メンバーチェンジをしたばかりのPEZ STOMPが待望の2nd.アルバム「pez bacchanal」をリリースし、シェルターでワンマン行います!! 今回のアルバムは、SKA PUNK色の強い今までの曲調とはひと味もふた味も大人の風味を増したアルバムになっています。今回はボーカルのHIROMIちゃんとトランペットのSHINGENにお話を聞いてきました。 (interview:あらきちえ、やまだともこ)
これからも試行錯誤でいろいろPEZとしてできるかな
──11月20日に2nd.アルバム「pez bacchanal」がリリースされたんですが、まずこのタイトルの意味は?
HIROMI:「bacchanal」が酒場・酒盛りの意味で、曲調もいろんなのがとっちらかってて、楽しくて面 白い酒場的なイメージ。
──いいタイトルだね~。じゃぁ、アルバムを作るにあたって影響されたものとかはある?
SHINGEN:音楽とかじゃなくても個人個人としてはいろいろあると思うけど、バンドとしてはないんじゃないかな。
──ちょうど作ったのが夏じゃない?そういうのとかって影響してる?
HIROMI:うーーーん。でも、リリースが夏だったら良かったのにとは思うよ。
SHINGEN:そうそう、リリースのタイミングとかアルバムを作る段階で全然把握してなくて。
──いつもそうじゃない?
HIROMI:いつもそうだよ。
SHINGEN:だからね~、タイミングとか全然考えてないです。例えば冬だったら、大げさだけどクリスマスソングのことも考えてよかったかなって。だって秋にリリースするのに『夏の鼓動(M-9)』って思いっきり夏の曲も入ってるしね(笑)。
──1枚目のアルバムが出たときに、次回は世界観を持って作りたい!みたいな言い方をしてた気がするんだけど、今回はどうでした?イメージとかは考えて... 。
SHINGEN:作ってないです... 。
HIROMI:でも、いちおうマキシの延長上というか世界観を壊してないし、広がった形になっているのでいい感じにはなってますよ。
──ところで今回、PEZ STOMPにしたら1曲目からインストってのが珍しいなぁと思ったんだけど、そのへんの制作秘話みたいなものを... 。
SHINGEN:曲をいろいろ作って実際アルバムにまとめようって時に、オープニングは「行ってきま~す!」みたいな曲が欲しくて。
──昔からPEZ STOMPってHIROMIちゃんの歌がものすごい武器だと思っていて、インストは無理があるんじゃないかと思ったんだけど、今回すごくいいなと思った。無理なくPEZ STOMPの世界に入ってるというか... 。あと、この曲大勢のゲストプレイヤーがホーン隊で参加しているのに、ギターがきちんとセンターに出てきている感じがしてよかったよ。
SHINGEN:今回もスカのカッティングの曲もあるけど、今まではスカを意識したアプローチしか頭になかったのが、JERRY-Oさん(Gt)の加入で別 に裏打ちでチャカチャカやってなくてもPEZらしい面白いニュアンスが出ることがわかったんです。
──数あるスカバンドの中でも、PEZはスカがベースになっているんだけどそれじゃない何かを意識させるかんじ。スカのリズムはとりあえずあって、そこから広がる何かっていうのがバンドのカラーだと思ったんだけど、今回はそれさえも超えたんじゃない?
SHINGEN:曲をある程度作ってきて、それにみんながいろいろと絡みながら作るんですけど、今回は特によかったかもしれない。
HIROMI:何に関してもそうだよね。作るときにスカを意識するというよりも、PEZ STOMPらしい音が出ればいいかなって。それがバンドの中でわかってきて、これだったらいいだろうみたいな 状況にまでもっていけたかも。
──PEZ STOMPらしいものが十二分に発揮されているね。
SHINGEN:今までやってきたスカパンクって、アメリカ西海岸の中に埋もれていた音楽という中でやってきたけども、今回のセカンドは方向を変えて全部日本語だし... 。やっぱり日本人だしっていうところの意識があったよね。それがPEZらしさにリンクしたんだろうね。
──今回このアルバムを聞いて、もちろん聞かせる曲もあるし爆発している曲もあるしJERRY-Oテイストも入ってて、よりバンドの方向性がわかったのかなぁってのがあるんですけど、それは具体的に何を転機としたんですか?
