メジャー復帰作『握拳と寒椿』から僅か4ヵ月で早くも"花と漢"シリーズ後編にあたる新作『桜吹雪と男呼唄』を発表する怒髪天。去年の夏から立て続けにシングルを3枚発表し、1年5ヵ月振りに4枚目のフル・アルバム『ヘッドフォンチルドレン』をリリースするバックホーン。3年前に新宿ロフトで行われた怒髪天企画"トーキョーブラッサム vol.8 ~人釣漁船慟哭丸~"でも共演を果たした両バンドの平均年齢差、実に12.5歳。軽く干支が一周しようが、将司くんと坂さんが並ぶとまるで父と子のように見えようが、ありったけの人間力を滾らせて真っ直ぐ真摯な歌を聴かせる両者の姿勢には何の隔たりもない。奇しくも同時期に新作を発表するのを記念して、Rooftopが満を持してお届けするフィーリング・カップル4対4爆笑鼎談!
対バンが怒髪天とラフィンノーズって聞いて “殺されるのかな?”って思った(松田)
山田将司×増子直純
──そもそも、両バンドの初対面はいつ頃でしたっけ?
清水:俺と栄純は、怒髪天が再結成してすぐぐらいの時に呑み屋で会った。
菅波:あの日は西荻ワッツでライヴをやって。呑み屋に入って“あれ、見たことある人!”と思ったら、清水さんと吉野(寿/eastern youth)さんが呑んでて。「あの、すいません!」って話しかけたら…。
清水:「いいからここで呑めよ!」って(笑)。 増子:ただの酔っぱらいじゃん!
──シミさんはその時、バックホーンの存在は知ってたんですか?
清水:…知らない(笑)。
増子:シミが知ってるわけがない(笑)。
菅波:増子さんとは…ナートとやった時(スペースシャワー列伝 第一巻~桜の宴~)の打ち上げが花見で、その時のことを凄い覚えてる。
増子:そういえば俺、ライヴには出てないけど花見には行ったなぁ(笑)。
菅波:俺がちょうど凄く悩んでた時期で。その時に居合わせた増子さんに「あんまり考えすぎないで、いい曲を作ることだけ考えてればいい」って言われて。“あぁ、一生懸命やるっぺ!”って
思いました。
増子:今の話を聞くと、バックホーンのファンには感謝してもらわないと困るねぇ(笑)。
菅波:ははは。そうですね。もしかしたらそれ以降、曲が出てなかったかもしれないですから(笑)。
増子:次のアルバムが出るのも、ちょっとは俺の助言もあるわけだから! ファンの子の何割かは怒髪天のライヴへ来る義務があるよ!(笑)
一同:笑
増子:でもさ、俺らがバックホーンを観た時、かなり衝撃受けたよ! 久々に自分達と近いバンドを観たからね。
──初めて共演したのは、2000年8月に下北沢CLUB Queで行われた“Discovery Japan vol.3”でしたよね。
松田:そうです! 最初、対バンが怒髪天とラフィンノーズって聞いた時に“こりゃ、殺されるのかな? なんかの呼び出しかな?”って(笑)。
一同:大爆笑
増子:そりゃ、認識が間違ってるから(笑)。
菅波:その時に初めて怒髪天を観ましたね。
増子:当時、バックホーンは暗い曲が多かったよな
菅波:そうですね。
増子:それはそれで良かったんだよ。言うなれば“バックホーンの青の時代”だな! …ってなんで俺が勝手に命名してんだよ(笑)。で、またさ、バックホーンはライヴの時の顔がいいんだよ。将司も写 真で観たら普通にカッコイイのに、唄ってる時はもの凄い形相になってるからね(笑)。
松田:怒髪天の皆さんも、ライヴの時はなんであんな顔の形になるのかな? って(笑)。要は必死こいてやっていたら、顔は表情を超えてしまってるわけなんですけど。
増子:イタイ感じのね(笑)。
松田:そこまでイってる顔の人って、あんまり見ないですからね。
増子:オリンピックとか観てると、凄い顔して走ったりしてるじゃない? それと同じだよ。
松田:そうですね。俺らも顔なんて構ってられないし、人間必死になったらそうですよね。