「パンツが見えたぐらいで喜ぶと思うなよ!」
豪 この前、宇川直宏くんのネット番組『DOMMUNE』に出た時、最前列の女性がパンチラしたってJさんが生放送で大騒ぎしはじめたじゃないですか。「パンチラだ、パンチラだ?!」って(笑)。
J あれはビックリしましたよ!
豪 しかも、それだけ騒いでおいて、「実はパンチラされても嬉しくないし、むしろこれはセクハラされた気分だ! むしろ、こっちが訴えてもいい!」って言い始めて(笑)。
J そう、被害者ですよ! 見たくもないものを見せられて、騒ぎたくもないのに騒がされてねえ……。
豪 すっかり酷い目に遭った、と。
J えぇ、ホント酷い目に遭いました!
豪 その女子、怒りますよ(笑)。
J (無視して)基本的にセックス全般で酷い目に遭ってますから。入れたくもない所に入れさせられて、立たせたくもないのに立たせられて、喘ぎにも付き合わされて。全くいい迷惑です!
豪 訴えたら勝てるレベルですかね。
J 裁判にしたいぐらいです。セックス裁判ですよ!
豪 そのスタンスがよくわからないんですよね。Jさんはパンツを見たら大喜びする人ってイメージじゃないですか。
J だから、若い頃は何の疑問もなくステレオタイプとして喜んでたと思うんですよ。見たら喜ぶものとして。
豪 条件反射みたいな感じで。そういう意味では、JさんのLL.COOL.J太郎の名曲『LESSON SEX』にも印象的なフレーズがありましたよね。「♪ブラ透け、ブラ透け、嬉しいな! ……)まぁ、そんな嬉しい訳じゃないんですけどね」って、騒いだ後で突然冷静になる(笑)。
J その通りですよ。だから、30歳くらいまでは無条件に喜んでたフリをしていたのかもしれないけど、やっぱりもうそろそろ後世のためにも、いままで大人たちがスルーしてきた“性的な歪み”について本音で語っていくべきだろう、と。ホント、パンツが見えて喜んでると思ったら大間違いですよ! 喜んでないけど喜んだフリをする、このマナーをお前もわかれ!と。
豪 確かにパンチラとか見て「嬉しくない」って言ったら性癖を疑われますよね。ホモ?みたいな。
J ホントホント。それも、いい迷惑なわけでしょ?
豪 パンチラで喜べないっていうと、どのレベルだったら嬉しいんですか?
J 「触らせろ!」と。ホントですよ! 見ただけで誰が嬉しいんだって!
豪 中学生じゃないんだから。
J バカにするなって! (股間に手を伸ばすジェスチャーで)触れさせろ! 触れさせるからには洗っとけ! みたいな(笑)。……ってことを考えると、「洗ってないものを見せるな!」ってことになりますね。
豪 汚いものを頼んでもないのに見せやがって! と(笑)。
J そんなハッキリ洗ってるかどうか分からないものを見て喜ぶと思うなよ! みたいなね。それはハッキリさせておかないと。絶対に誤解があると思うんだよなあ。
豪 その主張にもそれなりに説得力はあるんですけど、Jさんはツメが甘いんですよね。DOMMUNEのときも、「見たくもないパンツを見せやがって!」って感じで怒ったかと思ったら、「僕が被告ですよ!」って失言しちゃって。「被害者」が正解なのに加害者じゃねぇかよって(笑)。
J だから、いまここで喋ってることも、あくまで叩き台ですから。マジメな話をしますと世の中にはホモもレズもいて、性同一性障害とかインポとか性的に悩みを抱えている人がいると思うんですけど、おそらくこのままいくと最終的にはセックスに法律が入ってきますよ。
豪 どういうことですか?
J たとえば男同士で結婚するとか性転換とかに法律が入ってきて、おそらくED法とかも出来ると思う。
豪 インポを保護する法律が(笑)。
J EDは人類の種の保存に関わる問題ですから! おそらく全面的に保険が適用されるようになると思う。そうなってくると、セックスにドンドン法律が入ってくるような気がして。だから、いまこそ問題意識を高めてセックス論争をやるべきでしょ! イザとなったらどうなるかわからないんだし、いまから叩き台を作っておかなきゃいけなんですよ!
