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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】遠藤賢司 VS 平野悠(2007年1月号)-『遠藤賢司実況録音大全』発売記念 遠藤賢司 VS 平野悠 新春大放談

『遠藤賢司実況録音大全』発売記念 遠藤賢司 VS 平野悠 新春大放談

2007.01.01

俺は何かを残そうとは思わない

エンケン:ところで平野さんにとってのロックはどういうものなんですか?

平野:なんだろうねえ。やっぱりどっかでクソったれっていう意識があるというか、ふざけるんじゃないよというね。俺は他になりようがないからロックやってるんだよという感じなのかな。エンケンさんもそうでしょ?

エンケン:まあそうだけど、でもたぶんロックがアメリカとかヨーロッパで生まれたとしたら、向こうの人はそれほどそうは思ってないでしょうね。ロックを反体制という言葉で捉えてる人は日本の半分以下じゃないかな。俺はロックっていえば、小さい頃は三橋美智也とかプレスリーだったけど、いい歌はすべてロックだと思っている。いい歌とは、信念が俺の魂を揺さぶる歌、例えば俺の「カレーライス」でも何でも、その人の心を揺さぶらせたらそれはロックだと思う。それは力になりますから。俺はそれを「言音一致の純音楽」と言っているんですが、昔、エンケンはフォークだとかロックだとかパンクだとかいろんなこと言われて、でも俺は自分の事しかやっていない。政治も宇宙も全部ひっくるめた純粋な音楽をやりたいから、純音楽家だと言ってきたんです。

平野:いろんな奴にエンケンさんのことを聞くと、エンケンはいつも真剣勝負の人だって言うんです。確かにフラカンとか曽我部とかの若い奴らともガチンコで勝負していると思いますけど、その結果、エンケンさんにとって何が生まれたんですか? だって何かを残していかなければ続けていけないでしょう。

エンケン:俺は何かを残そうとは思わない。例えば、毎月どこかでライブをやるとすると、それは一回一回が自分との戦争ですから。今日は自分自身に勝ったかどうかという。そういう思いだけでやってきたから、自分を偽ってまで残そうという意識はないですね。

平野:エンケンさんのライブには今だに若いコがたくさん来るけど、それはなんでなの?

エンケン:それはわからないけど。俺はクサイことは言わないようにしてるんです。でも言おうとする時もあるんですよ。それはどっか自信がない時なんです。背中に冠を背負いたくなるような。でもそれはやりたくない。その日の演奏全てを自身の責任でやってることは確かです。

平野:具体的には、MCをやらないってこと。

エンケン:いや、おもしろければいいんですよ。お説教にならなければ。時々自分で注意しないとお説教になる時もあるよね。でもMCの部分を含めて音楽で勝負しなければ卑怯だとずっと思っている。MCで「これは個人の尊厳を歌ってます」とか「民主主義の根源は」という曲説明は絶対やりたくないし、歌だけで最終的にそう思わしてやろうとずっと思って歌って来ました。その信念が37年間歌って来た源力となってます。まあこれからも僕自身が一番聞きたい音楽、自身の創造魂に恥ずかしくない音楽を、僕自身の為に歌い続けていこうと思ってます。また誰もがそうあるべきだと思います。それが一番正しく大変なのですけどね。

平野:そうかもしれないよね。今日はどうもありがとう。

エンケン:こちらこそありがとう。楽しかった。

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