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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】オナニーマシーン(2006年2月号)- 日本でもっとも酷い(!?)ライブを収録! どーかしているライブアルバム発売

日本でもっとも酷い(!?)ライブを収録! どーかしているライブアルバム発売

2006.02.01

 おそらく今、日本でもっとも酷いライブをやっているであろう、ドーテー、コジキのカリスマバンド・オナニーマシーンが、その酷すぎるライブをCDの収録限界ギリギリまで詰め込んだ、どーかしているライブアルバムを作ってしまった! おそらくビデオだったら八割以上のシーンでモザイクだらけになってしまうと思われるライブの臨場感が、音声だけでもビンビンのピンピンに伝わってきてしまうライブドア・ショックよりもショッキングな、丸ごと放送事故のようなこのライブアルバム。発禁になる前に急いで買いに行こう!(interview : 童貞.com 北村ヂン)

とんでもない物が出来ちゃいましたよ

──今回、何でライブアルバムを出そうと思ったんですか。
 
イノマー:本当は去年のうちに一枚オリジナルアルバムを出す予定で、もうレーベルも発売日も決まってたんですけど、去年はプライベートが色々と大変でそれどころじゃなくって、曲が全くできなかったんですよ。同じ頃にロフトレコードからも「オリジナルアルバムが出るんだったら、その前か後にライブアルバムを出しましょうよ」って言われてて、じゃあつながるからいいかなって思ってたんだけど、結局ライブアルバムだけになっちゃったという。だから特にライブ盤を出したかったって訳ではないんですよね。
 
──大体、オナマシのライブを録ったらどうなるのかって想像つきますからね。
 
イノマー:オレも周りもわかってますからね、ロクな事にはならないっていうのは。案の定、とんでもない物が出来ちゃいましたよ。
 
──他のメンバーはこの日のライブがCDになるっていうのは知ってたんですか。
 
イノマー:ガンガンはそういうの気にするタイプなんで言っておいたんですけど、オノチンは言うとイヤだって言いそうだったから内密に事を進めましたね。レコーディングするっていうのも当日「一応今日は録音するから」くらいに曖昧に伝えたんですよ。だから多分、オノチンはライブレコーディングした事すら覚えてないだろうし、CDが出ることすらわかってないんじゃないかっていう。しかも、初回特典としてオノチンのモノマネと滑らない話がCDとして付いてくるんですけど、その特典CDについてもオノチンにまだ話してないし(笑)。ビックリするんじゃないかな、コレ出たら。
 
──何にせよ、おしっこ風船投げたり、ローションかけ合ったり……あんまりライブアルバムになる事を想定してないライブでしたよね。
 
イノマー:音だけですからね、何が起こってるのかさっぱりわからないという。
 
──ライブ中に大量のキャベツが出て来たのとか全然意味わからなかったですよ。
 
イノマー:オレも最後まで意味わからなかったですね。仕方ないからずっとベースでキャベツ潰してましたからね。保険みたいなモンで、何かあった時にキャベツとかネギとかあったら便利かなって思ってたんですけど。
 
──あるのはいいんですけど、量があり過ぎなんですよ。
 
イノマー:20玉とかありましたからね、もったいないですよねー。ステージ上、青臭~い青果市場の匂いがしましたもんね。まあ、野菜とか撒いとけばパンクかなっていうのはあるじゃないですか、そういう世代ですからね。
 
──あそこまでやらせてくれるライブハウスもなかなかないですよね。
 
イノマー:ラママのスタッフは、ウチのライブの前にはまずブルーシート敷いて、警報機をカバーして……わかってるよなーって、ホント良くできた嫁さんみたいなモンですよ。
 
──終わったらキャベツ拾って(笑)。
 
イノマー:後片付けは大変だと思いますけどね。でもウチもその辺は気を遣ってて、前は小麦粉を使ってたんですけど、小麦粉とローションが混ざると取るのが大変らしいんでパン粉に変えましたから(笑)。値段も若干安めだったんで。ウチはライブやるだけでローション10本とか、ティッシュだってボックスティッシュを10個、それにパン粉だキャベツだって結構経費がかかるんですよね(笑)。ビニールシートも、ローション入れる用のバケツも自前ですからね。バケツは「オナマシ」って書いて常にラママに置いといてもらってるんですよ。ライブ前はそこにローション入れて、ラママの控え室のシャワーでローション作って(笑)。
 
