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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】MATCHY TRIBUTE発売記念鼎談! / マーティ・フリードマン×ROLLY×宮城マリオ (2006年2月号)- 近藤真彦25周年記念、ヒット曲満載の『MATCHY TRIBUTE』リリース!

近藤真彦25周年記念、ヒット曲満載の『MATCHY TRIBUTE』リリース!

2006.02.01

リラックスして自分なりのプレイをできるのが一番理想かな

マリオ:やっぱり間奏のギターソロってそこに入る意味があるんですよね。
 
Marty:曲の中に普通に入ってるんじゃなくて、曲の中の一部になる。義務だからギターソロ入れなきゃいけないじゃ??なくて、サビと同じぐらい大事な一部として。アメリカでも最近流行ってますよ。
 
ROLLY:一時期全くなかったもんね。
 
Marty:でも、ないほうが好きな場合が多いですよ。だからROLLYさんがギターソロあったら嫌いかも。生ドラムもそう!60年代から音色が一緒じゃん。
 
ROLLY:ドラムは飽きた場合はどうしたらいいの?
 
Marty:打ち込み。それか、もうちょっとおいしい音色を作る。打ち込みのほうが全然限られてない。ロックよりダンスミュージックのほうが新鮮。新鮮なことしなければギターソロもないほうがいいと思う。日本の演歌でもポップスでも必ずギターソロ入ってるじゃん。それおもしろいじゃん。演歌っておじいちゃんおばあちゃんの音楽なのに必ずギターソロ入ってる。
 
ROLLY:演歌の曲って完全にメタルなんですよね。
 
Marty:その時はギターソロだけじゃなくてキレイに磨いて欲しいですね。よく考えたんだけど、ギターソロの意味ってカラオケの時の拍手。ギターソロ=ボーカルの休憩。ちょっとかわいそうなんだけど。だからギターソロ入ってる。
 
マリオ:ギターソロって単なる間奏でしかない。すごいかっこいいギターソロ弾いてるのに。
 
Marty:でも、そんなもんじゃない?音楽ってボーカルのモノだよ。休憩が必要。休憩の時に何か入れなきゃいけないじゃない?せめてギターソロぐらいはね。だから僕の作ってるアルバムはギターソロ磨いてるやつ。でも普通の人は絶対聴いてないと思う。でも納得します。
 
マリオ:ところで、スタジオの雰囲気はどんな感じでした?
 
Marty:ROLLYさんってスタジオでノリノリになって弾くんですよ。ライブと同じ環境でした。僕だったらそんなにいきいきしないんですよ。真剣に…落ち込んでるぐらいの姿で(笑)。
 
ROLLY:僕は人が見てないとつまらないんですよ。見ててくれたほうがいい。
 
マリオ:ROLLYさんがノリノリでスタジオで弾いてたってなんとなくイメージがつきますね。
 
ROLLY:ヘビメタさんのテレビでやってるのとまったく同じ(笑)。
 
Marty:けっこうかっこよかった。だからそのエネルギーがテープの中で聞こえるようだったらすごく嬉しい。パーソナリティーが通じると思う。
 
ROLLY:Martyは本場のレコーディングをさんざん経験してるから。ブラジル製のエフェクター持ってるでしょ。歪み系でダーティーな音なんですよね。だけどそれだけ聴くととんでもないんですけど、合わさるとかっこいい音になるんです。僕が今までギターをダブルやトリプルでやるとき、なるべく同じ音で作ってたんですけど、1回ずつ全然違う音で入れていって最終的に1つのまとまった音にするっていうのは今度やってみようと思った。
 
マリオ:けっこう最初にこういうものを作ろうっていうものがあって取りかかるんですか?
 
Marty:僕は超テキトー。その日の空気が大事ですよ。ROLLYさんがいなかったり、エンジニアが違えば別の空気になるじゃん。だからそんなに前もってこれやりたい! って思わないんですよ。なんとかなる。でもROLLYさんが言ってるように、とんでもない恐ろしい音をちらっと入れたら全体的にもっと大きくなる。不思議な発見。
 
ROLLY:不思議でしたね。とんでもないゴミ箱みたいな音というか(笑)。
 
マリオ:Martyさんのスタジオ作業の全部その場の空気を大事にしてやるっていうのは想像つかないというか、見てみたいですね。
 
Marty:自分がリラックスして自分なりのプレイをできるのが一番理想かな。鮎貝さんもROLLYさんもみんなしてたから、意外と早くできあがりました。
 
マリオ:日数的にはどれぐらいですか?
 
