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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】PEALOUT(2004年9月号)- 今宵限りの楽しみを自分らでもやりたいから

今宵限りの楽しみを自分らでもやりたいから

2004.09.01

3人組じゃなかったでしたっけ?

──ライブとレコーディングだとどちらが好きとかあるんですか?
 
岡崎:どっちかっていうとライブの方が楽しいよね。やっぱりあれに勝るものはないっすよね。
 
近藤:寝ている間にレコーディングが出来てるのがいいかな。寝てたらCDが出来てたっていう(笑)。
 
高橋:いつも思うんだよね、1日から始まると早く30日くらいの俺にならないかなみたいなことを。
 
岡崎:3人の中だとスタジオワークが好きなのは性格的には俺だと思う。楽しいもん、毎日レコーディングスタジオに行く車の中で“今日は何をやって何を やって”ってね。で、うまくいかないとガクーンと落ちるのね。毎日毎日。でも、うまくいったときグーンと上がるとまた嬉しくて。
 
高橋:レコーディングとかも好きなんだけど、俺落ち着きがないからダメなんだよね。すぐにどっか行きたくなっちゃうのがいけないんだろうな。小学校の頃 から落ち着きがないって書かれててそのまま来ちゃったから(笑)。
 
──ライブの形態は近藤くんのピアノの割合がどんどん増えているような気がするんだけど、ああいうスタイルっていつ頃からやっていったんですか? よく考 えたらありそうでないスタイルですよね。ピアノとドラムとベースとか。
 
岡崎:5年くらいだよね。でもきっかけはビートルズかな? ポールがピアノ弾いているのが。そういった感じで始めたと思う。
 
──それによって当然岡崎くんもギターをベースに持ち替える割合が増えてますが。
 
岡崎:うん、だからベースは勉強しつつ。最近ベースとギターのダブルネックを開発しようかなっていう(笑)。ステージとか俺と近藤でアンプ3台あるか ら、機材車とかパンパンだよ。
 
高橋:ライブの時ってライブハウスに機材のセット図を送るじゃん。あんまり知らない人とかには“3人組じゃなかったでしたっけ?”って言われる時がある。
 
岡崎:全く知らない人が見たらさ、ピアノしかやらない日はピアノバンドなんだって思っちゃうこともあるんじゃない? 逆にギターだけやってたら、まさかピ アノなんてやらないよって思うじゃん。だから時間が許す時は意地でも両方やったりとかしていたけど。
 
高橋:ほんとはね、それが一番いいと思うんだよね。どっちもライブとして成立できるから見せたいんだけどね。30分だと短いからなかなか難しいのよね。
 
──でも、そこがすごく面白いっていうか。いざライブになると近藤くんもしょっちゅうピアノの上に乗っかって、客をあおるし、客も嬉しくてガーッてなっ てて。ピアノであんなアグレッシブなバンドっていないよなって見てて思うんだけど。まぁ例えるならベン・フォールズ・ファイブがちょっとだけ近いかなって。
 
高橋:でもベン・フォールズよりははるかにハードだからね。あれ、もうちょっと脚光浴びてもいいんじゃないの? うちら(笑)。
 
──ドアーズとかも特殊な感じだけど、あそこはベースがいないんだよね。
 
高橋:でもドアーズがそこで脚光あびることはあんまりないよね。
 
──ない、実はベースいないって誰も言わないもんね。これは自然な流れなんですか? 近藤くんの中でどんどんピアノを弾いていきたいとか。
 
近藤:いや、最初は2、3曲しかなくて、“ワンマンだったら30分くらいピアノで出来たらいいね”って言ってたんだけど、イベントの時でもどんどんピアノが増えてきて。
 
岡崎:『原始進化』ってアルバムを出した頃からピアノがメインになってきて、00年のフジロックでライブをやった時、既にピアノに乗って雄叫びあげてた からね。あの頃からかな? ピアノをハードな方向に使いだしたのは。
 
高橋:ピアノに乗る前と乗った後で変わったのかもしれないね。
 
──やっぱあそこで変わったんだ。
 
高橋:いつ近藤くんのピアノがまっぷたつになって倒れる日が来るのかと……
 
岡崎:鍵盤はしょっちゅう壊しているから、ストック用意しているんだよ。段ボールの中に鍵盤いっぱい用意しておいて、自分で直しているんですよ。
 
近藤:一応ピアノが折れて倒れる時には一回転しようかなと思っているんですけど。
 
──(笑)。
 
高橋:いいね、それでぱっと立ったらかっこいいね(笑)。その時はドコドンッてやるから。
 
──やっぱりあおるじゃないけど、自分の盛り上がりみせるには、やっぱり乗っかるのが一番ね。
 
近藤:ピアノを買うときは叩いて堅さがどうかとか……
 
岡崎:耐久性だ。
 
高橋:乗って大丈夫かどうかというのが、いい機種かどうかっていう。でも多分、無意識に乗ってるんだろうからいいんじゃないかなって、いつも思うのね。 お客さんも上がるだろうし。俺が立っても目立たないんだもん、悔しいけどね。ピアノに立たれちゃうと、高いから。
 
──あとはぶっ壊すしかないもんね、ドラムセットをね。
 
高橋:割と俺物を大事にする方だから、できないんだよね(笑)。
 
──で、9/18から始まる『ROLLS NEVER END TOUR』なんですが、このシェルターとQUEで二日間っていうのは面白い試みというか。
 
岡崎:ギター・ピールアウトと、ピアノ・ピールアウトをとうとう分ける日が。
 
──あ、それで分けるの?ギター・ピールアウトはどっちなの?
 
