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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ロットングラフティー(2005年3月号)- キッズ秒殺!! キッズ瞬殺!!

キッズ秒殺!! キッズ瞬殺!!

2005.03.01

京都発ロットングラフティーここにあり!! 以前、『戦場のメリークリスマス』のテーマ曲を元に作った「悪巧み~Merry Christmas Mr. Lawrence」を放ち、シーンに衝撃を与えた京都発のロットングラフティーがニューアルバムをリリースします。次々と新しい音を吸収し、斬新な音楽を作り出す彼ら。今回、サウンドもますます進化させ、"史上最も勢いのあるアルバム"『えきさぴこ』が完成した。黒スーツを身にまとった、やんちゃな"古都のドブネズミ"が2005年も暴れまくること間違いなし!! そして今回とにかく気になっていたところ、『えきさぴこ』って何? という質問から始まったインタビュー。メンバーを代表してN∀OKIさんが答えてくれました。かなりオモシロイインタビューになりました。(text:やまだともこ)

『えきさぴこ』から何かの縁で人と繋がりあうこと

──3/9にフルアルバム『えきさぴこ』をリリースされますが、まず、この『えきさぴこ』ってどういう意味ですか?
 
N∀OKI:意志と意識の原子核の集合体です。
 
──このアルバムタイトルをつけようと思った理由を聞かせて下さい。
 
N∀OKI:この作品を創る途中に、今回はただならぬ個々の意識と意志、今まで以上に消えない死なない作品を創りあげるという気持ちを感じて、それからゲストミュージシャン・スタッフ・理解者・協力者・この作品に関わったみんな、そしてこれから関わるリスナー。まだ俺達の事を全く知らない人達に、無意識から『えきさぴこ』が何かの縁で届いた方に意識が意志を芽生えさし、それがどんどん広がり集まり繋がる事を信じ決めました。
 
──なるほど。ではこのジャケットなんですが、すごくインパクトありますよね。これはメンバー皆さんのお顔を全部あわせて作られたデザインなんですか?
 
N∀OKI:そうですね。各メンバーのパーツが混ざりあい、また別のものが出来る。ある意味ロットンを音じゃなく、1つの絵にしたらこれなんかな…。
 
──ところで、M-9の『零戦SOUNDSYSTEM』は、オモシロイ音作りになっていると思いましたが、全曲、タイトル含め気になるところが多かったので、タイトルや曲解説をしていただきたいです。私としては『23 4524412639』が特に気になっているんですが…。では1曲目から御願いします。
 
01. えきさぴこ
N∀OKI:オープニングSE的な今から正に作品に引き込む宇宙から地球へ地球からみんなのスピーカーへ、バンちゃん(FU-TEN)のMCとKAZUOMI(G)とKEN(コーガニズムオーケストラ)のトラックが見事に混ざり合い始まりが始まる為の1曲ですね。
 
02. 更生
N∀OKI:オープニングからの入りが絶妙です。NOBUYA(G)が初めて1人で歌詞を書き上げた作品。ストレートで王道なロットンを感じられます。素直にいい曲ですよ。要所要所に新しい切口が覗けます。アルバムを創るにあたり最初にKAZUOMIからあがった曲です。ライブが楽しみやなー。
 
03. RATMAN
N∀OKI:PVにもなった窓口の広いナンバー。頭のヘビィなリフから一気に駆け抜けます。マキシマムザホルモンのナオちゃんの遅れてきた抜群のアイドル声から絡みつき突きさすROTTE'NROLL。今だからこそ生まれた楽曲や思います
 
04. DISCREAM←→DAYSCREAM
N∀OKI:変則的なブレイクビーツからスペーシーなリフ。Aメロの16を真ん中でバッサリVoで割り、俺とNOBUYAの小節の埋め方と世界観が対照的でかなり遊んでます(笑)。DISってのは誹謗中傷のことで、余り綺麗な言葉じゃ無いのですが、纏わりつくクリームの様な汚い言葉、自身の純粋からくる不満と日々自身の前向きな叫びで審判が下り、無駄 ・無意味を重ねて先を切り開けって歌です。
 
05. 23 4524412639
N∀OKI:ほんまに根元のコンセプトからNOBUYAと幾度となく擦り合わせたもので、大きい意味「23」はロットン自身の事を歌ってます。何度も歌詞を練りこみ完成までかなり時間を費やしました。このアルバムの中で一番色々な意味で振り切れた楽曲です。歌いあげるという挑戦的な部分もあります。
 
