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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】ダイノジ(2004年6月号)- 夏フェスの超強力先頭打者"DRF"開催目前!!

夏フェスの超強力先頭打者“DRF”開催目前!!

2004.06.01

自分らがいいと思ったバンドが全部出てくれると凄いうれしい

──つまり、ダイノジの記念すべき初漫才は、実は新宿ロフト、しかもブッチャーズのレコ発ライブだったという。
 
大谷:はいっ。もうね、あの黒と白の床見た瞬間に、“うわっ、ここでヒムロックが、ブルーハーツが!!”って(笑)。
 
おおち:“俺たちここに立っちゃってんだよ! でもロフトで漫才やっちゃっていいのか?”って気分でしたけど(笑)。 
 
大谷:しかも人前で漫才をやるの、本当に初めてでしたからね。で、そこで初めて披露しようとしていたネタが“黒人のチンポはデカい”っていうネタだったんですが……
 
おおち:ところが、ブッチャーズを観に来てた関係者の中に、黒人の方がいたんですよ。
 
大谷:で、おおちがやめようやめようと言うわけです。でも俺は“いや、俺たちはこれから芸人で何年間も生きていくんだ。やる”と。そこで初めての喧嘩ですよ!
 
おおち:小滝橋、旧ロフトの裏にあった駐車場で、まさにバンドマンがやるような感じで口論ですよ!
 
大谷:でも話してるのはチンポの話(笑)。
 
──あはははは。
 
大谷:で、結局そのネタでやったんですが、そしたらその黒人が手ぇ叩いて笑ってくれたんで、“俺たち勝った!”と(笑)。
 
──いい話ですねぇ(笑)。
 
おおち:しかも、僕らの前にはeastern youth が出て、僕らの後にはブッチャーズ……凄いカッコ良かった。今思っても、もの凄い初舞台でしたね。
 
大谷:うん。この時に立ち会えて、しかも同じ舞台に立てたのは本当にラッキーだった。
 
──というそれが今から10年ほど前の話になるわけですね。
 
おおち:ええ。時代も徐々にそこに追いついてきてたのを、肌で感じた時代でした。
 
大谷:で、後に俺ら全国ツアーをやるんですよ。会社の人間も誰も望んでなかったんですが、俺たちで勝手に企画して……チケットが売れなかったら自分らで金払うからって。で、それは確実に、そういうバンドの人たちにバリバリ影響を受けてのことなんですよね。
 
──DIY。まさにストリート・シーンのバンドの考え方ですね。
 
おおち:あ、実際、路上でもやりましたよ。駅前でお笑いは当時誰もやってなかったから、じゃあやろうぜって、下北沢の街中を「コントやりまーす」ってプラカードを持ってねり歩いて。でも最初は人が集まらないから「兄貴、ちょっと来てー!」って頼んだら、fOULの3人で来てくれて、一番前で見てくれたんですよ(笑)。そしたら段々人も集まってきてくれて。
 
──これまたいい話です。そしてやはりそういう積み重ねがあったからこそ、自分らのロックフェスを作りたいという願望が生じた?
 
大谷:そうですね。好きだから、普通にフェスもこのライブを観たい! って視点でいるだけなんです。僕ら北海道に仕事で行った時も、「おい、エゾロック行けるじゃん!」って、当日券買いに並んだりして。
 
おおち:「ダイノジじゃん、なんで当日券並んでんだ?」なんて言われてんのが聞こえてきたりもするんですが(笑)、とにかくその空間にいるのが楽しくて。
 
大谷:そうこうしてる内に、どちらからともなく“好きなバンドだけで観てみてぇなぁ”“やりたいねぇ”って話になって。また、そういうことを言い出した時に、ちょうど吉本がやったイベントがあったんですよ。MCハマーとかバッド・ブレインズとか。
 
おおち:デラソウルとか、スキャフルキングが出たイベント。
 
大谷:で、いいバンドもいっぱい出たんですけど、組み合わせ的に相性が悪かったのか、人はあんまり入らなかったんですよ(笑)。だから吉本に「俺たちにブッキングやらせて下さいよ!」ってずっともう言ってて。そしたらファンダンゴの西澤さんが「じゃあ、フェスやろうか?」って(笑)。
 
おおち:「やりましょう! とりあえずfOULはブッキングできます!」なんて言っている内に、どんどん決まっていって。
 
大谷:それで吉本ファンダンゴTVの番組、『DRF』が始まって……今に至る、と!
 
──基本的に漫才中心のファンダンゴTVの中では、異色の番組ですよね。ライブを中心に構成した純然たる音楽番組だし、出演バンドも非常に片寄っているという(笑)。
 
大谷:地上波ではまず流れないようなバンドも出てますしね! 色々な気持ちはあるけど、根本にあるのは、自分らがいいと思ったバンドが全部出てくれると凄いうれしいなぁっていう、それですね。その姿勢は変えたくないです。このバンドが出たら客がいっぱいついてるからどうのとか、そういうことをもし俺らが思ってたら、多分これまで番組に出演してくれたバンドも出てくれなかったろうと思うし。やっぱり、いい意味頑固で、断固とした、一癖も二癖もある人たちですしね。
 
──ですね(笑)。そして遂にそのDRFの開催が近づいてきたわけですが。
 
おおち:もう当日観るのが凄い楽しみ! テッキンがこの前言ってくれたように、この夏一番のフェスにしたいです。
 
──はい。そして、フェスの事前打ち上げも兼ね、ロフトプラスワンで前夜祭があります。ここでは番組のお蔵出し特別 編集ビデオの上映やDRF出演バンドとのトーク等が予定されておりますが。
 
大谷:こちらも楽しいものにしたいです。とりあえず、増子さんは朝まで呑んでくれるのでしょうか?
 
──えっ、これも朝までやるの!?
 
おおち&大谷:はいっ、その勢いでやらせていただきます!(笑)
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