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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】HIGHWAY61(2004年8月号)- それが新しい世界への扉になる

それが新しい世界への扉になる

2004.08.01

今年1月の渋谷O-Eastのワンマン後、活動休止をしていたHIGHWAY61がついにメジャーデビューシングル『POWER TO LIVE』をリリース。そして活動再開。バンドを始めて以来、初とも言える長い休暇を経て、シングルを制作するにあたり、彼らはどんなことを思っていたのだろう。これから行われるツアーに向けての意気込みを含め話を伺ってきた。(text:やまだともこ)

本当の意味で、自分自身に向き合えた充実した時間

──1/17に渋谷O-Eastで行われたワンマン後、しばらく活動を休止されていたんですけど、みなさんその間どんなことをされていたんですか?
 
井上鞭  (Vocals&Guitars):それぞれの旅に出ていました。何かが変わるんじゃないかってところで、リズム隊の渡邊と勝(薬師神勝 / Vocals&Drums)がアメリカに行ったりして。
 
──地元のライブハウス見たりとか?
 
渡邊大顕(Vocals&Bass):そうですね。僕の場合一ヶ月半ぐらい行ってたんですけど、最初は言葉も通 じず、ハリウッドのライブハウスに行こうとしたらあまりの怖さに行けなかったとか(笑)。そのライブハウスが繁華街からちょっと離れた場所にあって、昼間に一人で行ってみたら誰もいないんですよ。見える世界はコンクリート、コンクリート、コンクリート。それでロスは諦めてニューオリンズに行って、ドラムの勝くんに会って素晴らしいストリートミュージシャンを見つつ。HIGHWAY61なんでHIGHWAY61号線を辿って、何もないこれまたどこを見ても、道、道、道。で、シカゴ行ってニューヨーク行って。いい音楽にも出逢いましたし、どうしようもない言い方をすると一皮剥けたかなって言うかんじですね。
 
──バンドを始めてからこれだけ長期の休みっていうのは初めてですか? やっぱり一度リセットするという意味でもこの時間は必要だったってことですね。
 
堀井与志郎(Vocals):はい
 
──その間堀井さんはどんなことをされていたんですか?
 
堀井:渡邊くんとは対照的に、ほとんどどこにも行かずに自分の精神世界を漂っていました。そこはとても寒くてイガイガしてるというか、花一つ咲いていないような、そんなところでした。
 
──その充電期間が終わってから、今度の『POWER TO LIVE』を作られて、一皮剥けたところはありました?
 
渡邊:はい。今まで感じたことのなかったかんじというのかな。そういうものをすごくこの曲が与えてくれましたね。見たことのない世界。聞いたことのない音。感じたことのない感じ。すごい、いいポイントを迎えたなと。
 
──今回、シングルというのもあると思うんですけど、疾走感というのがあると思いますね。以前と比べると勢いがあるというか、前作はパンクだったんですけど、もっと明るくパーティっぽいイメージ。より大きなロックという感じがしますよね。
 
鞭:4年かけて、よけいなものをいっぱいしょいこんでしまったっていうのがあって、行き先もわからない電車に乗ったまま行ったり来たりしてて、ハタと気づいてそうじゃないなって。残ったモノを寄せ集めて一個にしたときにガツンってやれるんじゃないかな。
 
──今までの活動が当然ありつつも、一回ぶっ壊してもう一回浮き出るのはこういう音ですっていうのが出てますね。見直す事ができたっていう意味でいい充電期間でしたね。
 
堀井:今までの人生の中でも1、2を争うくらいのすごい素晴らしい、とても貴重な経験であったことは間違いないと思う。そういう経験というのは現代の人はあんまりなく過ごすと思うし、本当の意味で自分自身に向き合うことが出来る時間というのが果 たしてあるのかなぁと思いますね。
 
──自分を見つめ直す作業って言うのはなかなかできないですよね。
 
堀井:でも、時代が変わってきてて、誰もひとつのところで一生ここでやってくんだなんて思ってる人いないじゃないですか? ってなったときに、自分にとって生きるということはなんなんだっていうのに本気で若いうちから向かい合っていかないとダメだと思う。
 
──今回メジャーデビューっていうところと個性的なA&Rのnamijinさんとの出会いはけっこう大きいんじゃないですか?
 
堀井:そうだね。でも、もう何年も前から出逢っていて友達だったんだけど、ひとつのことを一緒にやろうぜっていう風な関係の上で新たに出逢ったのは大きいかもしれない。
 
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