マキタ夫人と平野悠(ロフト会長)の関係とは!?
吉田豪(以下:豪) ボクとマキタさんの接点がちゃんと出来たのは「SPA!」のインタビューからですよね。その前は顔見知り程度というか。
マキタスポーツ(以下:マ) 何回かプラスワンで挨拶はしてるんですよ。でも、仕事でちゃんとお会いしたのは、そのインタビューですね。
豪 「エッジな人々」で。
マ 文字通り、ほんとにエッジな人々だって水道橋博士がネタにしてた時もありましたけど。
豪 崖っぷち的な意味で(笑)。普通、あそこに出る頃には売れてるハズなのに、なぜあのタイミングで? って思いますよね。
マ そうですよ! だからまず、あのタイミングに凄い照れてる自分がいて。だって、その前の週がリドリー・スコットだったし(笑)
豪 明らかに先端的な意味のエッジですよね(笑)。ボク、インタビューの時に何を聞けばいいのかと思って、マキタさんと共通の知人に探りを入れたんですよ。そしたら、浮気して奥さんに探偵を雇われたことがあるって話が出てきて(笑)
マ それは、結婚して1年目くらいですかね……。僕の誕生日に、欲しかったローラースケートを妻が買ってくれて。そのローラースケートを履いて、仕事と偽って彼女と会ってたんですね、道玄坂で。で、あの辺の坂道を利用して、彼女に手を引かれながら、坂道の傾斜を利用して、そのままラブホテルに入っていくというね。
豪 「あぁ〜、止まらない!」って(笑)
マ で、その一連の流れを全て探偵に見られていたというね。
豪 まぁ目立ち過ぎますからね、それは(笑)
マ 俺は全然、大丈夫だと思ってたの。それまでも全く女房が嗅ぎ回ってる感じがなかったから、平気で色んなことやってましたよ。
豪 マキタさんの奥さんって、元々ロフトプラスワンの店員じゃないですか。
マ そう、平野悠(ロフト会長)と怪しい関係だったんですけど(笑)。なんか東南アジアにバックパッカーツアーで、当時まだプラスワンに入りたてのウチの奥さんと、平野悠と、ウクレレ君(プラスワン店長)と一緒に取材旅行に行って。ウチの奥さんが言うには「多分、私は平野悠に気に入られてた」と。で、「大内(※奥さんの旧姓)をプラスワンのアイドルにして売り出そうと思っている」と言われたらしい。典型的な昭和の芸能界みたいなことを言われて。
豪 もしくは昭和の悪徳芸能プロというか(笑)
マ 「ロフトプラスワンというハレの舞台でデビューされてあげよう」って。どこがハレの舞台だよ(笑)
豪 文字通りの地下アイドルですね(笑)
マ 本人は結構その気になってたみたいですけど、ウチの奥さんがこれまた世間知らずで、もの凄いインドア派でもあるんですよ。それがいきなり東南アジアの小汚い所に連れて行かれて、もうカルチャーショック受けちゃって。
豪 ああ、インドに行って長渕剛が変わっちゃったような感じで。
マ いや、そうじゃなくてすぐお腹が痛くなったりとか(笑)。それに対して平野悠が色々説教したらしいんですよ。「もっと景色を見ろ」とか(笑)。そしたらウチの奥さんが怒っちゃって。「なんでヒゲのスケベオヤジにそんなこと言われなきゃなんねぇんだ!」って(笑)。で、喧嘩しちゃって、とりあえず本は出たんですけども(※『旅人の唄を聞いてくれ! ライブハウス親父の世界84カ国放浪記』/小社刊)、内容も大幅に変更されて……。今でもグチグチ言ってますよ、悠さんにヒドイ事書かれたって。自分の思惑とのズレが相当ヒドかったみたいですね。
豪 へぇ〜。じゃあ、読んでみますよ。
マ まぁ平野悠としては、22、3歳のケツの青い女の性根を、旅を通じて叩き直してやったんだ、みたいな気があるみたいで。けど、ウチの嫁からしたら、冗談じゃない、と。あんたの尻尾掴んでやったぞ、みたいな(笑)。そういうクダラナイ言い合いがあったみたいで。僕は今でも、悠さんは先っちょくらいは入れたんじゃないかと思ってるけどね(笑)。
マキタスポーツ、プラスワン初登場! しかし…?