SHINGEN:やっぱ俺の中でギターが変わったのがデカイですね。それまでは曲作りをやる段階で前のギターが引っ張ってくれて、うちらがやってたって感じだから。それに前作から3年ぶりだし、俺ら的にもいろんなものに興味が広がっていたからね。
HIROMI:ファーストもやりたい曲なんだけど、今回『春風(M-7)』とかゆったり調の曲っていうのは、やりたいし聞きたい。自分が違うバンドとかお客さんだったら、うらやましいなと思える曲な気がする。 ―なるほど。そういう納得の上の曲が無理なく並んだよね。あと、今回作曲がほとんどSHINGENなんだね。
SHINGEN:今まで曲を作ってくれていた前のギターが抜けちゃって、やらなくちゃいけない!ってのと、がんばんなくちゃいけないってのもあるし、そしたら自然に曲を作りたい欲求がでてきて、いっぱい作っちゃった(笑)。
──いい方向に転んだね。曲作りは時間かかった?
SHINGEN:う~ん。それぞれなんだけど。ライブでやってる曲とか、アルバム作るから曲作ろうってのもあるけど、それ以前にライブでやってる曲もちらほらあったんでけっこうスムーズだったよね。でもレコーディングで時間にそれほど余裕があったわけじゃないにもかかわらず、ギターのリフとかもJERRY-Oさんからいろいろアイディアが出てくるからまとめるのも大変で、レコーディングしながらいろんなアイディアをあててって... 。
HIROMI:JERRY-Oさんが一番時間かけた。
SHINGEN:そうそう、今までのギターは完全にリズム隊のリズムとしてやってたんだけど、今のギターはリズムギターっぽいのもやるけども、ウワモノ的なのもやるから。両方のバランスとか勉強になったし、これからも試行錯誤でいろいろPEZとしてできるかなと。
──この作品で何が伝えたかったとかありますか?バンドは結成から5年も経つわけじゃないですか?それも含めて。
SHINGEN:今まで以上に人間臭さみたいなものが出たかもしれない。
HIROMI:曲調が単純に静かになったとしても同じぐらい踊れると思う。 ―私としては、それなりにいいかんじに年月を重ねてきた音がでている気がします。お客さんもPEZとそれなりに年をとってきたはずだから、ちょうどいいんじゃないかな?!
HIROMI:そうかもしれない。新しいお客さんとかいろんな人にPEZを見てもらいたいんだけど、最初に気に入ってくれたお客さんにも続いて見てもらいたいという感覚があって、常にお客さんが入れ替わるんじゃなくて自分達と一緒に成長したい。だから自分達も成長しないとなんだよね。
──JERRY-OさんはPEZとしては初レコーディングですが、JERRY-Oさんを迎えてPEZとしての手応えはどうなんでしょう。
HIROMI:これからやっていくであろう曲とかにうまくマッチしてるし、もっともっといろんなことができそうな気がして楽しみ。
SHINGEN:俺らもいろんなことをやりたくて、、、JERRY-Oさんがいろいろなことできるから。 ―次につながる何かが見えているんでしょうね。そういえば次とかってもう見えてるの?
HIROMI:私達はね~、心を入れ替えて・・・前から入れ替えてるんだけど(笑)、今また新たにあるアイディアをまとめて曲をがんばって作るから絶対今年中にも音源を出す!
──今年中にはもう一枚出すってことはさ、レコ発終わったらそろそろってかんじ?
SHINGEN:すぐには行かないまでもねぇ。
HIROMI:一応目標はあって、それに合わせて曲を作っているから。
──PEZ STOMPって大事に大事に音源を出している感じがするね。
SHINGEN:すぐ出来て、すぐ出すって言う感じではないからね。
──だんだんにというか、ひとつずついい感じになっているような気がするんだけど。
HIROMI・SHINGEN:はい。
SHINGEN:そうしてるつもりです。自分ららしさを突き詰めてがんばりたい!その辺は考えてやらないと...。
──じゃあ今年はバンド的には飛躍の年って事ですね。また、シェルターでレコ発ツアーのファイナルが行われますが。ワンマンなんでしょ。
HIROMI:最近ご無沙汰している人もいるかもしれないですが、ぜひ来て下さい。
SHINGEN:セカンドアルバムの広がった感じをさらに突き詰めて行きたい。日々精進で... 。
──バンドを続けて行けばいいことは必ずあると思うから、このツアーでもっといいこと見つかるといいね。
HIROMI・SHINGEN:そうだね。
HIROMI:PEZ STOMPこれが第二期みたいなところで、昔のテイストも出していきたいし、昔の曲も大好きだしこれから広がる曲もあるし、両方いけたらなと。