面で一番好戦的なのは誰なんでしょう?
SATOち:酒を呑んだ時のYUKKEさんじゃないでしょうか(笑)。
逹瑯:ステージに関係ないやんけ(笑)。
──ミヤさんは割と冷静なんですか。
逹瑯:どうだろうな。静かに燃えてると言うか、そういう時のテンションはいつもより上がってる気はしますね。"冷静と情熱のあいだ"で(笑)。
──今秋からはツアーも始まるし、1年が駿足で過ぎていく感じじゃないですか。
逹瑯:最近は1日が終わるのが早いんですよ。何でかはちょっと前から気づいていて、要するに起きる時間が遅いからなんです(笑)。昼に起きたら夜まであっと言う間だし、朝の8時に起きると1日が結構長いんですよね。
SATOち:8時に起きたら、俺は何をしていいのかまるで判んないね。
逹瑯:SATOちはこれでしょ?(と、パチスロを打つフリをする)
SATOち:それじゃ昼に起きるよ(笑)。
──現状、リリースに関しては理想的なタームを保てているのでは?
逹瑯:そうですね。ただ、時間がありすぎると迷走することもありますよね。どんな仕事でもそうだと思うんですけど、時間がなくて切羽詰まった時にアドレナリンが出るじゃないですか。そういう時は普段出せないスピード感で仕事ができたりするし、その異常なテンションは必要だと思いますね。こういうもの作りの場合は特に。
──最後に、おふたりがファンに対して"約束"できることは何でしょう?
逹瑯:これはずっと考えてることなんですけど、もしも解散ライヴをやるとしたら、絶対に売り切れない会場でやります。解散ライヴがソールド・アウトになるのが格好いいっていうのは違うと思うし、見に行きたい人が全員見れたほうがいい。売り切れたチケットが高値で取り引きされるのがイヤなんですよ。かと言って2デイズやると、初日は最後じゃないのが中途半端だし。なので、ムックの解散ライヴは来たい人が全員入れる会場でやるのを"約束"します。
SATOち:じゃあ俺は、ムックが解散しないことを"約束"しますよ(笑)。