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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】bloodthirsty butchers × the band apart(2004年11月号)- 決死の"日の丸"ツアー敢行します!

決死の“日の丸”ツアー敢行します!

2004.11.01

 もはや鼻血を出さずにはいられない夢のようなツアーが決定! 一言でいうと重戦車、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスに向かうところ敵なしのbloodthirsty butchersと、あらゆるジャンルを貪欲に呑み込み進化を続けるthe band apart。一見、フィールドの異なるバンド同士と思われそうだがそうじゃなかった。両バンドの中に存在する強いリスペクトの念が今回のツアー実現に至るまでの鍵。+/-{Plus/Minus}、mock orangeという両者が呼び合う海外アーティストの来日参戦も今回のツアーにおける大きな見所のひとつであり、新しい挑戦でもある。実はこのインタビューが両バンドのメンバー全員が顔を合わせた初の機会だったという驚きの事実もありましたが、夢のツアー・スタート前日のぎこちない対談をご堪能下さい!(interview:加藤恵美子)

体感的には何もしていないのに…っていう“棚ぼた的”な感じがしました。

──今回、ブッチャーズの“official bootleg vol.004”とバンド・アパートの“smooth like butter”のWネーム・ツアーが実現するわけですが…この対談で初顔合わせの方もいるんですか?
 
木暮:はい。
 
──まず、ツアー実現に至るまでの経緯を教えて下さい。
 
吉村:僕が中込の姉ちゃん(音楽ライターの中込智子氏)に紹介されて彼らと会って、その後何度か打ち上げに参加したことから交流が始まりましたね。今回のWネーム・ツアーはですね、実は最初お互い同時期にツアーを企画していて、僕らがツアーする時に誰かいないかなぁと思ってバンド・アパートを誘ったんですけど、その時は「僕らもツアーがあるんで…」と言われたんです。じゃあその中でも何度か一緒にライヴができないかと交渉したところ、明日のツアー初日、仙台が実現しました[註:インタビューはその前日の10月19日に行われた]。バンド・アパートのほうもmock orangeというバンドを呼んで、僕らのほうも+/-を呼ぶ。お互い外人を呼んで一緒に回ろうってことになったんです。いろいろあって結局、一緒でいいんじゃないか? って、最後は話が“キュッ”とまとまりました(笑)。ぶっちゃけ一緒でいいんじゃないか、ってことで(笑)。とにかくこのツアーは最初から判っている…赤字ツアー決行ですね。決行します!
 
全員:(笑)
 
──最初から赤字が見えているんですか(笑)。
 
吉村:見えてますね。それを決行します!
 
小松:一応、途中で黒字ツアーに変わる予定なんですけど…
 
吉村:Tシャツがどんどんどんどん売れるとか。どう考えても岡山とか行って黒字になることは絶対あり得ないですから。
 
全員:(笑)
 
吉村:(岡山は)ペパーランドですから。入る限界がありますからね。黒字にする為にはとにかく決行しますんで! このツアーの見所としては、僕らだけじゃなく、ギターバンド・ファンやエモなファンの人達にmock orangeや+/-も是非観て欲しいですね。
 
木暮:そう、吉村さんが何回かウチらのライヴに来てくれたのがこのツアーのきっかけで。ブッチャーズの皆さんとは一応、今日が初対面 で…CDはもちろん聴いていましたけど。今回のツアーは「誘ってもらっていいんすか?」って感じでしたね。
 
吉村:ドラムセットは買ったの?
 
木暮:まだです。
 
荒井:吉村さんに今説明して頂いたみたいに、ツアーに至るまでが凄い早かったんですよ。っていうか…いきなりブッチャーズ・サイドからツアーに誘って頂いたとスタッフから聞かされて、それも+/-まで一緒だっていう…まるで嘘のような話でしたね。僕自身、+/-が凄く好きで、CDも買って聴いていたんですよ。そこから数ヵ月のスパンで決まりましたからね。あれよあれよとTシャツが出来たり、チラシが出来ていたり、話がどんどん進んでいる感じで。ブッチャーズとの共演は念願叶って…という感じはもちろんありますけど、僕の体感的には何もしていないのに…っていう“棚ぼた的”な感じがしました。
 
原:まぁその…月並みなことを言いますと、このツアーで仲良くして頂けたらなと。
 
全員:(笑)
 
原:あまり知り合いのバンドが多いほうではないので…これを機に仲良くして頂けたらと思います(笑)。
 
 

言葉的解釈は取り除いて楽しんでほしい

──読者も気になっていると思うんですが、今回のツアーでブッチャーズが誘っている+/-はどんなバンドなんですか?
 