Marty:TDまでには3日間しかかからなかったですね。
 
ROLLY:驚いたのは、リズム録りの前日に打ち合わせしようと思ってMartyのおウチにおジャマしてデモテ-プを作ってるから聴かせてくれたんですけど、ドラムもベースも入ってなくてギターだけ(笑)。さすがと思いましたね。ギター1本で成立させてしまうのは予算の関係かなと思ったら、他のデモテープもギターだけだったのですごく驚きました。
 
Marty:最初の打ち合わせの時デモテープ1回ぐらい聴いて10分ぐらい話して、4時間ぐらい他の僕ら好きな音楽のこと話してたんですよ(笑)。デモはウチに来るきっかけなんですよ(笑)。
 
ROLLY:1回行きたかった(笑)。
 
マリオ:この曲聴いたことある? みたいな話を…。
 
Marty:それ知ってる! みたいな。
 
ROLLY:Martyはマイナーなメロディーが好きそうですけど、The Ramonesとかのバカ明るいのも大好きなんだよね。
 
Marty:ヘビメタのギタリストはあまり詳しくないんですよ。僕はバブルガム(欧米で流行ったヒットソングのスタイル)とか、The Ramonesとかが大好きで、ROLLYさんほど詳しい人は日本だけじゃなくていないんですよ。洋楽邦楽だから話のキリがないんですよ。
 
ROLLY:だいたいそういうの好きな人はヘヴィーメタル嫌いですからね。ヘヴィーメタルも好きなんだけどバブルガム好きな人ってあんまり少ない。だからバブルガムの感じとヘヴィーメタルを合体したような、そういう音楽を一緒にできればいいねって話をしてて。
 
Marty:2人が知ってる曲とか昔のアーティストとか知ってる人いないと思う。
 
マリオ:きっとそういうのがあってできあがったトラックなんですね。『MATCHY TRIBUTE』を1曲目から聴いてて最初と最後はお笑いテイストなカンジでまとめてあるんですけど、真ん中は2000年代のJ-POPの感じが出て、その間でジャニーズのアンダルシアユニットが入って、『愚か者』がドカーンって。
 
Marty:僕はやるんだったらちゃんとやりたいから、ヘヴィーだったら超ヘヴィーで行きたい。だからイントロとかけっこうダークだよ。歌詞ってけっこうダークじゃないですか。日本語ポップの曲なのに大変な話じゃない。『愚か者』で。だからすごく悲しい音楽を目指しました。だからヘヴィーになりました。
 
ROLLY:『愚か者』で最後にノイズ出すから、スタジオでボリュームを全部10にしてフィードバックやってくれってMartyに言われたんですよ。それで死ぬぐらいの音量で最初100Wのマーシャルでやってたんですけど、すぐ飛びまして(笑)。壊れるのに3分ぐらいでした。その後クレートの300Wでやったら髪が全部逆立つような音量でした(笑)。
 
Marty:その音量だと普通じゃない、予想ができないようなビックリする音が出るから。
 
ROLLY:新しい体験でした。
 
マリオ:そんな秘密もあったんですね。最後にお二方それぞれの今後の活動予定は?
 
ROLLY:僕は10年前に解散した“すかんち”が3月に再結成ライブを行うので、それ用に4曲入りのミニアルバムを制作しています。曲はできたんですけど、これまた最高にポップでヘヴィーメタルでへんてこりんです。
 
Marty:それはROLLYさんがもともといたバンドで再結成? ライブは?
 
ROLLY:3/17に渋谷AXで。
 
Marty:絶対見に行くから。
 
マリオ:僕が中学生ぐらいの時“すかんち”を知ったんですけど、高校生で初めてクイーン聴いたときにこのギター“すかんち”がやってた!って思いました。
 
ROLLY:まさに正当な評価をしていただいていて、洋楽を知らない人が“すかんち”から入ってどんどん古いのを聴いていってほしかったです。
 
マリオ:Martyさんの今後は?
 
Marty:ソロアルバムを作っている最中なんです。インストのソロワークを出すつもりなんですけど、3月ぐらいにTDして春とか夏に出そうと思ってます。その後もう一枚ボーカル入りのソロアルバムを出すんですけど、曲作ったりとか。今作っているのは僕が日本に着いてから初めてのアルバムになるので、自分でもすごく期待してますね。3年間日本に住んでたんですけど、フルアルバムとか出してないんです。日本の経験が僕の期待より濃かったですから、信じられな いこといっぱいあって、素晴らしい人が次から次へ会ったりして一緒に働いたり遊んだり、だから今作ってるアルバムはその経験がちょっと入ってるかもしれない。だからどうなるかは自分でも期待してる。一番時間かかってるアルバムで、去年の3月からスタートで今でもまだ終わってないんで、インストなんだけどパーソナルのアルバムだから自分も早く聴きたいです。
 
ROLLY:それとは別にぜひバブルガムロックグループを結成したいですね。
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