最終的には、目指せアリーナ・ロックですから!
──今回、ROOF TOP初登場と言うことで、結成の経緯から聞きたいんですけど。最初にバンドを組んだきっかけは学校のサークルだったんですよね。
太田:そうですね、最初は学校のサークルで自分とベースのヤツとで一緒にコピーバンドをやってて、3年前に川本が入って、それでBeehiveになったんですよね。
──最初のコピーバンドってどんなのをやってたんですか。
太田:Suicide machineとかRANCIDとかですね(笑)
──なるほど、その後川本さんが入った時にはもうオリジナルをやってたんですか。
太田:やってましたね。
──音的にはその頃から今のBeehiveに近い感じだったんですか。
太田:イヤ、そうではなかったですね。
川本:ある意味当時の王道のメロコアみたいなサウンドでしたよ。
太田:それから徐々に音楽性が変わっていって、今のスタイルになったって感じですね。
──お二人とも、もともとはハードロック、ヘヴィーメタルとかを聴いてたらしいですけど。
太田:それがサウンドに出てるかどうかはわからないですけど、メタルとかハードロックっていうのは中学とか高校の頃から聴いてましたね。まあ特に好きなのがハノイロックスとかワイルドハーツとかなんですけど。
──聴いてたのは海外のバンドが多かったんですか。
太田:日本のはほとんど聴かなかったですね。
川本:俺も一人でライブに通ったりしてましたからね。
──中学高校の頃って洋楽聴いてるのなんてクラスに一人か二人ですからね。
太田:当時はXとかユニコーンとかが流行ってたころですからね。
──あの頃ってバンドやろうっていうとBOOWYとかユニコーン、ブルーハーツっていう時代ですよね。
太田:ああ、最初の頃はブルーハーツとかも聴いてましたね。それで、中学三年の頃からハードロック、ヘヴィーメタルっていうものを聴くようになったんですよね。
──それで、今の編成になってからBeehiveとして本格始動したわけですけども、ライブとかをさかんにやり始めたのはいつ頃からなんですか。
太田:川本が入った頃からだよね。
川本:そうだね。その頃は新宿ACB、横浜F.A.Dで毎月やってたね。まだ企画とかには呼ばれないから、店のブッキングで。
太田:そこで定期的にやりつつ、高円寺とか渋谷とかでもやったりしてましたね。
──それで今回LOFT RECORDSからリリースとなったんですけど、どういうきっかけでLOFT RECORDSから出すことになったんですか。 URNOK(LOFT RECORDS) 何かいいバンドいないかなって言ってたら、LINKのベースの小森が勧めてくれたんですよね。それで聴いてみたらバッチリだったんで。
川本:小森くんは本当にウチらと音楽的な趣味が合ってるんで。
太田:先週も一緒にワイルドハーツのライブとか観に行ったもんね。
川本:対バンなんかもさせてもらって、俺的にはLINKとかに出会ってから色々変わりましたね。それまでは全然インディーズのパンクシーンって知らなかったんで、実際一緒にライブとかをやるようになったら、コミュニケーションの取り方とか、横の繋がりの重要性だとか、ライブのみせ方だとか、色々影響受けましたね。俺、今はメインで歌ってますけど、はじめの頃はコーラスだったんですけど、しかもMCゼロでやみくもに動いてたりした時期もあって。そういう点も変わりましたからね。
──なるほど、そう言われればツインボーカルの絡み方なんかはLINKやその周辺のバンドの影響を感じますね。
川本:うん、そうですね。
──それまでコーラスだった川本さんがメインで歌うことになったのには理由があるんですか。
太田:その辺は色々ありまして(笑)
川本:俺の方がいいじゃんってなったんだっけ?