吉村:一言で言うならギター・バンドですね。これも話すと短いような、長いような……ジェイムスというギタリストが凄く好きで、VERSUSっていうバンドに在籍していたんです。日本に来て欲しくて、兼ねてからから人づてにコンタクトを取っていたんです。去年、一昨年は難しかったんで、じゃあ今年は、来年は…っていう話をしているうちに、VERSUSが活動停止ということになってしまって。でもジェイムスが本体とは別 に+/-を同時進行で活動していたんですよ。VERSUSの面影もあり、自然に聴けましたね。コンタクトを取っているうちに+/-の日本盤の音源が出まして(『YOU ARE HERE』)、それを偶然にも知り合いが出していまして、そのタイミングでツアーを一緒にしようとお互い意気投合して実現しましたね。僕の念願が叶いまして…バンドの説明にはなっていないと思うんですけど。
 
──とにかく観逃せないぞ、と。
 
吉村:そうですね。実は僕ら自身も+/-のライヴをまだ観たことがないんです。誰よりも自分達が一番観たいなぁと思って。
 
──+/-は今回が初来日なんですか?
 
吉村:多分そうですね。サポート・ギターとしては地味に来ているみたいですが、凄いマイナーなことには間違いないですよ。でも良いです。上手いところを衝いてるっていうか。
 
──対するバンド・アパートが誘っているmock orangeはどんなバンドですか?
 
木暮:去年、僕らがアルバムを出した時に呼んだんですけど、ギター中心のバンドで、去年アメリカのレーベルに移ってから音楽性が凄く変わったんですよ。メタル解釈のメロコアを通 っているギター・バンドみたいな感じで、音楽性はアメリカン・ロックのルーツに帰りつつ、持ち味を存分に発揮してますね。ハッとする展開とかがあって、それは聴かないと判らないですね。去年、来日した時にスゲェ馬鹿だってことが判って(笑)、もっと気むずかしい感じのシャイな集まりだと思っていたんですけど、ただの酒飲みでしたね(笑)。凄く仲良くなって「今年も来なよ」って誘って。結構、日本で優しくしてあげたんで、楽しいと思ったのかもしれないですね(笑)。
 
──バンド・アパートの皆さんが所属しているレーベル“asian gothic”から音源が出る予定なんですよね。
 
木暮:そうですね。今年中には出せると思います。
 
──お互いリスペクトし合う外国のバンドも参加して、まさに夢の共演ですね。
 
吉村:決して有名ではないですから、そこ(+/-とmock orangeの名前)をかなり強く出して下さいっていう気持ちですね。説明するのは難しいんですけど、言葉的解釈は取り除いて楽しんでもらいたくて、こういう形のツアーにしました。
 
──それぞれが外国のバンドを呼んでツアーをする形態は珍しいですよね。
 
吉村:なかなか出来ないと思います。何せ赤字ツアーですから(笑)。
 
──(笑)。このツアーに際してTシャツを作るそうですが、デザインはもう決まっているんですか?
 
吉村:うん、中尾憲太郎君がデザインしてくれています。とりあえず買ってくれ! って感じです。デザイン、バンド云々より、精神的にはボランティアでもいいから買ってくれ! って感じですね。
 
小松:まぁ、チャリティだね(笑)。
 
吉村:(笑)。ある意味、それでもいいから1人1枚消化してって欲しいね。強制参加っていうか。
 
小松:そしたらツアー6ヵ所が12ヵ所くらいにはなるかもしれない。
 
吉村:本音そんな感じですね。でも、赤字、赤字って言ってますけど、こっちは楽しいと思って前向きな形で実現します。小さい所から大きい所まで行きます。大阪はACIDMANとか東京はLO-LITE、HUSKING BEEとかみんな協力してくれますんで、是非とも1人1枚Tシャツを買って下さい。人数的には無理なところもあるんで…絶対に赤なんで…いろいろあるじゃないですか?
 
──この対談を読んだ人が“Tシャツ買わなきゃ”って思うかもしれないですしね。
 
吉村:そうですね。「あっ! 僕もTシャツ買おう!!」って(笑)。そう思ってもらったら本望です。そのTシャツは原宿で売ってるやつみたいだけど。
 
全員:(笑)
 
田渕:おっしゃれ~。
 
全員:(爆笑)
 
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