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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】高橋氏(ex.PEALOUT)と、ISHIKAWA(タイガーホールレーベルオーナー)(2005年9月号)- 常に苦楽を共にしてきたっていう感じはありますね

常に苦楽を共にしてきたっていう感じはありますね

2005.09.01

 2005年7月、フジロックフェスティバルにて11年間の歴史にピリオドを打ったPEALOUT。そしてPEALOUT企画のイベント『激ロックシンポジウム』が、5月4日に新宿ロフトでファイナルを迎えた。この模様がライブ盤としてリリースされることになった。この日演奏された楽曲の1曲も削らずに。メンバーとしても納得のいくライブ、納得のいく作品に仕上がった。この日泣く泣くライブに行けなかった人、ライブで完全燃焼した人、全ての人に聞いてもらいたい。今回PEALOUT高橋氏と、タイガーホールのレーベルオーナーであり兄貴的存在でもあるISHIKAWA氏との対談が実現した。お互いが認め合っているというのが手に取るようにわかる暖か~い空気が流れた時間だった。(interview:シンスケ横山 / 構成:やまだともこ)

PEALOUTシンドロームが続いているのであればまさにing

──フジロックお疲れさまでした。まずは感想から。
 
高橋:悔いなしですね。完全にちゃんと終われた。あのライブがやれたから次にいけるなと思いました。
 
──やってるときに感慨深いものがあったりしました?
 
高橋:そうですね。やっている時はこれで最後なんだなとは全然思わなかった。いつもと変わらず。
 
──でも某メンバーの人は泣いてたっていう話も。
 
高橋:会場内があまりにあったかい感じだったから俺もグッとくる瞬間は何度も。3人で異様に顔を見合わせて演奏してたなとはすごく思う。実はみんな意識してたのかなとも思うし。目が合った後必ずニコッと笑うの。感傷的なものはあるけど、それを越えたところで最後はちゃんと終われたかな。笑顔でさよならって言えたかな。でも、実質的なラストライブはツアーファイナルのクアトロだと思ってるのね、バンド的には。そのご褒美としてフジロックがあって、長いアンコールライブが出来たかなと。それに関してはもう感謝の一言ですね。
 
──ISHIKAWAさんはファイナルのクアトロは見れました?
 
ISHIKAWA:はい。でも、人が多かったんで大半を楽屋のモニターで見てました。実は大阪も仕事の足を延ばして、ワンマン行けたんだよね。大阪は最初はアコースティックのセットで30分、その後3時間半ぐらい激しい曲とゆっくりな曲を行ったり来たりしたメニューだったんですよ。1曲1曲チューニングしたりとか、すごくどっしりとライブをやってたよね。東京に比べて超満員ではないので、お客さんがカウンターに飲みに行くときはいけたし、そうじゃない時はライブ集中したりとかっていう流れがあったんですね。逆に渋谷クアトロはゆっくりな曲と激しい曲がブロックできっちり分かれてたから、大阪よりも流れが速く感じたかな。オレ自身は感慨深いというのは通り越しているんでね。どっちかって言うとまたすぐに会えるって思っちゃってるし。ちょっと距離があるバンドだと感慨深さが出て来ちゃうんだろうけど、プロレス行きますかとか飲みますかってとき隣にいる人たちなんで(笑)、お疲れさまでしたとしか言いようがないですね。
 
高橋:ISHIKAWAさんとはそんな感じかも。感傷的になると言ったら解散って言うよりはどっちかが東京離れることになりましたとか、そういう時かも。
 
──解散って聞いたときどうでした?
 
ISHIKAWA:高橋くんがすごく前から何となくそれっぽいことを言ってたんですよ。車で2人っきりだったりすると、「オフレコで話しておいた方がいいかなと思うことがあって」って言われて、「解散とかじゃないの? 」って答えたら「わかる?」って。だから割りとノスタルジックな感じじゃないんですよね。PEALOUT以前の岡崎はビヨンズで知り合いでもあるし、音楽を続けていく限りはローリングしていくと。岡崎は今後もギターを弾くし、近藤君はソロもあってやり続けるし、高橋浩司もドラマーやり続けるっていうし、あとの応援の仕方に拍車をかけた方が友達としては当たり前の理屈なんじゃないの? って。ポジティブに考えていてくれるんだったら、それに同調するのが一番良いんじゃないのかな。出来ることがあれば遊びでも一緒にやればいいわけだし。
 
──高橋くんにとってもISHIKAWAさんはそういう存在ですか?
 
高橋:バンドの良い所も悪い所もさらけ出せる唯一の存在かもしれないですね。特にディレクターでもないんだけど、結成当初から最後まで付き合って来た少ない人の中で、ターニングポイントとなるライブで必ずいたりとか。ウチらが確実に一歩上に行った瞬間のライブってISHIKAWAさんの誕生日ライブに初めて誘ってくれた時で、そこからバンドとして転がり始めたし。あとバンドとの繋がりの部分であったりとか、THE TURN TABLESもそうだし、PEALOUTとしても面白いことができた。常に苦楽を共にしてきたっていう感じはありますね。
 
ISHIKAWA:今、PEALOUTシンドロームみたいなものが続いているのであればまさにingであるかも。バンドでPEALOUTっていう物理的なものはなくなっちゃったけどね。
 
高橋:出会いを思い返してみたんだけど、平日の夜中の旧ロフト。ロフトの店員から急遽連絡あって、イベントに出てくれって言われて。
 
ISHIKAWA:旧ロフトをオールナイトでクラブ化するにはどうしたら良いかって時に、テストパターンとして俺がDJやってPEALOUTも出たんですよ。ここで初めて高橋と近藤とは話しが出来て、それでPEALOUTを誕生日イベントに誘ったんですよ。
 
高橋:ISHIKAWAさんと一緒にいる瞬間って思い出深い事が多いからはっきり覚えてることが多いんです。誕生日は毎年、いい意味でリラックスしてライブができる機会を毎年与えてくれてたというか。
 
ISHIKAWA:PEALOUTサイドのスタッフの人も柔軟だったんで、やりやすかったなあ。
 
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