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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】JERKBAIT(2003年8月号)- リンドバーグみたいにタイトルは『JERKBAIT II』にしようと思った(笑)

リンドバーグみたいにタイトルは『JERKBAIT II』にしようと思った(笑)

2003.08.01

名古屋発、蒼く切ないメロディック・パンク!! '99年の結成以来、名古屋を中心に活動し、2001年には"FUJI ROCK"のROOKIE A GO-GO出演やTHE STREOのフロント・アクトを務めるなど話題を集め、昨年TIGER HOLE内の"A-GO-HI-GET "レーベルより初単独音源『JERKBAIT』をリリース、今回約1年ぶりのリリースが初めてのアルバムとなる彼ら。さらなるブレイクを予感させるJERKBAITのVo. 茜屋さんにインタビューを決行しました。(interview:梶川功一)

リンドバーグみたいにタイトルは『JERKBAIT II』にしようと思った(笑)

──まず最初に“JERKBAIT”というバンド名の由来について教えて下さい。

茜屋:特に深い意味はないんです。読んだ感じ、書いた感じで一番しっくりきたので。その割にはよく間違えられるんですけど……(笑)。

──どんないきさつで結成したんですか?

茜屋:1999年の夏に、大学のサークルつながりで結成しました。去年の8月にドラムが脱退して、その後サポート・メンバーで活動してたんですけど、4月頃にやっと新しいドラマーが決まりました。

──前回の“A-GO-HI-GET”レーベルからのリリースの反響はいかがでしたか?

茜屋:自分達にとって初の単独音源だったので、とにかくいろいろ勉強させてもらいました。リリースするにあたって何をしなければいけないかとか。はっきり言って、右も左も判らない状態でしたから。でも、“A-GO-HI-GET”からのリリースがあったお陰で今回のリリースがあるわけですから、ホントに感謝しています。

──“A-GO-HI-GET”卒業後、今回改めて“TIGER HOLE CHOICE”からのリリースとなりましたが、周りの状況などに変化はありましたか?

茜屋:今のところは特にないですよ。自分達のなかでは盛り上がってますけどね。ただ単純に、自分達の新しい作品が、またたくさんの人に聴いてもらえるということが嬉しいです。

──今回初めてのフル・アルバムのリリースとなるのですが、どういったコンセプトで作りましたか?

茜屋:前回のミニ・アルバム(『JERKBAIT』)を録った後に出来た曲を集めただけなので、特にコンセプトみたいなものはないんです。僕達、結構曲作りに時間がかかるので、アルバム用にガッと作ったりとかできないんですよ。だからアルバムのタイトルも、最初はリンドバーグみたいに『JERKBAIT II』にしようかと思ってましたから(笑)。

──実際、出来てからの手応えはいかがですか?

茜屋:まぁ、出来たら出来たで課題はどんどん出てくるんですけど、その時点での最高のものが出来たと思うので、とても満足しています。

──日本語の歌詞が印象的ですが、詞を書く上で気を付けていることはありますか?

茜屋:文章の流れとか言葉の選び方とか、そういう文法的な部分は多少気を付けてますけど、内容的な部分ではいちいち気を付けていたら書けないですよ。その時、その瞬間に思っていることをそのまま書くだけです。例えば懐かしい場所に久しぶりに立った時、確かにあの時と同じ場所に立っているのに、年をとって感動する対象も変わり、当時とは違う景色に見えてしまっている時のもの寂しさをそのまま書いたり…。もちろん恋をしている時にはラヴ・ソングも書きますし。まぁ、強いて気を付けている点を挙げれば、なるべく嘘はつかないようにしています。もちろん、フィクションはありますけど。

──レコーディング時の苦労した点は? また巧くいった点は?

茜屋:精神面での弱さが出たかな、と。一度ハマるとなかなか立ち直れなかったり。でもその辺は、エンジニアの山口さんやプロデューサーの石川さんが巧くコントロールしてくれたお陰でカヴァーできたかなと思います。まぁ、全体の流れはびっくりするぐらいスムーズで。というのも、スタジオ来客者の方々が早く呑みたい人ばっかりだったので、しっかりケツを叩かれましたね(笑)。

──アルバムの聴きどころは全部だとは思うのですが、あえて選ぶとすると?

茜屋:10曲すべてが違う個性を持ったアルバムだと思います。でもそれぞれにしっかりとJERKBAITの持ち味が出せていると思うので、偏ることなく10曲を通 して聴いてほしいです。

歌がしっかりと相手へ伝わるように意識している

──茜谷さんの音楽との出会いは?

