プロインタビュアー・吉田豪による対談連載。今回のゲストは、おなじみ杉作J太郎さん。12/5に行われた『Jさん豪さんファンクラブ!』から一部抜粋してお届けします。最近、死にかけたというJさんと、『ラストアイドル』でカツ丼を食わされた(ほとんど肉食べれないのに!)という豪さんの、絶妙な掛け合いをお楽しみください。(構成:石崎典夫/木俣恵太)
「もう心臓が止まったと思ったんだよね」(杉作J太郎)
吉田豪(以下:豪):東京は久しぶりですね。
杉作J太郎(以下:J):今年初めてなのかなぁ。
豪:初めてでしょうね。あれ、1回やってる?
J太郎:(観客から聞いて)やりました?
豪:プラスワンで1回やって、あと、Dommuneで1回ありましたね。
J太郎:やりました? 1回? ……もうなんにも覚えてない(笑)。なんか新鮮ですね。
豪:新鮮ですね。Jさんが体調がよくなったみたいで良かったです、というコメントが来てますけど。
J太郎:そうなんですよ。皆さんとお会いできて良かったです。ホント死にかけてねぇ……。
豪:そうなんですよね。
J太郎:もう心臓が止まったと思ったんだよね。あぁ、もう今日で終わりだ、っていう日があったんですけど……いやぁ、良かったぁ。あ、良かったこともないよな、死んでても良かったんですけどねぇ……(しみじみと)。
豪:しばらくJさんのメルマガから、死の匂いがプンプンしてましたよ。
J太郎:いやホントに、今でもですよ。別に死んでも、そんなに心残りもないですね……ま、そんなこと言ってたら(客席を指して)この辺から、「じゃ、殺してやるわ!」みたいに来たりして。
豪:大丈夫だと思いますよ(笑)。
J太郎:だからこの間、高取(英)さんが死んだっていう、あれ聞いた時もね、「先、越された!」って思ったもんね。勝谷さんも同じ日ぐらいに死んだでしょ?
豪:そうですね、勝谷誠彦さん。
J太郎:だからあの、今は……(と、店員が運んできたカレーを見てニヤリ)。
豪:嬉しそうだ(笑)。
J太郎:いやぁ、やっぱり生きてる証拠ですよ、これねぇ!(満面の笑み)
豪:カレーが(笑)。
J太郎:死んだらこれ、食べられないですからねぇー。っは~、ありがたい。(目の前の皿を指して)これまた、コロッケがいいじゃない! これを、このカレーに入れたらどうかなぁ〜(満面の笑み)。
豪:(鼻で笑って)フフ……健康、気にし始めてるんですよね?(笑)
J太郎:(コロッケカレー食べながら)うん、あの、すごい気にしてますよ。だから、それで死ななかった後はね、東京に来てる間はちょっとできないですけど、松山にいる間はね、毎日、朝起きると同時にね、もう1分後からタマネギ切ってますからね。
豪:タマネギスープを作って。
J太郎:うん、タマネギスープを作って……。だから今もほら、水をね(ステージテーブル上に自前の水を用意している)。
豪:ほう。
J太郎:いやホントね、一時期は、もういよいよだと思ってましたね。
豪:だって、前に小林清美先生に会った時に死ぬって言われたわけですよね?
J太郎:そうそう、彼女の大予言というかね。だって、全部当たってるって言ってたけどホントなのアレは?
豪:(首をかしげる)
J太郎:怪しい? え、何!? 彼女はウソつきなの?(笑)
豪:いやいや! 小林清美先生は真顔で、「今、宇宙人が見てるよ」とか言う人なんで、どこまでがホントかは分からない(笑)。
J太郎:宇宙人とセックスしてるって言ったんでしょ?
豪:言ってましたねぇ。
J太郎:テレビでも言ったんでしょ。
豪:言ってましたねぇ。その結果、全国から大量にDMが殺到して、「僕ともセックスしてください!」って高校生とかが……(笑)。
J太郎:それはあの、宇宙人的なセックスでしょ?
豪:そうですね。
J太郎:いや、なんせボクが初めてお会いした時に、彼女がなんか口ごもってね……。
豪:うんうん。
J太郎:だから、「なんかあるんですか?」って聞いたら、「人の死期が、私は全部わかるんです」って言ってね。死ぬ光景が見えるんだと。で、それはもう、絶対的に当たる、いや、当たると言うより見えるだけだから、その人の最期が。「杉作さんのが見えてますよ」って言われてね。
豪:やばいじゃないですか。
J太郎:ま、僕も最初はね、変なこと言ってるな、くらいに思ってね。「あぁ、そうですかぁ、じゃあ、気をつけておかなきゃいけませんね」って言ったらね、なんかすごい真顔になってね。
豪:え!
J太郎:「そんなに先の話じゃないんですよね……」って言われて(笑)。
豪:ハハハハ!