06. Bubble Bobble Bowl
N∀OKI:ロットン流のダンスホール。正直みんなで歌うことや合唱することで共有する楽曲が今まで無かったので、アホなって好きな様に歌え踊れ騒げってな感じです。テーマは祭から血祭りへ。笑声を出す出さないじゃなく、出そうって気持ちがその場所や時間、それぞれみんなの記憶に残れば嬉しいなと。みんなで創った泡が弾けてデッカク騒いでけや万歳。
 
07. GRIND☆VIBES
N∀OKI:これはかなり早い時期から俺自身暖めてました。3年前ぐらいからJAZZ・SOUL・FUNKにハマッテまして、気がついたら変なラテンな感じになってました。メロディは古臭い懐かしい歌謡な感じなんですが、緩やかに黒さとオレンジが抱き合ってます。Baの侑威地が急遽RECでフレットレスベースになり、かなり苦労してたのが印象的です。腰でGRIND、泳いでVIBES。現場で存分に熱くなって欲しいですね。
 
08. 音どもの家
N∀OKI:普段の生活から音楽をしてない人でも、音を出してたりする方が周りにいっぱいいて、結局ジャンル問わず集まるべくして集まってるんだなと、そう感じてこのタイトルにしました。気がついたらいつもの見慣れた顔。結局またお前らかみたいな。そして理解するまで問い続け追い続けて始まりが始まる。今回入ってる楽曲の中で一番安産でした。
 
09. 零戦SOUNDSYSTEM
N∀OKI:KAZUOMIが最初に持って来た時に、スタジオで合わせた1発目からほとんどメロディーラインは変わってないですね。純粋にかっこええ。ほんまにロットンでしか出来ない楽曲やと思います。ロットンの中で零戦ってのは凄い象徴的なものになってますし…。その世界観をグーンと深くしてくれた京都アンダーグランド界の住人・大東亜貧民解放戦線アルカイナ。ほんまオオキニって感じです。結局カッコイイか悪いかでのこれは音の真剣勝負です。
 
10. 独奏グラフィズム
N∀OKI:ロットン始まって以来のヘビィな楽曲で、従来のロットンから更に深化した激情かつGOODメロディ。LIVE感と楽曲の持つ世界観をゲストボーカルのジェイシーが色づけし、混沌と調和、濃厚な主張全て飲み込む勢い燃焼型。前回のツアータイトルから名づけました。毒をコーティングして純粋を吐く俺達の進む先はゴール無きチェッカーフラッグ。GUIDANCE。
 
11. エレベイター
N∀OKI:ラストはノリ1発録りでした。かなり早い時期からあった曲です。最後は投げ散らかして衝動のまま終わりに向かう。上がるのも下がるのも自分の意志と行動次第。全身全霊で前を抉じ開ければ自ずと昇れるって歌です。繰り返して繰り出そう!!!!!!! という感じですね。
 
──濃いですねー。確かに今回フルアルバムということもあったんですが、ロットングラフティー濃縮100%という程の勢いある作品になっていると思ったんですよ。ゲストミュージシャンも大勢迎えられていて、濃すぎる程のロットンワールドだなと感じる作品でした。では、今回のアルバムはどんなコンセプトの元で作られたんですか?
 
N∀OKI:取り敢えず前作よりROCK且つシンプルなアルバム。濃度は濃密。
 
──レコーディングにはどれぐらいの期間を費やされました?
 
N∀OKI:約9ヶ月です。
 
──けっこう長い時間をかけたんですね。では、このアルバムを作る上で、新しく得たことはありましたか?
 
N∀OKI:個人個人とバンドでの絶対に乗り越えなければ行けない問題に立ち向かうタフさ。正念場を楽しめる様になりました。
 
──逆にものすごく苦労したという点がありましたら…。
 
N∀OKI:後半の追い込みと過密なスケジュールを掻い潜っての作業。ホンマによう間に合った(苦笑)。
 
──レコーディングで、特に力を注いだというところはどんなところですか?
 
N∀OKI:作品全体のバランスと楽曲の持つ世界観。音を詰め込み過ぎない引き算。
 
──ところで今回もIKUZONE氏(Dragon Ash)と共同プロデュースされたということなんですが、IKUZONE氏と共同で作業することによって、新たなロットングラフティーを見つけることができました?
 
N∀OKI:毎回着実に成長してはいるんですが、まだまだ足りない点も必ず見つかります。
 
──では、今回レコーディングをしていたときに、オモシロ事件やハプニング等ありましたら聞かせて下さい。
 
N∀OKI:侑威地がIKUZONE氏に借りたアンプ爆裂。幽霊来襲。KAZUOMI東京難民。
 
──思っていた以上にハプニング続出ですね(苦笑)。ロットングラフティーさんにとって、ライブとレコーディングの大きな違いって何ですか?
 
N∀OKI:どちらもINPUT OUTPUTの作業なんですが、ライブは衝動的、RECは構築的ということですね。
 
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