豪 じゃあ、『朝まで生テレビ』でクンニについて語り合うぐらいの時代にならなきゃいけないってことですよね。
J 絶対そうです! 誰だってみんな女性の股から生まれてきてるわけですから、セックスについて語れない人っていないと思うんです。もう各ジャンルから色んな論客を呼びますからね。
豪 最近、僕がJさんのモノマネで一番好きなのは、クンニを語る姜尚中なんですよ。
J (姜尚中風にカタコトのいい声で)「クンニトイウノハデスネ……」
豪 これ、ボクが勝手に「クン尚中」って命名したんですけどね(笑)。
──姜さんの女性ファンが怒りそうですよ(笑)。
J いや、もし姜さんのファンの方が怒っても、どうします? 姜さんが「私ハソノ話デキナイケドモ、クンニニ関シテハ君ニ任セタ」って言ってきたら(笑)。だから、クンニ部門のトップは僕として。まぁ、いずれパンチラ討論会も必要でしょ。女子の意見も絶対聞いた方がいいと思う。
豪 確かに、パンチラってチラッと見えるから嬉しい気がするですけどね。一瞬だから。
J チラっと見えた時の喜ぶ気持ちは嘘じゃないんだけど、その喜びがどこから来てるのかと思うと怪しいんですよね。なんか寝てる間に、知らない人から移植されたような感じの喜び方じゃないですか。心の底からワーッとリビドー的なもので喜んでるんじゃなくて、長い人生の中で植えつけられた記憶みたいな。
豪 それで「パンチラ=いいもの」と植え付けられて。
J そう、喜ばなきゃいけないみたいな。喜んだ後で「……あれ? 俺、なんで喜んでるんだろう?」みたいなね(笑)。
豪 そんなに嬉しくないのに。
J まだ触ってもないのに。それで触ったところで、そんなキレイでも……って、また同じ話になっちゃいますけど(笑)。だって、パンツが見えて喜ぶってのは異常事態ですよ! パンティって基本的に汚いものじゃないですか!
豪 まぁ、清潔を保つ続けるのは困難なものですよね。
J 白いパンティやブリーフは、必ずオシッコのトコが黄ばんできますよ! それがフワッと見えるってことは、若干、股間の黄色くなった所からアンモニアの粉末みたいなのが飛び散ったりするわけでしょ? つまり、お前は小便を被ってワーッっと興奮するのか? ってことですよね。
豪 まぁ、そういう性癖の人も居ますけど(笑)。
J ここが難しいところですよ。そういう人のことって、僕たちは「小便を被って喜ぶ人」ってカテゴリーにしてますけど、その小便を被って興奮する人の性癖もどっかで植えつけられたものだったらどうします?
豪 『トータル・リコール』みたいな話ですね(笑)。
J そう考えると、性的なものに対する皆の反応って俄かに信じがたいんですよね。
「今は性の幕末ですよ!」
豪 しかし、Jさんの反クンニ論をボクはもう4?5回は聞いてるんですけど、まだ新たな視点が出てくるのはすごいですよね(笑)。
J そりゃそうですよ! 人類何千年の歴史の中で、よくぞガリレオもアリストテレスもここを残しておいてくれた、と(笑)。いま、このテーマで討論している人達は哲人ですよ! いまから100年後に、みんなの名前が新書に出てますから(笑)。
豪 「あのときクンニをテーマに思考を重ねた男たちがいた」と(笑)。
J 何千年の歴史の中で初めて語られるテーマ。最も近くて最も遠いものだったんでしょうね。
豪 近すぎて見えてなかった。
J それがマンコである。そしてマンコの匂いである。
豪 いまクンニのパラダイムシフトが行われつつあると。
J だから、いまこの予算と体制ではそこまで出来ないかもしれないけど、もうちょっとこれがアカデミックな展開でもしないと、ただのエロオヤジになっちゃいますから。いずれはモデルさんでも呼んでパンティーを履かせて、みんなが見てる前で濡らしてみて、そして濡れたマンコがいい匂いなのか、濡れた側の女性がこの濡れたパンティーに対して率直にどう思うか、それも一人じゃ分からないから三人くらい並べてみんな濡れさせて、濡れた女同士でトークしてみる。かなり細かい話はしなきゃいけないだろうね、いずれ。
豪 ロフトプラスワンで?
J いや、国会でやるかもしれない(笑)。で、いずれ姜尚中も来ますよ。我々は姜尚中の先乗り部隊として……。
豪 先走り汁として(笑)。
J いつかは話し合わなければいけないことなんですよ、ホントに! だから、どこまで残りの人生あるか分かりませんけど、このままじゃ気になって死ねない! ホントいまは性の幕末ですよ!
豪 今までは性の鎖国状態だったけれど。
J そう、我々は幕末に生きる性の獅子ですよ!
豪 だんだんJさんが龍馬に見えてきましたよ。
J ……剛じゃないでしょうね?
豪 剛竜馬じゃないです(笑)。