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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】CUBISMO GRAFICO FIVE(2003年6月号)- 松田岳二のソロ・ユニットは錚々たる顔ぶれによるスペシャル・バンド!

松田岳二のソロ・ユニットは錚々たる顔ぶれによるスペシャル・バンド!

2003.06.01

ソロとバンドの行き来が理想的にフィードバック

──松田さんの音楽的ルーツは?

松田:ツートーンとクラッシュとレゲエが高校生の時にすごい好きでした。中学の時はマドンナとかプリンスとか、ヒットチャートばかり聴いてましたね。高校入ってピストルズのレコードを買いに行ったら売り切れてて、“じゃあ、これを聴きなさいよ”って(店員さんに)言われて、クラッシュのファースト・アルバムを売ってもらったんですよ。その頃はレコードってあまり買えなかったから、好きになるまで聴いて。それからどんどんツートーンとか好きになって。どハマリしたのはレゲエが一番最初かもしれないですね。

──じゃあ、そんなレゲエ色なアルバムもそのうち?

松田:実は“Five”をやる前にレゲエのアルバムを出そうかという話もあったりして。エスカレーター・レコーズの自分のアルバムでも、だいたい一枚に一曲は入れるようにしてるんですよ。去年サッカーのワールドカップのコンピレーションを出した時に、田上君のヴォーカルでルイ・アームストロングの“What A Wonderful World”のカヴァーをやったんですけど、それが自分たちで作った(演奏した)割には素晴らしい出来で。そういうのもあって、一枚やりたいなぁというのはずっと思ってます。そうなったら多分“CUBISMO GRAFICO SEVEN”とかで(笑)。

──この間のSHELTERのライヴ(4/27)はどうでした?

松田:お客さんはまだどうしていいか判らないんじゃないですかね? エスカレーター・レコーズのお客さんが多分9割で、あとの1割はDOPING PANDAで興味を持ってくれた人たちだと思うので。取っ掛かりはスキャフルで…みたいな人がもう少し増えてくるともっと面 白くなるかなぁ、って思います。エスカレーター・レコーズのお客さんはどんな音楽でも貪欲に聴こうと思う人たちが多いので、すぐスキャフルとかMASTER LOWとかDOPING PANDAとか、僕ら経由で興味を持って聴いてくれるんですが、その逆はなかなか難しいですね。

──今度のSHELTER(6/24)はriddim saunterというバンドと一緒ですが、riddim saunterも松田さんが誘ったのですか?

松田:いや、これはレーベルの方とか、田上君が“すごい人たちがいますよ!”って教えてくれたので一緒に観に行って。CUBISMO GRAFICOの曲がオープニングSEなんですよ。で、よーく見たらメンバーが、自分がDJしてる時に遊びに来てた人だったりしたんで。演奏もすごくいいし。“21歳でこんななんだぁ”って、なんかあり得ないなぁというくらいビックリしました。CUBISMO GRAFICOしか知らないお客さんでもすごい好きになるんじゃないかなと思うんですよね。逆にriddim saunterのお客さんがCUBISMO GRAFICO FIVEを観てどう思うかなって、プレッシャーになるくらい(笑)。

──もう怪我の方は大丈夫そうですね。

松田:この間のSHELTERのライヴは、ギブスでやりましたからね。CUBISMO GRAFICO FIVEのライヴはそれまでは全曲ギターを弾いてやってたんですけど、怪我してギター弾けないから鍵盤を置いて、古川が一人で全部ギター弾いてくれて。それはそれで逆にタイトになって演奏が良くなったんですよね。僕、弾かなくて良かったんだって(笑)。今までは手持ちぶさたというか、自分はギタリストでもないんで、その恥ずかしさを隠す意味もあってギターを弾いていたんですけど。ギターがなくてもいいなぁって踏ん切りがつきましたね。そういうのも怪我の功名というか。だから次からは、何曲かはギターも弾くけど何曲かは鍵盤をやったりするつもりです。

──新たな一面も観れそうですね。

松田:元々このCUBISMO GRAFICO FIVEというバンドは、別に僕が歌わなくてもいいんですよ。ライヴでは田上君も歌ったりとか。この間はハンドマイクで歌ったんですけど、自分的には“オイ!”って感じで恥ずかしかったですね。それもレゲエDJ以来の経験だったので(笑)。アルバムに入ってない曲には、かなりうるさい曲や、もっと静かな曲とかもあるんです。もうめちゃくちゃなんですよね。やりたいのを全部やっちゃおう、みんなで楽しくやれるのが一番! っていうバンドなので。

──CUBISMO GRAFICO FIVEのアルバムをリリースしてからのご予定は?

松田:ソロのを8月にリリースして。で、その後CUBISMO GRAFICO TRIOを夏くらいにレコーディングしようかなと。5曲くらいはカヴァーをやって、あとはフィールド・レコーディングをしようと思ってます。レゲエのアルバムはその後かな。

──お忙しいですね。

松田:音楽だけ作っていいんだったら、忙しいのは全然苦にならないですね。2年くらい前にスランプが一度ありましたけど、最近は割といい感じで音楽ができてると思います。やってていいんだったら、ずーっとスタジオにいたいですね。一人でやってるのとバンドでやってるのとでは振り幅も全然違うので、逆にリフレッシュできるというか。バンドやってた時に一人のを始めた時はすごい新鮮で、曲もすぐ出来ちゃったり。逆に、一人でこもってる時にライヴのリハに入るとものすごく楽しいんですよ。すごく都合がいいんですけど、その繰り返しがいい感じで自分にフィードバックされているので、是非期待してて下さい。

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