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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】SPIRAL CHORD(2005年4月号)- 脳内を摩擦する甘美な歪みと張り詰めた轟音──スパイラル・コード初のインタビュー奪取!

脳内を摩擦する甘美な歪みと張り詰めた轟音──スパイラル・コード初のインタビュー奪取!

2005.04.01

負けてらんない、いや、負けるわけがない

──他に曲のストックは?
 
GG:もうない。
 
herAx:セカンドに向けてスタジオに入ってる。
 
──2人のスタジオって何やるんすか?
 
GG:こんな感じだよ。会話とあんま変わんない。それが音になる。
 
herAx:一服が長くて、「もう終わるか」って(笑)。
 
GG:こういう感じでやってるバンドって俺、初めてで。全部とは言わないけど、こんなにだらしなく曲を作るのは初めて(笑)。
 
──2人でやってる最中に頭の中にはベースのラインは鳴ってるんですか?
 
GG:全然それはない。
 
herAx:俺はちょっと鳴ってるな。
 
──ベース始まりの曲とかもありますよね?
 
GG:俺ら、カウントないんだよね。
 
herAx:ライヴでもカウントないよ。
 
──ライヴでも? それって成り立つんですか?
 
GG:それぐらいだね、ルールは。
 
herAx:F.I.Xの頃から暗黙で(ルールが)あるんだよね。
 
──ライヴとか頭どうやってましたっけ?
 
herAx:アイコンタクト。その緊張感が恰好いいんだよね。
 
GG:全然カウントないよ。3人で始まる曲もカウント要らない。だからライヴはよ~く見ると面 白いよ。
 
herAx:カウントって…恰好いいとは思うけど、対極で凄く恰好悪いって思ってた時があってね。入れなくても大丈夫っしょ? って思っちゃったんだ。
 
──でも、練習あんましてないし…。
 
GG:憲太郎に「やってくんない?」って言った時も、「ウチらカウントないから」って言ったはず。
 
──そしたら憲太郎さんは?
 
herAx:「は~い」って(笑)。
 
──そういえば今思い出せば、曲を始める前にフロント2人が後ろを向いてたような…今そんな緊張感あるバンドっていないっすよ。
 
herAx:たとえばライヴで次の曲って時にカウントで入ることあるでしょ? それで何か途切れるのがイヤなんだよね。
 
GG:でも、ヘラは緊張感ある?
 
herAx:あるよ。いい緊張感が。
 
──今まで観てきて、凄く緊迫してるのに楽しんでるんですよね、3人が。楽しむための緊張感があるみたいですね。
 
GG:そう捉えられるのは本望だな。
 
──エモエモしいバンドの緊張感とは全く別次元ですね。
 
herAx:ライヴ始まる前の緊張感を持続させたいってのもある。
 
GG:初めて聞いたな、それ(笑)。
 
herAx:ライヴ前は未だに緊張するんだよね。ゲロ吐きたくなるぐらい。緊張して何していいか判んないんだよね。酒は呑まないんだけど。
 
GG:逆に俺はスパイラルになってから増えた、酒は。
 
herAx:1杯目は絶対にハイネケンだよね?
 
GG:それは俺のジンクス。ハイネケンは喉が潰れないから。
 
──東京に憧れは? カウパァズで来るって話もちらほらありましたよね?
 
GG:東京に憧れは全然ない。確かにバンドをやるんだったら活動場所を東京に移そうかと思った時はあったけど、何かダラダラと…。
 
──(ヘラ氏に向かって)そんなことしてたら一人北海道に来ちゃった人いますからね(笑)。
 
herAx:俺は決断早かった。
 
──「ヘラさんは大丈夫(東京に残る)だろう」って話してたら行かれちゃった。「やべぇ、行っちゃった! 困った!!」って(笑)。逆にスパイラルで東京に移住するってことは考えたことあります?
 
GG:う~ん…。
 
──生活が札幌にあるって感じですか?
 
GG:生まれも育ちもこっち(北海道)だからなぁ…。
 
herAx:俺は東京でバンド活動をするって考えたくない。
 
──いつでもシェルターのカウンター席はヘラさん専用に開けてあるんですよぉ。
 
GG:でもね、仮にヘラが「明日東京帰るわ」って言っても、スパイラル・コードは続くような気がする。地域性云々じゃない。
 
──今日の話聞いて、何か考え方が日本っぽくないな、と。インターネットも普及して、国も違う人同士でバンドとかユニットやって音楽やってる人が増えてるのに、日本じゃあんまいないっすよね。
 
GG:でもやってることは凄く原始的。とりあえずMDを郵送する(笑)。
 
herAx:やればできるもんだよ。
 
──ちゃんと体現してるから凄いっすよ。でも一線超えてるメンバーですもんね。
 
GG:俺は一線超えたとは思ってないよ。全然若手だと思ってる。俺より年齢的にも上の人がバリバリやってるし、未だに中坊な感覚でやってる。
 
herAx:その感覚は永遠に続くね。
 
GG:ミチロウさん(スターリン)とかバリバリでしょ? ガキの頃聴いてショックを受けた、その先輩がまだまだやってるのは俺のパワーになる。
 
herAx:バンドの状態が良くなかろうが、とにかく続けることだな。
 
GG:継続は力なりってやつだよ。全然金にはなってないけど(笑)。
 
──感覚的に若いこと続けてますよね。東京にいる人は感覚が若い人多いと思ってましたけど、2人は凄く若い感覚が残ってますよね。
 
GG:実際どうかは判んないけど…。
 
herAx:ゲンちゃんは金髪だし、俺は長髪で、とりあえず髪型は若いよね(笑)。若いヤツには負けたくないっていうか…。
 
GG:好きなモノは譲れないな。
 
herAx:今までやってきたことの積み重ねが今現在にある。その経験もあるし…負けてらんない。いや、負けるわけがない。
 
──2人とも負けず嫌いですよね。
 
herAx:負けず嫌いかぁ…。
 
GG:俺はそんなことないよ(笑)。
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