杉作J太郎の「アーティスト宣言」!
吉田豪(以下:豪) さっき控え室で話してた話、発表しましょうよ。杉作さんの「アーティスト宣言」。
会場 え〜!
杉作J太郎(以下:J) いやぁ、実はね、この前豪ちゃんも来てくれた男の墓場の合宿所、って言ってもまぁコブラの家なんですけど(笑)、あそこってアイドルのポスターを壁全面に貼ってあるじゃないですか。
豪 はいはい、BUBKAにもモノクロで載ってましたよね。
J 今度福山市のちゃんとした美術館で「恋愛」というテーマで秋に美術の展示があるんですよ。ホームページを見たらちゃんとした美術家の方ばかりで。実は僕の名前も既にそこに掲載してあって、美術家のなかの一人として美術展示をすることになったんですよ。どうやら僕がそこですることは美術館の中にポスターだらけの合宿所を再現するということで。
豪 ダハハ! Jさんが現代美術家になったわけですよね。
J そうなんですよ。僕もね、前々から合宿所の壁を見て「アート臭いな」とは思っていたんですよ(笑)。
豪 ダハハハハ!
J だから僕、来年あたりにあの部屋と一緒にニューヨークとか行って展示されるんじゃないかなと思うんですよね(笑)。豪ちゃんの本(『サブカル・スーパースター鬱伝』)でもあるように、どん底のときにアイドルのポスターを貼り始めた男がアーティストですよ。
豪 男しかいない空間に耐えられなくて、女性のグラビアが必要だったんですよね。
J ホリエモンさんが刑務所のなかで週プレを読むのが楽しみだって言っているのと一緒ですよ。
豪 あと一個言っときますか。高城さんの話。
J ………そうなんですよ。先日AKB48、フレンチキスの高城亜樹さんにお会いしたんですよ。ただまぁ、こんな話皆さん興味ないでしょうし、時間余ったらにしましょう。
豪 え〜、なんで出し惜しみするんですか!
Jさんと高城亜樹の『ローマの休日』!
豪 そろそろ高城さんの話、いきましょうか。(イベント中Jさんは高城さんの話をすることを渋り、この話を始めたのはイベントラスト10分のこと)
J ………いきますか。このまえ、横浜スタジアムに野球の試合を観に行ってきたんですよ。
豪 あぁ、このまえ始球式されてましたよね。
J その前の試合で、オールスター前の最後の広島カープの試合だっていうのでコブラと行ってきたんです。そしたらね、スタジアムにフレンチキスのポスターが貼ってあって。もうびっくりしてね、最近僕たちはフレンチキスの話しかしてないから、コブラも本当に興奮して「どういうことなんですか! なんでこんなところにフレンチキスが!」とか言って。僕は「倉持の親父が元野球選手だからいろんな野球場に貼ってまわってるに違いない」とか言って。そしたら場内放送で「3日後にフレンチキス始球式があります」とか言ってて。慌てて手帳見たら3日後は「しまおまほと対談」って書いてあったからすぐに電話して「はい、中止〜!」ってお願いして。
豪 ダハハハハ!
J 「よし、これで自由に行けるぞ!」ってなって。そしたらね、これはブレイクマックスのほうに載ってるから詳しいことはそちらを参照してもらいたいんですけど、取材で行けることになったんですよ。
豪 Twitterでつぶやいたらそれが仕事になったんですよね。
J そうですそうです。で、取材当日なんですけど、トラブルが起きて。これは些細な話で、現代社会においてよくある話だとは思うんですけど携帯で電車の乗り換え案内を調べたらですね。僕は三軒茶屋に住んでるんですけどそこから鷺沼で乗り換えて、地下鉄で横浜スタジアムまで行くというルートが表示されたんですよ。元々かなり早い時間に到着する予定だったんですけど、三軒茶屋で一本乗り過ごしちゃって。そしたらどうやら最初に出てたルートが、急行→急行でスムーズに行くやつだったらしく、3分次の電車に乗っただけで野球場に着くのが始球式が始まる5分前になっちゃったんですよ。
豪 それはヤバイですね。
J 「え〜!」と思って。駅から野球場までがどう走っても3分はかかるんですよ。でも携帯の案内って乗り換えに余裕を持たせて表示してるはずだからどこかでダッシュすれば、急行に乗れると思ったんですよ。ただね、僕そのときションベンに行きたくて行きたくて気が狂いそうで。
豪 ダハハ!
