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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】フラワーカンパニーズ(2003年11月号)- 今のフラカン"ががっつり凝縮された名盤到着!

"今のフラカン"ががっつり凝縮された名盤到着!

2003.11.01

 今年、ロフトにてほんとに数多くの名ステージを繰り広げてくれたフラワーカンパニーじ。ライブはもちろんロフトだけでなく、年に3本(これからのツアーも含む)行なったツアー、さらにイベントなど、メンバー4人で細かい地方まで回っている。そんな中一体いつ録音したんだと思うほどの速さで到着した今回のアルバム「東京タワー」は、まさに今のフラカンががっつり凝縮された名盤。こちらの余計な心配とは裏腹に次々名曲を作り出すフラカンのメンバー4人全員に話を伺った。(interview:和田富士子)

「発熱の男」が終わった段階で火を絶やさずに行こうと思った

──早速ですがアルバム『東京タワー』が完成しましたね。この出来はメンバーとしてはどうです? 万全ですか?
 
鈴木:万全ですね。
 
竹安:バッチシですね。
 
──即答ですね(笑)。
 
マエカワ:俺らの場合、バッチリじゃなかったら出さんくてもいいと思う。いつまで に出せといわれとるわけでもないし、そうじゃなければ出さないよ。
 
鈴木:出したいから出したという、一番基本な。
 
──確かに。では、曲作りの時期とかはどうだったんですか?
 
鈴木:5月くらいのリハから「曲を作ろうか」って。ツアー終わってすぐ作り出し て。
 
──あの、曲が出来ないっていうバンドさんの話を聞くこともあるんですが、フラカ ンは意外と次々と作られますよね。
 
鈴木:良い悪いは置いておいたとしても、みんなでやると出来るは出来るんですよ。 でも、いつも歌詞が追いつかないんだよ。
 
マエカワ:1人だからね。
 
鈴木:もうアルバムも9枚か10枚くらい出してるわけじゃん? そうなると毎日同じ 生活をしているわけだし …そこが難しいところなんだけども。レコーディング明 けって気持ちがハイになっているし、すぐ作れそうな感じがするの。でも、レコーディング終わってしばらく空くとまたゼロに戻っちゃって、全部書き方を忘れちゃう んだよ。だから今回は「発熱の男」が終わった段階で火を絶やさずに行こうかなと 思って「このままちょっとすぐ曲作りをしないか」っていう話を言い出して。で、割と早めにやって、歌詞もすぐ出来た。だからそんなに煮詰まっていない。
 
──それは、曲を作る側としてはどうなんですか?
 
マエカワ:うん、曲を作るのも苦じゃないんですよ、全然。もちろん出来んときもあるけど、スタジオで合わせていいものが出来るときもある。メンバーも4人おる訳だ から、誰かが何かしらモチーフを持ってて。
 
竹安:ネタを持っていって、そこで膨らましていって。
 
鈴木:それで、何曲か作ってその中からいいのを残してっていう。だから「作ろう」って先に決めちゃった方が動く。俺はどっちかというと「よし!じゃ今日の9時 から曲作りを始めます」って気持ちを集中させてやるタイプだから。一回ぷらーんってなっちゃったら「もう何にもやりたくねえよ」ってなっちゃうし。
 
マエカワ:そこはね、いろいろペース合わせてちゃんと出来るようになってるんじゃん。
 
──で、このタイトル曲、「東京タワー」がやはり注目されると思うんですが。
 
マエカワ:もうダントツに注目されとると思う。「東京タワー」を語りから始めるっていうニュアンスを作って、歌詞が出来て、スタジオで一発目歌ったときに「うわ、 やったな」って。おとなしめの曲だから歌詞も全部聴こえるわけ。そのときの空気感っていうのも、もうこれはメンバーもみんなすげえって思っとるなっていうさ。
 
竹安:これスリーコードだからね。もうテクニックっていうのは別にいらなくて。でもその分感情移入できるっていうか。落とすところは落として、激しいところは激し くとかね。
 
──音の感情っていうのは、フラカンのライブでもいつも感じられる部分だったりします。
 
竹安:それは絶対ね。
 
マエカワ:重要にしとるところなんだよね。なんかそういう匂いとかもするような感 じのライブにするっていうのは。
 
──すごい人間臭いというか、人(ひと)っていうのを強く感じますよね。
 
マエカワ:人力(じんりき)っていうのかね。
 
──ではアルバムの聴き所を今日は竹安さん、小西さんがいらっしゃいますので、お二人から伺ってみたいのですが。
 
竹安:ほんとなかなか、素敵な曲ばっかで。「東京タワー」はソウルフラワーユニオ ンの奥野さん(Key)がまたいい感じで弾いてくれて余計感動も増したかなと思う し。さすがベテランって感じで。8曲だからあっという間に聴けるんだけど、「東京タワー」を挟んで前後って、そういう感じで気持ちを入れ替えるとまた違った感じで 楽しめるかなと。
 
──あぁ、そう考えるとなんか見え方が変わってくるかもしれないですね。
 
竹安:レコーディングにそんな苦労してないしね、すっといけたから。まぁ、めちゃ めちゃいいっすわ。
 
──では小西さんは?
 
小西:曲に関して言ったら、これからまたライブでドンドン変わってくる。「東京タワー」にしても4人だけでやるものになるから、アルバムとはまた違う形になるだろ うし。いつものアッパーな感じの曲は、もちろんアルバムもいいとして、ライブの時に更にカッコいいものになると思います。
 
マエカワ:あとジャケを今回も竹安が書いたんで。なんで、このジャケットも前作の 「発熱の男」と一緒に額にいれて。
 
──これ、いいジャケットですよね。
 
竹安:ほんとなかなかいい感じに出来たんだよ。
 
マエカワ:ポスターはロフトグループ全てに貼ってね。
 
──了解しました(笑)。
 
竹安:これ実は「東京タワー」の時期がずれてもずっと貼っておいてほしんです。なるべく。
 
マエカワ:フラカンのライブが近くなったら、またドーンと前に貼って。
 
──じゃ、ロフト、シェルター、プラスワンの店長にここをしっかり読んでもらいましょう(笑)。
 
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