──ああ、お湯がないと出来ないですからね。
 
イノマー:冷たくなっちゃうと寒いんで、温度の調節も難しいんですよ。オノチンが結構温度にうるさいんで。ライブ終わった後に「今日の冷たかったよ」って。
 
──ローションのダメ出しが(笑)。
 

オナマシ学園

──発売日もよりにもよって2月14日ですけど……。女の子からバレンタインにこのアルバムをプレゼントされたら理解に苦しみますよね。
 
イノマー:でもいいんじゃないですかね、好きな男の子にオナマシのCDをプレゼント(笑)。……意味深ですけどね。でも、せっかく発売日を2月14日に設定したのにレコ発でチョコをプレゼントするとかも特にないし、何の企画もないんですよね。ただバレンタインに発売ってだけで。昔は発売日とかも色々考えて決めてたんだけど、もうどーでもよくなっちゃいましたね。夢も希望もないですよ。
 
──でも、とりあえずイベントは大事にしますよね、クリスマスとかバレンタインとか。
 
イノマー:さみしいじゃないですか、何もないと。こんなヒドイ毎日を送ってて、クリスマスにまで家でオナニーして酒飲んで普段と変わんなかったら、たまんないじゃないですか。だったらせめて自分のイベントとかやって用事入れておいた方が言い訳になるんで。
 
──あ、自分のためにやってるんですね。
 
イノマー:無理矢理周りのみんなを付き合わせてね。なんか、ライブやる事よりもお客さんを見てる方が面白いんですよね、色んな変なヤツらが来てるから。そいつらを見に行ってるっていう感覚も強いのかな。
 
──オナマシのお客さんって、どうしたいのか良くわからない人が多いですよね。モテモテ系のバンドだったら、「目立ってメンバーにお持ち帰りされたい!」みたいなのがあるのかもしれないですけど、オナマシのお客さんって、強烈にステージに向かってアピールはしてくるんだけど、「で、どうされたいんだ?」っていう。
 
イノマー:不安ですよ、彼らの未来が(笑)。コスプレしてる人もいるし、オレより先に脱いでる人もいるし……まあ、ああいう人たちが集まれる場所って必要だと思うから。普段からそんなにライブに行くような人たちではないような気がするし。……だから、特殊な塾みたいなもんですね。オナマシ学園ですよ。
 
──普通のライブみたいにワイワイお客さん同士がコミュニケーション取ってるっていう感じでもないですしね。
 
イノマー:一人でライブに来て、一人で観て、帰りに山手線の中で一人で『シガテラ』読んでそうな人たちばっかりですよ。ボクもそうだったんですけど、昔は一人でライブ行って一人で帰るって言うのが基本でしたからね。別にそこで知り合いが出来るなんて事もないし、ましてやバンドの打ち上げに出るなんてあり得なかったし。ある意味健全ですよね。
 
──ストイックですよね。ホント、音楽だけ聴きに来てるっていう。
 
イノマー:しかも音楽を聴きに来てるっていうか、オナマシなんて音楽ですらないですからね。よく言えばストイックだけど、悪く言えばワガママで自由ですよね。
 
──オナマシのライブで知り合って付き合うとかあるんですかね。
 
イノマー:どうですかね~。もしかしたらそれがきっかけで結婚まで行くカップルもいるかもしれないですからね。でも結婚式で「新郎と新婦の出会いは……」とかいう話になったら、オナニーマシーンのティッシュタイムですからね(笑)。ヘタにデリヘルとかテレクラで出会ったって言うのより恥ずかしいですよ。……でも、そういうのもあるといいな。
 
──でもオナマシを観に来ている女の子はいいですよ。自分が高校生だった頃なんて、腕振り上げて「オナニーオナニー」言う女の子がこの世に存在するなんて思ってもみなかったですからね。
 
イノマー:逆にボクがひきますからね。でもそういう子たちはかわいくってしょうがないですよ。
 
──今回のライブアルバムにそういう声が入っちゃってて、後で後悔しないといいですけどね。
 
イノマー:しかもライブに来てた人の名前をジャケットに入れちゃってるんで、もっと後悔しますよね、きっと。
 
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