変な叫び声が入っているっていう
──曲を作る時って、バンド内で結構話し合うんですか。
江島:話し合いますね。もう、一瞬のスキも見逃さない感じで。「ここがこうだからさぁ…」とか、色々話し合ってますよ。
──結構、考え抜いてシンプルにしていく、みたいな感じなんですか。
KEV:そうですね。「ここのメロディーだけはシンプルにやらないとわかりにくいよ」とか。
──シンプルっていうか、わかりやすくっていう所ですかね。
江島:それプラス気持ちいいかっていう所ですね。今回アルバムとしての方向性的には、もっと幅を広げようっていうのがあって。それは、楽曲の幅というよりは、メロディーの幅を広げようかなっていう。だから、聴かせるタイプのミドルテンポな曲もあるし、わりといそがしい曲なんかもあるし。今まではホントにイキオイだけ…みたいな曲ばっかりだったんですけど、今回は「そうじゃない感じの曲も欲しいよね」っていう事で色々作りました。1枚、6曲の中でもちゃんと抑揚はつけたかったし、聴いてて「今何曲目だよ?」とか思っちゃう、どの曲も同じような感じのアルバムになるのはイヤだったから、ある程度の緩急をつけつつ、全体としてはコンパクトにまとめてみました。
──そういう意味ではちゃんと展開はありつつ、でもやり過ぎてはいなくて聴きやすいですよね。
江島:そこでやり過ぎちゃうとバンドの趣旨がわからなくなっちゃいますからね。このバンドは何がやりたいんだっていう。オレ達は、曲を作るに当たって、この曲は玄人受けするだろうとか、これは若者ウケするだろうとか、狙って作ったりはしてないんで。そういうの意識しないで単純に気持ちいい曲を作っているだけだから、その辺での統一感は取れてるんじゃないですかね。具体的にどうとは説明しにくいんですけど、オレらにしか出来ない音楽、オレ達はこれだよねっていうものはありますから。…どこかに一カ所変な叫び声が入ってるっていう(笑)
──ああ、アレはやっぱりこだわってるんですか。
KEV:それは結構こだわってますね(笑)。入ってないと、何で入れてくれないの!? って思いますから。
──あれって突発的に叫んでるんじゃなくて、ちゃんと打ち合わせて入れてるんですか。
KEV:打ち合わせて入れてますよ。考え抜いて(笑) 。
江島:やっぱり演奏してても、アレが入ると「ああ、らしくなったな」って思いますからね。
KEV:わかりやすいメロディーをやってたのに、いきなり奇声が入るっていうのはあんまりないですからね。
──妙に耳に残りますからね。
KEV:耳に残るっていうのだけでも、なかなか簡単じゃないですからね。
江島:逆にアレが全部だったらうっとうしいけどね(笑)。
──あの声っていつ頃からやり始めたんですか。
江島:それはギターが加入して来た時に…って感じですね。
KEV:やろうと思ってやったわけじゃなくて、自然に歌ってたらああなってたらしいんですよね。
──自然にあんな声出るんですか?
江島:「もうちょっと上で歌ってくれない?」とか言ってたら、この声が出たらしくて。この声が一番疲れないって言ってましたよ。
KEV:…最初は違和感あったかな?
江島:イヤ、あの違和感が新しかったんだよ。「なんだあのギターは!?」って。で、あの声にパンチがあるっていうのに気付いてからは、それを生かそうっていう方向になりましたね。
ジャッジ出来ないと危険
江島:これからの活動としては、やっぱりバンドって年取ると楽曲にしても、演奏にしても、わりと玄人玄人した感じに行きたがる傾向にあるんで、それはどうなのかなっていうのはあるんですよね。
──聴いてる側からすると「やっぱりファーストの方が…」とか、なりがちですからね。
江島:そうそう。だから、いい意味では変わりたいと思ってるんですけど、その辺のイキオイみたいなものはちゃんと残したいんですよ。バンドを続けていく上で、そういう事をちゃんとジャッジ出来るヤツがいないと危険ですよね。
──変に難しい曲をやりたがったりとかなりますからね。
江島:やっぱり作る側の音楽の趣味が変わったりとかなんでしょうね。
KEV:まあ、同じ事ばっかりやってると飽きちゃうっていう気持ちもわからなくはないですけどね。
江島:でも「アレッ?」って思う曲はやらないようにはしてますからね。曲はギターが作ってるんですけど、あいつもわかってるからそういう曲は持ってきませんからね。自分の中でかみ砕いてから持ってきてるんじゃないかな。だからある程度は上手く行ってます。
──曲作りはどんな感じでやってるんですか。
江島:最初ギターが曲を持ってきて、口で説明しながらコードつけてる間に、ここの展開はこうしない? みたいな感じでオレがベースを入れていって、それでやってるうちに馴染んできた所にドラムを乗せて…、みたいな感じですね。そうしてると、メロディーが出来てくるから、そのメロディーに合った歌詞を考えてくるっていう。歌詞に関しては今回は色々と弾数があったというか、書きためた物があったんで、雰囲気に合ったメロディーを選んで、今回はこれ行こうかなとか余裕を持って作れましたね。
──ああ、ストックがあるんですね。
江島:そこはオレの役目かなって思ってるんで。メロディーが出来上がってから歌詞を書くっていうやり方もやってたんですけど、逆に弾数を増やして、合ったメロディーに付けていった方がいいじゃんって今、オレの中ではなってますね。まあ、メロディーの尺がどうなるかわからないから、タイトルと、伝えたい事だけ書いておくんですけど。
──なるほど、ドラムに関して何ですけど、わりとドラムの人って色々展開を変えたがるっていうイメージがあるんですけど、KEVさんはどうですか。
KEV:逆にオレは変えたがらないですね。あんまり展開が多くなっちゃうのが好きじゃないんで。…まあ、あんまり少なすぎても飽きちゃいますけど。
江島:無理にリズム変えたり、テンポ変えたりしてもしょうがないですから。メロディーに合ったリズムってあるじゃないですか、基本的にはそれをやってくれればいいかなって思いますね。まあ、ドラムのフレーズとかもみんなで作ってる感じだよね。その上で、お互い譲れる部分と、譲れない部分とを話し合って。オレはドラムのプレイが歌っているっていうのがすごい大事だと思ってますね。ただ叩いてればいいっていうもんじゃないですから。ドラムが歌ってるバンドってどれも格好良いし、そういう音楽を聴いてきたんで。
──三人で協力しながら各パートを決めていくんですね。
江島:…でも、新しい曲を持ってきた時にはやっぱり、オレ達がああだこうだ言ってケンカになって、最悪なムードの中で曲作りしてますけど(笑)…もうスタジオの中の空気の色はグレーですね。















