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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】Sady & Mady(2009年5月号)- アコースティック・ギターとドラムが織り成す狂気を秘めた詩世界

アコースティック・ギターとドラムが織り成す狂気を秘めた詩世界

2009.04.01

癒しの歌なんて唄ってる場合じゃない

──ジャズは以前からお好きだったんですか。

隆広:凄く好きな音楽のジャンルだけど、唄うのはヘタだね(笑)。哲也に教わりながら何となくやれちゃってはいるけど。

──ジャズにもSady&Madyの世界観と合致するような辛辣で捻りの効いた歌が多いですよね。

隆広:みんな一緒だと思うよ。ブルースやフォークにもかなりキツイことを唄ってるのがあるからね。

──口当たりの良い音楽はつまらないという意識はありますか。癒し系とは真逆を行くような音楽にこそ魅力を感じると言うか。

隆広:聴いて癒されるような音楽も好んで聴くし、いつか癒し系の歌も唄えたらいいなとは思うけど、正直に発言してたらそんな表現になるはずもないよね。人を癒すような歌を唄ってる場合じゃないでしょ、って言うか。

──こんなご時世に癒し系の歌を唄えるのは、『MiSS KiSS』の歌詞に出てくる“狂った時代(トケイ)を信じて”いる人なんでしょうね。

隆広:そうだね。狂った時代の行き着く先に未来はないと思うし、俺は信じたくはないけど。

──日々生きていれば某かの憤りは感じるものだし、癒し系の歌で癒されるくらいの憤りは大したことじゃないと思いますけどね。

隆広:よっぽどいい加減な性格じゃなければ、幸せを全開にアピールした歌なんてとても唄えないよね(笑)。

──ただ、さっきも話に出てきましたけど、ある程度の足枷や適度な摩擦があったほうが自由を実感できるのもまた真理ですよね。

哲也:そういうイメージは余りないけど…憤りがどうしても出てきちゃうんですよ。

隆広:そう、“出てきちゃう”っていう言い方になるよね。社会がうまく立ち回ってくれてるなら言うことも聞くんだけど、そうじゃないからね。自分なりに居心地の良い場所を求めて仕事に励んでみたりもしてみたけど、やっぱりどうしてもしっくり来ない。自分で自分のことをストイックなんて言うと笑われそうだけど、ストイックであればあるほど憤りは感じるものだと思う。だから、もっと突き詰めなきゃいけないんだよね。ホントの自由を実感したければもっと苦しまなければいけないと思うし。安直に生きてちゃダメだし、もっとしっかりしないとね。

──皆さんと同じように自由を追求し続けている人にとって、Sady&Madyの音楽がカタルシス的な役割を果たして欲しいという思いはありますか。

哲也:俺はありますよ。それが自分の役目だと思ってるところもあるし。

隆広:俺は次にやるべきことをやるだけかな(笑)。

──ははは。Sady& Madyがとても良いバランスで成り立っているのが窺えますね。隆広さんが受けたインスピレーションを哲也さんがうまくアウトプットしていくと言うか。

哲也:ライヴならライヴで、迸る感情をどうやって言葉と音に乗せてフロアへ送り出していくかを俺はいつも考えてますね。ライヴは生モノだから、調子の悪い時はつつがなく終わってしまいますけど(笑)。

──自分の感情に対して従順と言うか、体調が悪ければ悪いままで行くと?

隆広:ライヴは常にベストな状態で臨みたいと思ってるけど、嘘をつくのがイヤなんだよ。落ち込んでるくせに「元気かい?」なんて張り切って言えるわけがない。それじゃ伝わるものも伝わらないよね。だから、ライヴの前までに自分が気持ち良くなるコンディションに持っていくことにしてる。

──Sady&Madyとしての表現形態は別に音楽じゃなくても構わないという意識はありますか。

隆広:いや、Sady&Madyは音楽だよ。だけど…いいっちゃいいかな、何でも。映像を採り入れてみてもいいと思うしね。

哲也:いいっちゃいいだよね、ホントに。

──この2人が揃いさえすればそれでいいと言うか。

哲也:まぁ、必要な存在ではありますね。

隆広:何かあるよね、Sady&Madyには。とりあえず、俺はここで唄っていたい。

──お2人が感じる“Sady&Madyらしさ”とはどんなところですか。

隆広:わかんないなぁ…。音もカテゴライズできないしね。

哲也:それも、この2人でやるとそうなるってだけだからね。

──敢えて言うなら、既存の表現にはないことをするのが一番の“らしさ”といったところでしょうか。

隆広:そうなるんだろうね。ありきたりの表現はどうしても飽きちゃうんだよ。新しい発見があったほうが絶対に楽しいからね。

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