豪 そういう意味でもマキタさんはプラスワンと縁深いですよね。
マ そうですよ。僕は「浅草お兄さん会」っていうライブで、遅ればせながら28歳でデビューしたんですけど、気持ちだけは若いですから。「浅草お兄さん会」には東京ダイナマイトのハチミツ二郎とか鳥肌実とか、結構鼻っぱしらの強い魑魅魍魎が蠢いていて。その中で俺も何かしらやってやろうと思って、ロフトプラスワンを借りて初めてのトークライブを1年目にやったんですよね。で、舞台上でおしっこをして、当時、ハチミツ二郎の相方だった曽根卍という男が、なぜか横になって、僕のおしっこを口で受け止めたんですよね。で、ボコボコ〜ってしばらく入った後に、「ガァ〜、マズイ」って言ったんですよ。
豪 八名信夫リアクションですね(笑)
マ 味わってんじゃねぇかって(笑)。そんな事をしてもプラスワンでは許されるんじゃないかと思ってたんですよ。
豪 まぁ、新宿ロフトの流れで言えば非常階段みたいなもんですからね。
マ だから大丈夫だろうと思ったけど、当時でも相当お客さんが引いてまして、あろうことか当時プラスワンのプロデューサーだった斉藤さんも物凄く引いていて。店員さんもダメなんだと。ウケないし、プロデューサーさんにもダメだし。
豪 SMイベント的な場での放尿ならいいんでしょうけどね。
マ そうなんだよね。何だかよくわからねぇ、鼻息の荒い、何となくお笑いを得意そうな人達が、身内乗りで盛り上がった挙句、泥酔して、小便はするしゲロも吐いてだから最悪でしたよ。それを思うと今のロフトプラスワンは、だいぶ地上波と地続きな感がするし。
豪 知ってる芸人さんが普通に出ますからね。
マ 売れてる人が出てるから。
豪 昔は地下芸人ばっかり出てたし。
マ 地下芸人しか絶対出られないと思ってたし、俺ら目指す訳ではないけど、一種、通過儀礼的にして、そこで物凄いヨゴレ仕事やってやれ! みたいな感じで思ってたんですけどね。
天才か!? 変人か!? 宮崎吐夢とは?
豪 じゃあ、そろそろ3月5日のトークライブの告知でもしますか。
マ あぁ、宮崎吐夢さんと僕と豪さんの3人で時事問題を語るという。
豪 昨年の大晦日、プラスワンのイベント用に急遽組んだ謎のトリオなんですけど、それが好評だったってことで単独イベントをやってみようか、と。
マ 吐夢さんも新たな喋り手として、凄い面白い存在じゃないですか。
豪 独特の空気ですよね。プラスワン的な人たちともまた違う、邪気は無いんだけど、無邪気な笑顔で邪悪な方へと突っ込んでいく感じ(笑)
マ そうそう!
豪 ボクらがギリギリの話をしていると笑顔で「へぇ〜そうですか〜」って言ってるんですけど、これ以上話すとヤバイから別の話題に移ってるのに、「それにしても、さっきのあの話は……」って無邪気に話を戻しちゃう。そこは掘り下げちゃダメでしょってポイントになぜか突っ込んでいくから、マネージャーさんも頭を抱えてました(笑)
マ 僕も豪さんもギリギリの所って分かってるじゃないですか。それを分かった上で話を振ったりしてますけど、あの人は全然違いますからね。
豪 ひたすら読めない自分だけの間で、不思議な攻撃を繰り返す、みたいな。
マ 正直トークライブ、結構やらせてもらってますけど、凄く喋りづらかったです(笑)。だけど、それが状態として悪いわけじゃない。
豪 なんだか微笑ましい空気感が出るんですよね(笑)。この前、新宿ロフトでしりあがり寿さんのイベントがあったんですけど、あのときの吐夢さんの子供イジリ、最高だったじゃないですか。
マ ああ、あれはひどかった!
豪 控室でマキタさんがずっとお子さん2人と遊んでて、吐夢さんが「あ〜、子供可愛いですね〜」って笑顔で言ってたんで、「吐夢さんは子供好きなんですか?」って聞いたら「いや、嫌いです〜」って(笑)
マ もうニコニコしながら「嫌いです〜」ってね。
豪 「見てる分にはいいんですけどね、ペットと同じで。ペットも飼うと最悪なこと想像しちゃうんですよ〜」「だからマキタさんも、子供は必ず死ぬものだと思って育てた方がいいですよ〜」って、子供の前で何言ってるんだっていう(笑)
マ 思わず「あぁ〜そうですね〜」って言った直後、豪さんのツッコミで冷静になって「そうだよ! なに言ってるんですか、あなた!」って言い返してね(笑)
豪 天使のような微笑みで悪魔のようなことを口にする。ホントどうかしてますよ、吐夢さんって(笑)
(以下、次号に続く)