Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】クボケンジ(メレンゲ)×志村正彦(フジファブリック) (2004年10月号)- 新宿ロフトで出会い、ともに"SONG-CRUX"卒業生の2人が語る内なる"ロック"的なもの

新宿ロフトで出会い、ともに"SONG-CRUX"卒業生の2人が語る内なる"ロック"的なもの

2004.11.01

音楽は辞められないと感じられたことがロックだな、と

──ロックを感じるCDを挙げてもらいましたが、例えば自分のなかでロックを感じる人っている?
 
志村:いっぱいいますよ。
 
クボ:僕はね、エレカシの宮本(浩次)さん。オーラが出ている。
 
志村:自分の生き様、人生を懸けて何かをやる、みたいな…。
 
クボ:次、生まれ変わったらああいう人になれたらなって思う。
 
──ちなみにエレカシは聴いていたの?
 
クボ:初期とか、特に聴いていました。
 
志村:エレカシは、クボさんに教えてもらって聴くようになった。エレカシは100%本当のことしか唄わないじゃないですか? どんな姿でも、本当の自分を出さなきゃいられない、みたいな。そんなところがロックな人だなぁと。出さなきゃ死んでしまう、みたいな。
 
クボ:今年の初めに観に行ったエレカシの宮本さんの弾き語りライヴが凄かった。エレキで弾き語りしていたから。ロックだなぁと。歌詞とかも強烈だし。嘘がないよね。
 
──志村君は?
 
志村:僕は原 辰徳です。ジャイアンツの枠のなかで4番のプレッシャーだったりとか、伝統ある球団のなかで葛藤があって。4番らしくいろいろと頑張るんですけど、引退試合にホームランを打って終わるという原 辰徳は伝説の人だなぁと。伝説と言えば長嶋(茂雄)さんかと思うんですけど、庶民派の僕としてはやはり原 辰徳かな、と(笑)。
 
クボ:あとね、僕は田代まさしはロックだなぁって思いますよ(笑)。
 
志村:あの人はロックですね~(笑)。
 
クボ:懲りない人ってロックだと思うんですよ。あれだけ捕まってもね、またやるから。普通の人だったら懲りるでしょ? だからよくできるなぁって(笑)。
 
志村:サッカーの中田(英寿)もロックだなって感じるんですよね。やっぱり自分で新しいところに切り口を入れようとする人ってロックだなって感じるんですよ。発進力とか凄くて、ロックだなって感じますね。
 
──日々生きてて、自分自身が“ロックだな~”って感じる瞬間ってある?
 
志村:学生の頃は冴えなくて、引きの感じなんですよ。いろんな人に憧れてばかりで。でも、僕はバンドをやり始めて、曲を作っていく上で“いい”って言ってくれる人がいて、プラス思考になって。それで、音楽は辞められないなって思った。自分のなかでそういったことを感じられたことがロックだなって。音楽人生、みたいな。
 
クボ:恰好良くないことだけど、僕、凄く金遣いが荒いなって思うことがある。例えば楽器や機材とか、後先考えずに買ってしまったりとか。スロットとかでお金を使ってしまったり。気付いたら“どうしよう~”みたいな(笑)。
 
志村:そういうの重要ですよ。思い込んだら突っ走る、みたいな。
 
クボ:悪ノリができる人っていいよね。音楽もそういったノリでやっているものに惹かれるなぁ…。
 
志村:凄い優等生がやっている音楽と、どうしようもない人生を送っている人がやる音楽とでは、どうしようもないほうに惹かれるよね。
 
クボ:そうだね。何か判るんだよね、ライヴを観ていると。普通に良い音楽をやっていても、“コイツ絶対ヤバイわ…”とか。
 
志村:自分が曲を作っていても、自分が騒ぎ出してないものはやらないですもん。
 
クボ:あとね、NATSUMENのASEさんもロックを感じるね。普段、なよなよ喋っていても、ステージに立った瞬間にスイッチを変えられる。
 
志村:うん、ASEさんは類い稀なロッカーだと思う」。
 
クボ:だって、本当にステージに立った瞬間何するか判らないからね(笑)。
 
志村:演奏していて、ギターのストラップが首に絡まって終了とか(笑)、ステージ上でビールこぼして、感電して終了とか(笑)。
 
クボ:でも普段は照れ屋でね。“えっ? 何であんなに変われるのかな!?”って。それに凄い憧れます。
 
志村:ステージに立った瞬間に何か“ボン”と出るものがあって。いつもは出ない何かが出るものがあって。観る人はそういった人に興味ありますね。
 
──最近、同世代でそこまでの凄さを持ったロックの人って思えば少ないよね。
 
クボ:突出したものは少ないのかな? って思うことはあるよね。
 
志村:同世代だとアナログフィッシュとか。
 
クボ:そうだね、凄いものを感じる。
 
──若い世代だと、そこまでスイッチが入る人が少ない分、親しみやすさが全面に出ている人が多いよね。
 
クボ:女性だったら誰かな?
 
志村:女性だったら、戸川 純さんとか…。
 
クボ:そう言えば、志村君はAMADORI好きだよね?
 
志村:あの人は凄いです。ヒリヒリしますね。初めて聴いた時はびっくりしました」。
 
クボ:でも普段は、わりと普通なんだよね。
 
このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