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INTERVIEW

トップインタビュー【復刻インタビュー】CUBISMO GRAFICO FIVE(2003年6月号)- 松田岳二のソロ・ユニットは錚々たる顔ぶれによるスペシャル・バンド!

松田岳二のソロ・ユニットは錚々たる顔ぶれによるスペシャル・バンド!

2003.06.01

ソロやバンドで活動されていたり、サポート・メンバーとして多方面 で演奏したり、CMや映画の音楽を作られていたり......と様々な面を持つCUBISMO GRAFICOこと松田岳二さん。人は見かけやイメージだけで判断してはいけないのだなと、改めて思いました。"エスカレーター・レコーズ"の"ニール&イライザ"のメンバーでもある"お洒落"なアーティスト"CUBISMO GRAFICO"が、なぜ男気あふれるSHELTERでライヴを? とまだ思っている方(私もインタビューでお会いするまでは少なからず思っていました)、どうか一度ライヴを観てみて!!!!(interview:植田智子)

“FIVE”“TRIO”“SOLO”の同時進行

──まだCUBISMO GRAFICO FIVEのことをよく知らない人は、“エスカレーター・レコーズ”のイメージが強いと思うのですが。そもそもこのバンド・メンバー(Hi-STANDARD 恒岡氏、ニール&イライザ等のサポートの330氏、DOPING PANDA 古川氏、SCAFULL KING 田上氏)と知り合ったきっかけは何ですか?

松田:昔からSCAFULL KINGはすごい好きで、ライヴとか普通に観に行ってました。MASTER LOWのイッチャンとはもう10年くらい前からの知り合いなんですよ。コークヘッド ヒップスターズの初めの12インチとかパーカッションやってますし。SUPER STUPIDって最初ツネちゃんがドラム叩いてて、その時のレコーディングでも僕がパーカッションを叩きました。だから自分の中では全然自然な流れなんですよ。エスカレーター・レコーズというとお洒落なイメージを持たれることが多いですけど、LOFTとかにも結構観に行ってたし。

──今回のアルバムのレコーディングはどんな感じだったのですか?

松田:メンバーが“ここはこうしたほうがいいんじゃないか?”とかどんどん出してきてくれるので、僕はもう“好きにしちゃって下さい”みたいな(笑)。一人でやってたら絶対に出てこない、ギタリストならではの素晴らしいフレーズが出てきたりとか。古川は今まで聴いてきた音楽が僕と全然違うしね。『CINQ (four+one)』に収録されてる〈SHUFFLE LIFE〉という曲は、リハの時に田上君が弾いてたものに合わせてみんなで弾いたり歌ったりしてたら出来たんですよ。僕一人で作ったという感じではあまりないですね。

──メロディが先にあって、という感じではない?

松田:そうですね。先に約束事を一つ二つ決めて、そこからは膨らませるだけなので。曲はもう後で考えればいいや、というか。逆に“さぁ、曲を作ろう!”って思ってメロディを作るような感じではないので。

──カヴァー曲も収録されていますね。

松田:〈JAMAICA SONG〉はBooker T&The MG'sのカヴァーなんですけど、最初古川は“チャーベ君(松田氏のこと)はなんていい曲書くんだろう。あんないい曲書くなんて天才!”って言ってて。でもオリジナルを聴かせた時にガッカリしてましたね。“カヴァーだったんですか!?”って(笑)。でもそれはシメシメ、っていう感じです。

──みんなで合宿とかに行ったのですか?

松田:2月にまとめて練習して、3月末から録り初めて。合宿でもないんですけど、ずーっと2週間くらいは一緒にやってましたね。バンドでレコーディングするのって実は初めてなんですよ。Freedom Suiteをやってた時はヴィジョンがある人にディレクションしてもらってたし、ニール&イライザに関しては堀江博久さんというメロディ・メーカーが あってのものだったので。5人でああでもない、こうでもないと言いながら録るということは初めてだったので、本当に新鮮でした。

──アルバムが出来上がってみて、どうですか?

松田:実は、レコーディングする前のイメージでは、もっとパンクな感じでワーッと激しくやりたかったんですよ。なんか差が出るほうが面 白いかなって。でも思いのほか、メンバーからCUBISMO GRAFICOの世界を重視したいというのがありまして。なのでそうしてみたら、なんかすごく不思議なところに着地しました。今度またレコーディングする時は、もっとバンドっぽくなってるのかなぁと思いますね。

──CUBISMO GRAFICOというのはソロで、CUBISMO GRAFICO FIVEの“FIVE”が付くとバンドという感じなんですよね?

松田:そうですね。こじつけというか。本当は新しいバンド名でもいいんですけど、それもちょっと違うかなと思って。あとトリオもあるんですよ。CUBISMO GRAFICO TRIO。元々は“FIVE”“TRIO”“SOLO”の3作を同時に別々のレーベルから出そう、というところから始まった感じで。で、まず“FIVE”が最初に出来上がって。次に“SOLO”がレコーディング終わって。その時に僕が怪我をして“TRIO”のレコーディングができなくなってしまったので、“TRIO”は年末くらいには出したいなと思ってます。

──その“TRIO”はどんな感じなのでしょうか。

松田:メンバーはツネちゃんと、ボサノヴァ・ギターのgoroさん(mooose hill)です。ライヴも一回やったことがあって。その時はSCAFULL KINGのナリ君がフルートに入ってもらって4人で。なんか“奇数シリーズ”みたいでいいかなぁって(笑)。

──“一緒にやりたい”と思ったら直接交渉されるんですか?

松田:そうですね。“やりたい”って思ったらストレートに言っちゃうかもしれない。“一緒に何かやって下さい!”って。

──松田さんはソロ活動を始め、バンド活動されていたり、サポートでもいろいろ参加したりしているじゃないですか。その“一緒にやる”っていう決め手みたいなものはあるのですか?

松田:僕、“絶対この人と仲良くなるな”っていう直感みたいなのが判るんですよ。会った時に仲良くなりたいって思うんですね。goroさんについては、goroさんがどういうことやってるかは知らない時に“この人と一緒にやりたいな”とすごい思いまして。

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