J ただ始球式が見たいからションベン我慢して頑張って走ったんですけどやっぱり無理で。野球場の最寄り駅に着いたのはやっぱり5分前だったんですね。球場に急いで「マスコミ受付はどこですか?」って近くにいた係員の人に聞いたらそれがまた結構遠くて。しかも階段をだいぶ下りなきゃいけなかったんで『太陽に吠えろ』みたいにわぁーっと飛び降りたんですよ。でも全然見つかんなくてもう一回係員の人に聞きに行ったんだけど、全然見つからなくて。しかもその頃「始球式がまもなく始まります」っていうアナウンスも流れ始めてて。もう俺は「これ見れなかったら死ぬんだな」とか思って。
会場 爆笑
J 実はね、僕は普段からアイドルはそんなに好きじゃないと思っているんですよ。
豪 え! そうなんですか?
J いや、女性は好きなんですよ。ただ好きな女性にアイドルを当てはめている程度で、アイドルソングも含めて無理して好きになってるぐらいの感じだと思っていたんですよ。でも『太陽に吠えろ』みたいに汗まみれになりながら一生懸命走って。そのときにね、自分の気持ちを知ったんですよ。「やっぱり俺、アイドル好きなんだな」って。
豪 ダハハハハ!
J もうね、本当に走って走って。横浜スタジアムって官庁街だからスーツ姿のおっさんがいっぱい歩いてたんですけど、もうドラマみたいに「どけー!」って言って突き飛ばしながら走っていって。
豪 絶対事件かなんかだと思われてましたよね。
J で、係員の人にまた教えてもらって、必死こいて走って行ったらですね、これもまた話変わるんですけど、現代の文明の素晴らしさというか、インカムの素晴らしさを感じましたね。さっきの係員の人が別の係員にすでにインカムで連絡してたおかげで、係員がみんなランナーコーチみたいにぐるぐる腕を回しながら「こっち〜」って順路を誘導してくれるんですよ。「うわ〜、情報来てるんだ〜」みたいな。で、やっとのことでマスコミ受付に着いたんですが、汗でびしょびしょだし身分証明書も持ってない僕は明らかに不審者なんですよ。でもエイベックスの人は立派ですね。「会場にご案内しながらお話を伺いましょう」って言って始球式が見れるとこまで案内してくださったんですよ。
豪 すごい!
J で、グラウンドに着いたときはまだ始球式は始まってなくて。ただ僕は予定時刻に完全に遅刻だったので、他のマスコミの人とは別にひとりでヤクルトベンチで見ることになったんですよ。ふと視線を感じて振り返ったら5メートルぐらい先からヤクルトの小川監督がものすごい不審そうな顔でこっちを見てたりして。
豪 ダハハハハ!
J 小川監督は完全に僕のこと不審者と思ってた思うんですけど、そしたらね、一部怖い声も観客席から聞こえてきたんですよ。「おいおい、なんでJ太郎がいるんだよ!」って。
豪 バレたんだ(笑)。
J 毎度のパターンだったんですけど、なんで我々は嫌われるんだっていう。ただそのあと無事にフレンチキスの始球式と歌のライブが終わって「いいもん見たな〜」って思ってたんですけど、僕、三軒茶屋からずっとションベン我慢してたこと思いだして。係員のおばさんに「トイレどこですか?」って聞いたら「通路、ずーっと行ったところにありますよ」って教えてもらって薄暗い通路を血相変えながら小走りで行ってたら、向こうから派手な服装の女性がやってきて、それが高城さんだったんですよ。もう俺、ションベンちびるかと思って。
会場 爆笑
J 本当に「え〜! こんなところで!」って思って。狭い通路だから譲り合わなきゃいけないんですけど、そのときに高城さんが「おつかれさまです」って言って通りすぎて行ったんですよ。もう僕びっくりしてね、そのあと便所でなにがあったか覚えてないぐらい舞い上がってしまいました。だからね、これって結局ションベン我慢してなかったら会えなかったんですよ。………高城さんの話は以上です!
豪 ダハハ! これってさっきJさんが控え室で『ローマの休日』みたいな話があるんですよって言ってたやつですよね。『ローマの休日』感ゼロでしょ(笑)。
J いやいや、今の話を脚色すれば『ローマの休日』ですよ。僕ね、合宿所でコブラたちに「高城さんに会ったらどうします?」って言われて「ションベンちびっちゃうだろうねえ」って冗談で言ってたんですけど、完全に自分で伏線を張ってたんですよね(笑)。