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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】クボケンジ(メレンゲ)×志村正彦(フジファブリック) (2004年10月号)- 新宿ロフトで出会い、ともに"SONG-CRUX"卒業生の2人が語る内なる"ロック"的なもの

新宿ロフトで出会い、ともに"SONG-CRUX"卒業生の2人が語る内なる"ロック"的なもの

2004.11.01

 『Rooftop』読者の皆様ならご存知の方がほとんどかと思いますが、ロフト・グループが運営しているレーベル"SONG-CRUX"出身アーティストでもあるメレンゲとフジファブリック。そして、プライベートでも仲が良い2人を引き合わせたのも何とここ新宿ロフトなんです。皆さん知っていましたか? この2つのバンドと出会って私も早3年。出会った当初は人の顔もまともに見えないくらい内向的だったのに、本当によくぞここまで成長したものだ(笑)。
 今回は、ロフトとは切っても切れない"ロック"をテーマに、両バンドのヴォーカリストに大いに語ってもらいましたの巻~。(interview:Hiroko Higuchi*)

1曲の一瞬でも、ヤバイものがあるものに惹かれる

──今回は“ロック”というお題のもと、対談を行ないたいと思います。早速、持参してくれたロックを感じるCD3枚について、各1枚ずつコメントを添えて紹介して頂きたいです。
 
クボ:まず僕は、メレンゲが影響を受けたウィーザー。これはね、泣きのロックです。日本人にも通 じるメロディを持った曲をやっているなぁと。
 
──ウィーザーのどんな作品ですか?
 
クボ:これはこのバンドのファーストなんですけど。これはね、とにかくよく聴いていたので持ってきました。
 
──これを手にしたきっかけは何だったの?
 
クボ:当時、UKロックが流行っていた頃で。アメリカのバンドなんだけど、UKモノにも通じるところもあって。 ジャケ買いしたんだけど、これはもう名盤中の名盤。
 
志村:メレンゲとちょっと通じるものがありますよね。
 
クボ:ウィーザーを聴くと“あ~好きなんだなぁ”って判ると思いますよ。
 
──では、志村君の3枚は?
 
志村:荒井由実の『ひこうき雲』です。
 
──これはいつ頃手にしたの?
 
志村:2~3年前です。比較的最近なんですよ。曲が良いのはもちろんなんですけど、バックの演奏とか凄いんですよね~。
 
クボ:何気に凄いよね。
 
志村:バックがティン・パン・アレーなんですよね。凄いファンキーなんです。あと、少女が思ったことを真剣にやっている気がして。そういうの凄い好きだなぁって。
 
クボ:女の子しか判らない世界っていいよね。
 
──では、2枚目を紹介して下さい。
 
クボ:これは10代の頃に唯一聴いたメタル・バンド、アングラです(笑)。ブラジルの人なんですけど、もうね、びっくりするくらいの泣きメロで。ブラジルの人って独自のポップ・センスを持っているから、とにかく何でもいろんな音を詰め込んでいるんです。影響を受けたというよりかは、笑っちゃうくらい“すげぇ~”って思った。
 
志村:文化的背景も関係するんだろうね。
 
クボ:季節感とかも凄く関係していると思うよ。イギリスはずっと天気が曇りがちだから、やっぱり抑揚がサビになっても来ないとか…。アメリカはカラッとしているから、カラっとした抜けた感じの音だったり。日本には四季があるから、侘び寂があるというか。気候が音楽に影響しているんじゃないかなって。
 
──志村君の2枚目は?
 
志村:フジファブリックからもブラジルのものを1枚挙げます。これはエドゥ・ロボっていう人の作品です。アルバム・タイトルも『エドゥ・ロボ』。この人はブラジル界のボサノヴァを作ったような人。これを聴くと凄い頭がおかしくなりますね。普通 のボサノヴァじゃない。僕はボサノヴァが好きなんですけど、ブラジル人がやるポップ・ミュージックが凄く大好きです。
 
──では、クボ君の3枚目は?
 
クボ:エルヴィス・コステロの『BRUTAL YOUTH』です。コステロのなかでもシュールなアルバム。歌詞も皮肉なことばかり唄っているけど、曲だけ聴くとめちゃくちゃキラキラしている。でもリズムの変わり方や楽器の使い方が凄い変態チックで。エルヴィス・コステロは、僕のなかで“メロディが良い”という印象があるけど、これを聴いて凄いロックだなぁと感じました。激しいだけがロックじゃないというのをコステロから教わりました。
 
──志村君の3枚目は?
 
志村:レッド・ツェッペリンの『PHYSICAL GRAFFITI』です。ツェッペリンの作品だったら何でも良かったんですけど。僕のなかのロック・スターというか、ロックはこうあるべきと教えてくれたのがツェッペリンなんですよ。こうして3枚並べてみると、聴くと頭をどこかへ連れていってくれるかのような音楽やバンドが好きですね。
 
クボ:うん、1曲の一瞬でも、ヤバイものがあるものに惹かれるよね。
 
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