J太郎:「えぇーー!!」と思ってね(笑)。「あの、杉作さんが今思われたような、“いつか”とか“だいぶ先”とか、そういうんじゃないんだ」と。もうかなり、思ってるより遥かに手前で確実に死ぬって言うんで……まあ、その時は覚悟しましてね。それ以来、彼女に言われたことが、頭の中にずっとあったもんですから、まあ、「確かにぼちぼちだろうな」くらいにはねぇ……僕の場合、病院にもあんまりいかないから。
豪:え? なんで病院に行かないんですか?
J太郎:元気だからですよ!! (笑)
豪:えぇ!?(笑) でも病院に行けるようになったんですよね。どうしてですか?
J太郎:(意表を突かれて)……! ちょっと、人多すぎませんか、これ(苦笑)。
豪:ダハハハ!!
J太郎:これだけいたら、「書くな」って言っても、書くやつ2人ぐらいはいるよ!
豪:大丈夫ですよ。書かないですよ。……テレビカメラ(テレビ朝日『EXD44』)は入ってますけど!
J太郎:後々、ゆすられるかもしれないからね(笑)。
“肉が赤い”カツ丼の真相
J太郎:(スペシャルメニューのカツ丼を指して)これはどうだった?
豪:カツ丼の評判がツイッター上では非常に悪かったですね。
J太郎:これは豪ちゃんが、何の番組で? 『ラストアイドル』で食べたの?
豪:『ラストアイドル』ですね。
J太郎:そのアイドルの娘が作ったの?
豪:あの番組がバラエティー路線になったんですよ。で、バラエティー路線になったから出番ないかと思ったら、料理対決の審査員をやってほしい、ってオファーが来て。
J太郎:うん。
豪:「いいですよ」って引き受けた後で、「ちょっと待てよ、ボク食べられない物、相当あるぞ」と思って、「大丈夫ですか?」ってメールして。
J太郎:食べれない物っていうのは、簡単に言うと、肉?
豪:肉、魚関係……そしたら、「とりあえず、1週目はカツ丼対決です」っていうのが来て(笑)。
J太郎:フフフ! へぇ!
豪:「ま、食べられないことはないですけど……」って送ったら、「お願いします!」って(笑)。
J太郎:アレルギーとかじゃないんでしょ?
豪:そうですね。肉はまあ食べられる、魚は無理、っていう感じで。
J太郎:アレルギー?
豪:いやいや、まあ、魚は単純に好き嫌いで……多分テレビで食べたら、普通にボク泣きますよ(笑)。
J太郎:テレビって、そうなると余計食べさせたいじゃん(笑)。
豪:ダハハハ! 食べないですけどね(笑)。
J太郎:カツ丼って、マズく作る方が難しいでしょうに。
豪:だから、まずスマホを取り上げて、レシピが一切調べられない状況にして。で、買い物からやらせて、なおかつ、カツも揚げるとこからやらせてるんですよ。
J太郎:あ、それは大変だね。
豪:“カツ用の肉”っていう概念もない娘たちなんで。巨大なブロック肉をものすごい低温で、じっくりと揚げて(笑)。
J太郎:フフフ!
豪:だから、油がしみまくってるだけで全然火が通ってないわけですよ(笑)。
J太郎:えぇ!!
豪:誰がどう見ても切った断面が真っ赤なんですよ(笑)。それを、「さあ、吉田さん!」って(笑)。
J太郎:よく食べたね!!
豪:いや、だから現場では、「よく食べた」と言われたんですけど、地上波でオンエアするのは難しいから、危険な感じはだいぶ切られてるんですよ。
J太郎:やっぱり、普段から肉食わなかったバチが当たったんだね(笑)。
豪:え!
J太郎:やっぱりうまくできてるねぇ、これ(笑)。
豪:この日に、カキフライを作るメンバーもいて。
J太郎:それも危ないだろ~(笑)。
豪:で、おぎやはぎさんが食べた瞬間に、「生だ!!」って言ったんです(笑)。
J太郎:フフ!!
豪:ただ、「でも美味しい!」って言って。実は、生でも食べられるいいカキを使ってて。
J太郎:生食用のね。
豪:そうそう。生のカキに衣がついてる状態で、「これはこれで美味しい」って言ったんですけど、やっぱりナマ感を強調するのは微妙みたいで……地上波では全部カットになってましたね。
J太郎:あぁ。でも、番組はやっぱりプロが作るから。ナマだと危ない物を、わざと出してくるんだろうな。
豪:ですね。
J太郎:豚肉とか、カキとか……よく食べましたねぇ!
豪:食べましたねぇ。
J太郎:で、全然なんともなかったの?
豪:スタッフが一番、心配してましたね。
J太郎:でも、いい肉だったんだろうね。その豚肉が。
豪:どうなのかなぁ。
J太郎:ボロの豚肉だったら、今ごろ死んでるよ。俺より先に(笑)。
豪:ハハハ!
J太郎:今、死のレースをやってるから。
豪:誰とやってるんですか(笑)。