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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】バルザック(2005年2月号)- さらに己の道を突き進む、孤高のホラー・パンク・バンド!

さらに己の道を突き進む、孤高のホラー・パンク・バンド!

2005.02.01

ここに来て凄くバンド感が音として表現できるようになった

──今回の2作品のレコーディングはどうでしたか?
 
HIROSUKE:レコーディング自体は、難航はしましたけど、今回ヨーロッパやアメリカで経験したことが、それぞれの演奏する姿勢に反映されて、初心に戻ったというか......。ドラムのTAKAYUKIは、自分で打ち込んだり、エディットしたりとか、プログラムをしたり、やることが楽しい次元にまでできるという。自分で思い描いていることが少しずつ表現できるようになってきましたね。
 
──海外でさらに経験値が上がって、よりバンド感が出ているのかなと思いましたが。気持ち的にも違ったのかなと。
 
HIROSUKE:そんなに意識はしていないですけど、一生懸命さが出ているかもしれませんね。
 
AKIO:海外でずっと過酷な状況でやってきて、毎日毎日ライヴしてたし、その直後にレコーディングをやったんで、何も考えずにというと変ですけど、純粋に素でできたかなと。悩むところは悩みましたけど、でも思ったようにできたというか。
 
──ATSUSHIさんはどうですか?
 
ATSUSHI:もちろんヨーロッパでのライヴの影響はあると思います。ここに来て凄くバンド感が音として表現できるようになったというか。いつもの
バルザックらしさは、聴いていただいた方には感じていただけると思うんですけど。それとは違ったところで、違ったバランスというか、リラックスした演奏というか。単純にストレスがないです。それぞれのパートがはっきり聴こえてくるというか、それぞれが持っているドライヴ感やスピード感が出たスタイルに自然になってきたという。
 
──ギター・プレイ的にはどうですか?
 
ATSUSHI:さっきAKIOが言ったように、悩むところはいつも悩んでますけど。でも今4人でやればこうなるっていうスタイルは、それぞれが充分熟知しているので、それがあるからこそ、もっと細かいところに気を配ってできました。プレイ云々は、言うと切りがないので(笑)。
 
──今回のミニ・アルバムは丸尾末広さんがジャケットの絵を手掛けられましたが、かなりバルザックのイメージを投影したジャケットですよね。
 
HIROSUKE:そうですね。『全能ナル無数ノ眼ハ死ヲ指サス』でも描いていただいたんですけど、もう一度描いていただきたいと思いまして......。“できることなら、キャラクターの紙袋男を描いてもらえたら最高なんですけどね”とレーベルの担当マネージャーに話したら、“ダメもとでお願いしてみますよ”と。実際にはお任せで、出来るまで判らなかったんですけど、上がった絵を見たら、描いていただいて。可愛いなと。愛着が湧きますね。色もバルザックのカラーの黒と赤が象徴されている絵で。描いてもらえることだけでも嬉しいのに......ホント素敵な絵だと思います。
 

海外の過酷な環境でやると初心に戻った

──作品の話からまた戻るんですけど、アメリカやヨーロッパでリリースやツアーをやったり、この数年でワールドワイドな活動へ広がったと思いますが、その広がり方について、お聞きしたいんですけど。
 
HIROSUKE:毎回思うんですけど、海外でも日本でやってきたことをただ向こうでやっているに過ぎないし。当然日本のほうが環境が良かったり、機材が良かったり、状況が良かったりするんですけど、あえて向こうに行って、過酷な状況でやったりすると、余計に日本でやってきたことをやるだけなんですよね。海外の過酷な環境でやると初心に戻ったというか。そういうことを感じたり。いざ必要な機材がない状況でいったいどう演奏するのかとなると、純粋に演奏するしかないし、曲を知らない人に何を演奏するんだというと、一生懸命やるしかないし。そんなことなんですよね。その感覚で日本に帰ってくるから、帰国後一発目のライヴは凄く良いんですよ。
 
──精神的にも体力的にもタフにならざるを得ないですよね。スケジュールを見るとホント過密で過酷ですし。
 
ATSUSHI:精神的、体力的には、少々しんどい思いはしましたけど、やっぱりロックをやってて、アメリカのロックだったり、ヨーロッパのロックに憧れてやってきたというのがありましたので、どちらも行ってその空気に触れて体感できたというのが刺激になりました。と同時に、コンプレックスも感じましたけど。大げさな話かもしれないですけど、ロックは、もともと日本にはなかったでしょうし、そのロックを聴いて憧れてやっていることに対してのコンプレックスというか。でも、アメリカもヨーロッパも行って思ったのは、コンプレックスはコンプレックスのままでいいのかなと。それはどうしようもないことだと思うし。そういう部分でいい勉強になりましたし、決してかぶれてきた訳でもないし。それを踏まえて落ち着いてできるかなという気がします。
 
──毎日のようにライヴをやっていて、アクシデントはありませんでしたか?
 