茜屋:うーん……出会いとなるとさすがに思い出せないですけど、確か初めて買ったテープは『六甲おろし』で、初めて買ったCDはWINKだったと思います(笑)。

──影響を受けたアーティストはどの辺なんですか?

茜屋:メンバーそれぞれバラバラなんですけど、昔から好きで、今のJERKBAITの音にも影響が出ていると思うミュージシャンは、weezer、SNUFF、BLANKEY JET CITY、奥田民生、スピッツ、HUSKING BEE……挙げ出すとキリがないです。最近聴いている音楽は、BEATLES、KINKS、STONE ROSES、DASHBOARD CONFESSIONAL、stiff little finger、JAW BREAKER、小田和正……これもみんなバラバラで、挙げ出すとキリがないですね。

──じゃあ、現在一番好きなアルバムは?

茜屋:新旧洋邦たくさんありすぎて選べないですね。

──話は変わりますが、学生時代どのように過ごしてましたか?

茜屋:青春してました(笑)。環状線で鬼ごっこやったり、部屋で打ち上げ花火やったり、台風の日にスッポンポンになって海で泳いだり…。若さをはき違えてました。スレスレです。

──最初に買った楽器は?

茜屋:ギターです。普通です。スイマセン。

──一番最初につくったバンドはどんなバンドでしたか?

茜屋:高校の時、ブルーハーツやらジュンスカやらのコピー・バンドをやってました。普通 です。スイマセン。

──曲作りはどこでやってますか?

茜屋:仕事柄、車に乗ることが多いので、運転しながら歌メロが浮かんで、家に帰ってコードを起こして、そこからスタジオに持って行ってみんなで合わせる…っていうのが多いですかねぇ。まぁ、家に帰った時点で忘れてることがほとんどですけど(笑)。

──今まで作ったなかで最高傑作が生まれた瞬間はどんな時でしたか?

茜屋:自分達としてはどの曲も最高傑作のつもりで作ってるんですけど(笑)。ただ、評判のいい曲っていうのは案外簡単に出来たりするんですよね。名曲は作ろうと思って作れるものじゃないですから。でもホントに凄い人って、そういうのも狙って作れたりするんでしょうね。

──少し先の話になりますが、レコ発ツアーを11月に予定しているそうですが、意気込みを聞かせて下さい。

茜屋:気合い入ってますよ。あくまでもライヴ・バンドでありたいですから。ツアーまで結構時間があるんで、今ある曲のクオリティをしっかり上げて、プラス新曲なんかもできたらいいなと思います。

──JERKBAITのライヴの見所は?

茜屋:英語じゃなく、日本語で唄うバンドですから、生でもしっかりと歌が届くと思います。もちろん僕達もそれを意識して唄ってますし。聴き手の立場からすると、曲のイメージと歌詞の内容が合わさった時って気持ちいいじゃないですか、景色も浮かぶと思うし。あとはさっきも言ったように、1曲1曲が違う個性を持っているので、勢いのある曲は勢いを、しっかり聴かせる曲ではその雰囲気を、生で感じてもらえたら嬉しいですね。緊張感は常に持っておきたいんですよ。緊張してお腹が痛くなってきたけど、あえて便所に行くのを我慢するぐらいがちょうどいいんです。

──名古屋を中心に活動しているそうですが、名古屋のライヴ・シーンの特徴などありますか?

茜屋:特徴というのは考えたことがないので判らないですね。自分のいるシーンを冷静に見れるほど余裕がないですから。ただ、周りには恰好いいバンドがたくさんいますよ。一緒にやって刺激を受けるバンドばかりです。

──気が早いですが、次回作の予定はありますか?

茜屋:今のところ予定はないですが、できるだけ短い間隔で新しい曲を発表できればいいなと思います。

──今後、どのような活動をしていきたいと思っていますか?

茜屋:今まで通りライヴを中心にしながら、少しずつ新曲も作っていけたらいいと思ってます。あと、年に数回自分達の企画もやっているんですけど、レコ発が終わったらそっちのほうもちょっとデカイことができればいいですね。とりあえず今はレコ発のことで頭が一杯です。

──ありがとうございました。最後に何かメッセージがあれば…。

茜屋:レコ発待ってます! 普通です。スイマセン(笑)。

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