Rooftop ルーフトップ

INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】In the Soup(2004年7月号)- そのまんまできたらいいと思います

そのまんまできたらいいと思います

2004.07.01

レコーディング中に起こった奇跡とは……

──それで今回のアルバムのレコーディング作業に入るわけですよね。それでは、そのレコーディングの話を伺いたいんですけど。曲作りはどんな感じだったんですか?
 
吉田:12月ぐらいからバンドで集まって、ネタ出しして、形詰めたりしてたのはのは半年ぐらいだったんだけど、もうずーっと曲作ってたんで。バンドのためにっていうより、みんな思い思いに、“がんばんなきゃ”みたいな感じじゃなくて、本当に歌いたい曲を歌いたいだけ作るっていうスタンスで作ってたから。
 
──じゃあ、すごくいい感じで曲作りができたんですね。
 
吉田:いい感じですね。メジャーデビューしてから、僕なんか特に“がんばんなきゃ”“売れなきゃ”とか思ってたところが心のどっかにあったけど、そういうのが全部外れて。
 
──歌詞はどういう時に思い付かれるんですか?
 
中尾:今回は結構Kが思い付いたりしました。Kが家でテーマ出してきて、そっから二人でファミリーレストランでやるんだけど、雑談が多くなったりして。まあ、雑談っていっても本当にマジメな雑談だけど(笑)。全部歌詞につながる雑談。
 
草場:テーマがある雑談。
 
中尾:そういうところがおもしろくて、どんどん広がってって。まあそんなに具体的な形になることじゃないんだけど、気が付いたら、あの話がここに来てた、みたいなことがあったりはした印象がある。
 
草場:まあ、でも諭介はそう思うけど、俺は逆に諭介の言葉とかがテーマになってきたり、そっから拾ったり。だから分からんうちに拾い合ってるんじゃないかな? いろんなことを。諭介が発した言葉がキーワードになって広がってテーマができてきたり。
 
──今回は結構重いというか、聴いていて“ドキッ”とする言葉が多いですよね。「Heaven」を聴いてて、すごい重たいなって感じたんですけど。“最後の日”とか、“壮絶な最後”とかいう言葉は。
 
草場:それは何でですかね? 多分それは自分の答えじゃないですか? 最後の日を重いと捉えてるから、その重さの感覚じゃないかな?まあ、重いっすよね(笑)。ハッキリいってね。でも、重いんだけど、そんなに重くもないんですよね、実は自分の中では。いや、重いっすよ。けど、何ていうんだろうな?重いんだけど、全ての人に訪れることではあるし。だからその日をどう捉えるかっていう話なので、それを重いと感じたということは、それが自分の答え。
 
──じゃあこれは、聴いてる人、一人一人がどう捉えるかで……
 
草場:変わるんじゃないですかね?“すばらしい”と捉えるか“恐い”と捉えるか。僕は“恐い”っていうのがあるから書いたんですけど。
 
──私も恐かったですね。“Heaven”っていうと楽園みたいなイメージを持ってたんですけど、聴いたら、1曲目から“死”みたいなテーマだったんで。
 
草場:僕もそうっすよ。楽園じゃないけど、恐くないところ。いや、違う! そういうすばらしいところであって欲しいということの方が近い感じ。確かに“壮絶”とかいう言葉はパッと聞きそういうニュアンスの単語ではあるけれど、でもその壮絶というものが何か、恐いことなのであるか、すばらしいことの壮絶さがあるのか、それは聴き手の捉え方です。
 
──そういう意味で、重みのある曲ですね。今回のレコーディングではいろいろマジックが起こったそうですが、どんなことがあったんですか?
 