HIROSUKE:アクシデントと言えば、この人(TAKAYUKI)ですからね(笑)。
 
TAKAYUKI:ドイツだったんですけど、ライヴ終わった後に酸欠で倒れてしまって......。換気が全くなかったんですよ(笑)。いるだけでしんどい状況で。
 
HIROSUKE:ぶっ倒れましたけど、次の日には復活してましたけどね。
 
──この4人とスタッフとが1ヵ月半もずっと共にするツアーで、時にはピリピリした状況にもなったんではないですか?
 
HIROSUKE:みんなどこかでストレスが溜って。誰かが原因とかではなくて、例えば、寝るところがすごく汚いとだんだん気が滅入って雰囲気も悪くなるし。食べ物も毎日同じような芋ばっかりだったりで。ビフテキを毎日食べる訳にはいかないじゃないですか。ソーセージが旨いからって、1週間ソーセージを食べ続けるのはどうかなと思いますし。AKIOのように何でも旨いって言える人はいいですけど(笑)、やっぱりしんどくなってくるんですよ。そういう時にちょうど、炊飯器を手に入れまして、お米を40kg買って、PAの石川くんがリハ終わると米を研いて、ライヴ始まる直前に“炊飯”って押して、ライヴ終わったら炊けてるという(笑)。ご飯があれば、全然違いますよ。おかずは、卵を買って、生卵かけご飯にしたり。
 
ATSUSHI:卵かけご飯を向こうの人に勧めてきました。気に入って食べる人もいましたよ。
 
HIROSUKE:タバスコかけたりして邪道なことされて、ちょっとムカついたりもしたんですけど(笑)。
 
──今後も海外へは行かれるんですか?
 
HIROSUKE:実際、向こうの人は“今回のツアーは成功だったから、またすぐに来るべきだ”って言うんですけど、しょっちゅう行けるところではないし。“来るんだったら、1ヵ月は回れ”って言われるし。行きたいっていう気持ちはあるんですけど......。日本はライヴ決まるの早いじゃないですか。半年、下手したら1年先のライヴ・スケジュールを押さえるってありますけど、向こうは、フランクフルト空港に着いた時点でまだ決まっていない会場がありましたから。この日僕達どこ行くんだろう? って(笑)。決まるのが遅いという。そこが日本と違うところですね。機会があれば是非行きたいと思ってはいるんですけど。行ったことのない国にも行きたいですね。アジアにも行ってみたいです。それを言えば日本でも行ったことのない県がありますからね。国内外問わず行ったことのないところへは行ってみたいですね。
 

今まで一歩ずつ進んできたという意識が強いですね

──最後に、シングルの3曲目の「HORRORWOOD」は、1stアルバム『THE LAST MEN ON EARTH』にも収録されていますが、ちょうどその1stアルバムがリリースされて、今年で10周年なんですよね。改めて振り返ってみるとどうですか?
 
HIROSUKE:今、初めて気がついた(笑)。あっという間ですよね、本当に。10年前ってなぁ......。
 
──10年前と変わらない部分もあるんでしょうし、成長したり変化したりした部分もあると思うんですが......。
 
HIROSUKE:日に日に得るものがあるから進歩して当然だし。10年前よりバンド自体が進化したと思うし、その間にメンバーが入れ替わったりもしたし、新しいメンバーが入ることで、さらに進化したと思うし。改めて思うと、もの凄く一瞬だったように感じます。それは、いい意味で充実しているからだと思います。
 
──AKIOさんは、10年前はバルザックのファンだったんじゃないですか?
 
AKIO:そうですね。メンバーになるなんて想像もつかなかったですね。
 
HIROSUKE:覚えてますもんね。当時、人懐っこい子やなと思ってまして、今とあんまり変わってないですね。
 
──ライヴでは、前のほうで暴れてたんじゃないですか?
 
AKIO:そうですね。昔、そんな時期がありましたね(笑)。
 
──ATSUSHIさんは、当時からのメンバーでしたが、いかがですか?
 
ATSUSHI:今、このような場を設けていただいていることすらも、当時は想像もしてなかったし。この先もどうなるか判らないし、そこが楽しいと思いますよ。
 
──ホント、あっと言う間ですよね。
 
HIROSUKE:そうですよね。こういうことしたいとか、ああいうことしたいとかはずっとありましたけど、コツコツやってきたから、ここにたどり着いた感はもの凄くあって。今まで一歩ずつ進んできたという意識が強いですね。自分たちにとっては、その一歩一歩が重要だと思ってバンドを続けてますね。
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