岡崎:いやそれは…
 
近藤:当日までは分からない。
 
岡崎:今の時点では決まってないよね。
 
高橋:どっちかの時間が異様に短かったりしたら困るよね、足りないんじゃないかっていうね、いやでも大丈夫だと思うけど。
 
──やっぱりギター・ピールアウトの方がアグレッシブになっちゃうの?
 
岡崎:最近そうでもないんだよね、これが。
 
高橋:近藤くんがベーアンに乗るわけに行かないから、ピアノの上に乗れない分近藤くんはちょっと大人しいかもしれないね。
 
──でもこれは同じ下北だし、2Dayならではのちょっと面白いことが出来るかな? って。
 
近藤:曲も被らないから。
 
──大変だねー。そこから激ロックを挟んで、札幌、福岡とかに行って、その辺の構成はまだ決めてない?
 
岡崎:基本的には、アルバムだと思うんだけど、これに準じた過去の曲も、準じない過去の曲もいろいろやると思います。それぞれカラーを分けたいんで。あ んまり同じようなセットリストはないようにしたいなと。
 
高橋:前回のツアーは全部変えたからね。
 
岡崎:やっぱり今宵限りの楽しみを自分らでもやりたいから。同じセットってあんまり面白くないんだよ。極力分けたいな。
 
──ちょっと構成変えるとバランスも変わってくるから、セットリストはなるべく変えないっていうバンドもいたりするんだけど、どっちかっていったらセッ トリストもどんどん変えていきたいタイプ?
 
高橋:変な話毎回2曲目が同じ曲だったら、面白くないもんね。
 
岡崎:ほら、この間言ってたルースターズが毎回さ、
 
近藤:同じ曲でも毎回イントロが違う。
 
岡崎:それってやっている方も見ている方も絶対楽しいと思うんだよね。あんまりCDを再現してもね。
 
──でもどうなんだろう? 微妙な時もあるよね?
 
高橋:あるよ、やってみて流れがよくないなって思うことはもちろんあるだろうし、ライブだからね。 
 
岡崎:その辺は見極めていかないとね。
 
──そういう感じで実はピールアウトは今年で10周年なんですが、10年やってみて何か感じる物はありますか? 逆に周りはどんどん解散してったりして て……周りに10年選手っている? 岡崎「僕らより前にやっているバンドは今でもやっているけど、同時期結成したバンドってどうだろうね?
 
高橋:でも最近10年って数字よく見るよね。関係ないけどGLAYが10年なんだよね、あと奥田民生もソロになって10年だし。
 
──乗っからないと(笑)。
 
岡崎:まぁ、あんまり意識しないよね。
 
高橋:気づけば10年経っている感じで、気づけば11年目に。そんな感じかも。
 
岡崎:みんな高3くらいから変わってないから、考えることって。
 
──ね、俺も37歳でもうちょっとかっこよくなっているかと思ったけど、全然。どんどんダメになってきている気がしてね。
 
高橋:たまに心配になるときあるもんね。俺、小学校の時からやっている事変わらないなとかさ。
 
──発想が変わらないんだよね。
 
高橋:今描く絵とか小学校の時に描く絵と変わらないもん。
 
近藤:ジョー・ストラマーの絵を描いたんだけど、ヒドかったよ。なんかね、魚屋のおじさんなの。魚屋のおじさんがギター弾いてて、ブーツじゃないの、長 靴なの。あれヤバいよー、絶対リスペクトしてないと思うよ。
 
──(笑)。
 
高橋:そういうところは、変わってないよ。まぁ俺にとっては大事なところなんだけどね。
 
──確かに10周年で今年は! ってあんまりないよね? 毎年毎年あることだしね。
 
岡崎:そう考えるとライブハウスはよく何周年ってやっているよね。
 
──うちなんて毎年イベントやってますよ。
 
岡崎:あぁ、誕生日みたいなもんか。
 
──ピールアウトは誕生日あるんですか?
 
岡崎:最初のロフトのライブ、94年12月5日。
 
──そういえば、今までの音とか高橋くんストックしてるんでしょ?
 
高橋:あぁ、みんな作ってきた曲のストックとか。
 
──いつかアンソロジー出さなきゃ、つって。
 
高橋:爆発的にヒットを飛ばしたら作品化していこうかなって(笑)。ビートルズのブートみたいに豚のマーク付けて。うちらすごいよ、デビュー当時からの セットリスト全部あるからね。
 
──あ!それ絶対取っておいた方がいいよ(笑)。
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