吉田:ある意味「Heaven」なんかすごい奇跡みたいな感じで。一週間後にマスタリングを控えてて、この日までにできなかったら8曲で出しますっていう時に、曲を作ってたの。何回か曲出したけど、ダメ出しでたりとかしながら。でも、ギリギリのギリギリまでメンバーで曲を作ってて、で、“ああ、もうできんな”って。でも2曲できたたからこれでいいかって感じだったんだけども、他のみんなが4時に来る日の朝10時頃にMDを聞き返したら「Heaven」のネタがあって。それを入れたこと覚えてなかったんだけど。で、そっからワーってやって、3時までにできて。それを聴かせたら、“これいいじゃない!”ってなって、歌詞を作ってたんだけど。でも夜中の12になっても一向に詞ができないわけよ。全くできなくて、“じゃあもう徹夜しよう”って言ったんだけど、諭介が“帰ろう”って言って。
 
中尾:ただのナマケモノみたいだな(笑)。
 
吉田:諭介は徹夜組だったから、みんなで無理して徹夜することがいいわけじゃないってことが分かってきたらしくて(笑)。俺も結構焦ってたから、そう言われて、じゃあ任せようかなって。できなかったらできなかったでそこまでだ! って。で、一旦帰って、次の日の朝11時に集まったんだけど、そしたら草場くんが持ってきた詞が「Heaven」の詞で、“あれ?いいじゃない!”って。で、俺がちょっと考えてたネタが“It's a beautiful day”っていうサビだったのね。で、八が“このIt's a beautiful dayこっちに入れたらいいじゃない”って言って、入れたらサビができちゃって。その日の11時に集まって、12時までにそれができて、そのあとそれから歌を録って。で、5時のミーティングに間に合わせて。ちょっと遅刻したけど(笑)。それで聴かせたら、今まで大概みんな文句を言ってたんだけど、聴いた瞬間に“オッケー!”。俺らも、逆にそんなにあっさり言われて、“えっ!?”とかいう感じで(笑)。その一番ギリギリの時点で「Heaven」っていう、アルバムのタイトルが決まったの。草場マジックで。
 
草場:マジックだとタネがあるからね(笑)。
 
──じゃあ奇跡ですかね(笑)。でもこの曲がなかったら、アルバム自体がこのタイトルになってなかったわけですよね?
 
吉田:それがもう24時間ぐらいの間にブワーってできちゃったから。バンドでね。歌詞まで。一人でよりもみんなで作り上げたっていうのがね。これを逃したらその曲は録音されなかったし、タイトルが「Heaven」じゃなかったかもね。
 
──すごい奇跡ですよね!
 
吉田:他にも、「夏の記憶」作って、Kが持ってきた時に、“これはいいな。みんなでやろう”っていう話になって、で、ある時俺はメロディーが浮かんだのね、その曲に合いそうなメロディーが。その時に俺がKの入れた詞を変えてたのかな? 自分が変えた詞を入れたら全く当てはまんなくて、ダメだって思ったんだけど、Kの元々の詞って何だっけ? ってKにメールをしたのね。そしたら、Kもちょうど頭の中でその詞を歌ってるところだったって、すぐ返事が来て。それをメロディーに当てはめたらピッタリだった。完璧で。でも、曲のサビって思い入れがあって作ってるから、曲のサビを変えるのを持って行くのってすごい勇気がいるんだけど、だからあんまり無理して押すのはやめようと思って、 “ちょっと一回聴いてくれる?”って、パッと聴かしたら、Kが“こういうサビにしたかったよ”って言ってくれて。それでできあがった。
 
──録音はいつなさったんですか?
 
吉田:録音は1月の終わりぐらいから、5月くらいまで。
 
──夏っぽい感じで仕上がってますね。
 
吉田:冬っぽい曲は選んでないよね。でもまあ、「素晴らしい歌」ができた時に、“素晴らしい歌っていうコンセプトで作ろう”って。でも素晴らしい歌でやったらワーってなっちゃうから、そうじゃなくて、ドライブサウンドにしようとか言ってたんです。そのドライブサウンドの全体の雰囲気を八に全部任せようみたいになって、そういうのが出てきた。音的にも。
 
──「素晴らしい歌」はこのアルバムの中でも全然他の曲とは違う感じですが、この曲が今回の出発点なんですね。
 
吉田:そうだね。最初に録ったね。一番最初にレコーディングした。
 
──それは意外ですね。
 
吉田:結構迷ったんです。最初に入れるのか、後ろに入れるのかとか。
 
──でも最初の曲がヘヴィーだったから、これを最後に聴くと救われる気がしますけどね。
 
草場:救われるんだ(笑)。術中にハマったな(笑)。でもそれはうれしいね。
 
このアーティストの関連記事
休刊のおしらせ
ロフトアーカイブス
復刻