太田:二年前くらいまでは、ベースのヤツがメインだったんですよ。でも本人的にメインがキツイっていうことになったんで。実際、その頃から川本がメインで歌ってる曲もあったんですけど、川本が歌う曲が増えるに連れて、周りの反応が変わって来てたんで、自然の流れで今の形になったって感じですね。
──なるほど、歌ってみたら以外と良かったぞって感じですかね。
太田:いまの自分たちのスタイルに川本の声の方がマッチしたんですよね。あとはメインで曲を作ってるのが俺と川本なんで、川本が歌うようになって、作曲の作業的にもサイクルがよくなったっていうのもありますね。
──曲ってどういう感じで作ってるんですか。
川本:俺は正直やわらかい段階で持っていってバンドで色々やりたいっていうのもあるんですけど、Beehiveに関しては作った本人がある程度ビジョンを持って来た上で合わせていった方がうまく行くのでそんな感じでやってますね。
太田:その方が曲として成り立ちやすいんですよね。
川本:やわらかい段階で持って行っちゃうと、みんなであれこれやってる内に自分のビジョンから外れちゃったり、つぎはぎだらけになってボツになっちゃったりするんで。
太田:そうじゃなくても、わりと試行錯誤しながら作っていくっていうやりかたなんで。「これいいじゃん」って言ってたメロディも一日経ってみたら、「やっぱこれはないな」とか。
──持ち曲ってどれくらいあるんですか。
川本:あんまりないですね。ウチら曲を作るサイクルがまだまだ遅いんですよ。今回のCD前に自分らでデモテープを出してて、そのテープを出したことによって評価されて、わりと環境もガラッと変わったんですよ。それで「ああ、この路線でいいんだ」って思って曲を作ろうとしたんだけど、その状況に甘えちゃって結局出来なくって。やっぱり常に曲作りはクリエイティブにならないといかんなと思いましたね。最近は何かあったら考えるようにはしてますけどね。
太田:だから今回も結構ギリギリで曲は出来上がりましたね。もともとあった曲もあったんですけど、実際録るってなったらそこでまた色々考えるじゃないですか。だから色々いじくって、一週間丸々スタジオ入ったりとかしましたからね。
──今回の音源の前にもデモテープは沢山出してたんですよね。
太田:五本ですね。最後の五本目のやつが初めて売ったやつなんですけど。
──そのテープとかはちゃんとレコーディングしたんですか。
川本:学校のスタジオ使わせてもらって、自分らで録ったりとかですね。もうベーシック一発で、歌だけ被せてって感じで。
太田:だから今回のレコーディングみたいに、スタジオでちゃんと録ったのはほとんど初めてだったんで、かなり戸惑いはありましたね。
川本:演奏としては一応ちゃんと弾けてるんだけど、全然ノリが出なかったりして。ノリが出るまでに一時間くらいかかっちゃいましたね。でもまあそっからはわりとさくさく進みましたけど。
太田:アルペジオでつまった以外はね(笑)
川本:……一時間くらいかかりましたから(笑)
太田:30秒のフレーズに一時間かかってるからね。
──じゃあ、そのアルペジオが一番苦労したところって感じですか。
川本:本当にそれくらいですね。
──期間的にはどれくらいでやったんですか。
太田:一日ですよ。12時間でやっちゃいましたからね。
──12時間! じゃあ12時間の内一時間もアルペジオに費やしたんですか。
川本:あの時は本当焦りましたね。
太田:スタジオに重たい空気が流れてたんで、俺はいなかったしね。
川本:でも、自分に足りない物がすごいわかったんでよかったですけどね。今までは音源を録るにしても、ベーシック一本録って、上からもう一本重ねるくらいしかビジョンがなかったんだけど、最近はもうちょっとやってみたいなって欲が出てきて、機材とかにも興味を持ち出してます。
──最近のパンクバンドとかって、わりと軽めでポップな音作りが多いと思うんですよ、でも今回のアルバムは全体的にかなりヘヴィーな音かなと思いましたね。
太田:やっぱその辺はメタル好きなところが出てるんじゃないですかね。
川本:ギターもローが出てないとダメなんですよね。まあそれも善し悪しなんで、ライブなんかではちょっと試行錯誤してるところなんですけど。でもやっぱり、低音が出てないとイヤですね。
太田:ライブとかでも、モニターから聞こえてくる音以外の生音でも低音がないと、ドラムを叩いてても不安になるんですよね。なんかパンチがないなって。
川本:パンチだよね(笑)
──とにかく音圧はすごいありますよね。
川本:でも、リフでザックザクとかそういうメタル的要素はないけどね。
太田:いわゆるメタルっていう曲ではないんで、メタルっぽくは全然ないと思うんですよ。多分、ウチらの音源を聴いてもメタルっていうのは感じないいんじゃないですかね。
──でもなんとなく、そういう臭いはしますよね。普通のスリーコードパンクとはどこか違うっていう感じが。
川本:ライブ観たらメタルだなって思うけどね(笑)
太田:SEからしてメタルだったりしますし。俺と川本はいつも絶対メタルシャツ着てますからね。
──そういうもろメタルな所から、今みたいな音楽性になった過程が想像つかないんですけど……(笑)
太田:川本は俗に言うヘヴィーメタルとかスラッシュメタルとかが好きなんですけど、俺はハノイロックスとかその辺が好きなんで、その辺の音的な影響は出てると思いますね。
──ああ、わりとロックンロールよりなものも聴くんですね。
太田:あと、学生の頃は普通にハイスタとかも聴いてましたしね。だからパンクとかメロコアを全然通 らなかったわけでもないんで。
川本:後は一緒に対バンしたバンドたちからも影響を受けてますしね。
──その辺がうまい具合に混ざってBeehiveのサウンドが出来上がってるわけですね。それ故に、最近のパンクだけを聴いてきたバンドとはひと味違った、現在のシーンでは珍しい感じの音になってるんでしょうね。
太田:まあ最終的には、目指せアリーナ・ロックですから!
川本:目指せボンジョビですよ!
──アリーナ・ロックですか! マーシャルの壁作りたい、みたいな。
川本:マーシャル積みたいですね~。お願いします! URANOK ……100万枚くらい売れたらね(笑)
──100万枚ですか~。じゃあ100万枚売れるように最後に一言お願いします。
川本:俺たちとしては今回初めてCDを出したわけですけども、これはあくまでも通過点ですからね。まあでも現状の自分らは出し切ったと思うんで、是非聴いてライブにも遊びに来て下さい!