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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】リリー・フランキー(2005年9月号)- とにかくギターのボリュームをマックスにして弾いたぜ! みたいな事を一回やりたかったんだと思う

とにかくギターのボリュームをマックスにして弾いたぜ! みたいな事を一回やりたかったんだと思う

2005.09.01

くだらねーなって思ってても、お前はもう来ちゃってるんだから

──9月にはいよいよ大阪でスナック・リリーが開催されますけど。
 
リリー:会場が違うんで、いつも東京でやってるみたいにオールナイトでっていう訳にはいかないんだけど、大阪でやるっていうのはすごく面白いと思うね。やっぱりサイン会とかに行っても大阪の人は要求が濃厚だからね。100人サインするのに3時間45分かかったもん。
 
──大阪でトークイベントみたいのってやった事はないんですか。
 
リリー:ちょっとした小さいイベントで、みたいなのはあるけど、完全にオレのイベントで長く話をするっていうのはないね。でも、プラスワンであれだけやってると、どこの地方に行ってもそこまで特色が出るとも思えないけどね。だって、プラスワンでやってるスナック・リリーでも関西出身の人って3分の1くらいはいるんじゃない? ただ、原石のままの関西人。プリミティブ関西人を扱うのは初めてだから。吉本のお笑いっていう物が自分たちの生活の土着になってる人たちでしょ。そういう人たち相手にしゃべるっていうのは楽しそうだよね。関西の人って、ダラダラ長くしゃべるっていう事に対してはすごい免疫がないと思うから。
 
──プラスワンって、オチがあるようなないような話をずーっとしゃべってますからね。
 
リリー:しかも、オレなんかほとんど一人でしゃべってるから、突っ込みすらいないでしょ。かといって、エディー・マーフィーのスタンダップ・コメディーみたいなキレがある訳でもないし。……その辺はやりながら様子を伺いたいよね。今回の大阪は、東京で毎回来てくれてファミリーみたいになってる連中も何人来れるかわからないから、最初にロフトでやった時みたいに発掘からしてかなきゃならないでしょ。
 
──良いキャラのお客さんを(笑)。
 
リリー:面白い人はいっぱいいると思うからね。関西に住んでいながらロフトのやってるようなイベントに来る人って、関西の中でもかなり変わってる人だと思うからね。関西独自の文化っていう物に対して100%ウェルカムではない人って事だから。
 
──吉本では満足出来てなかった人たちが。
 
リリー:まあ、初めて来るお客さんは何をするのか想像つかないと思うけど。フタを開けてみたら何にもしてない訳じゃん。企画らしい企画は何も無いし。
 
──その辺はプラスワンのイベント全般に言えますけどね。プラスワンではあれだけ人気のある「おっぱいだらけの……」とかのイベントも、今回の大阪ツアーでは全然理解されてないみたいですからね。
 
リリー:そういう感触がつかめてないんだと思うよ。東京では、プラスワンと街の関係性っていうのがこの10年間で出来てるけど、初めて行った場所じゃわからないよ。アフリカにいきなりロシアバレエ団がやって来ても意味わからないでしょ。ロフトがこういう関西でのイベントをやるのが遅すぎたっていうのもあると思うよ。ツアーでもなんでも、もっと早くやって行くべきだったんだよ。
 
──そうですね、大阪にプラスワンを作るとかいう話も何度も出ては立ち消えてますからね。それでは初めての大阪スナック・リリーについて一言お願いします。
 
リリー:いつも言ってるけど、スナック・リリーってそこに来てるっていうだけで、ある種の類似性を持ってる人たちだから。そこにたまたま居合わせたっていうパッケージを楽しんで欲しいね。つまらねーな、くだらねーなって思ってても、お前はもう来ちゃってるんだから。ソープ嬢に、「何でこんな仕事してるの?」とか説教する人っているけど、そんな事言っても、もうお前は来てるじゃんっていう。だから、そこにわざわざ来ちゃってる自分っていうのを楽しんでくれればいいんじゃない? そういう意味では場所は関係ないのかなとも思うからね。
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