写真×対談企画、第19弾のゲストは2016年にキングオブコント優勝を果たしたライス・関町知弘さん。恵比寿育ちの都会っ子・関町さんの「気にしい」なこだわりなどを伺いました。普段ほとんど接点のない2人の「次の仕事までの空き時間、たまたま会ったから」交わしているような気負いのない会話と、なぜだかドラマチックが滲み出ている写真たちをお楽しみください。(撮影/PANORAMA FAMILY 文・構成/山脇唯)
「俺も行きたいです」って言っちゃっていいのかな、とかいっつも思っちゃうんですよね。
山脇:普通のことをお話していただく企画です。といっても、いきなり何から話せばいいかって感じですよね。
関町:山脇さんと一緒にごはんいったり飲みにいったりとか、あんまりないですもんね、意外と。
山脇:はい。前にバッファロー吾郎A先生のお誕生会で、渋谷の焼肉屋にみんなで行きましたよね。
関町:行きましたね。結構前ですよね。
山脇:関町さんがA先生に用意したプレゼントがやたら大きくて。隣りの席にいた会社員グループも「なんだなんだ」ってざわついて。
関町:注目されて「こいつ、とんでもないプレゼント用意してるぞ」みたいな空気になって。そしたら、なんてことない、ただの富士山のカレンダー……色んな角度から撮ってる富士山の。
山脇:ね。
関町:よく覚えてますね。よっぽどてんぱってたんでしょうね俺。
山脇:でも、いいカレンダーでしたよね。
関町:そうなんですよ、あれは、俺ももらったら嬉しい……自分では買わないですけど。プレゼントって迷うじゃないですか。変にいいものあげても、周りの人になんか、あれだし。
山脇:良すぎても、ね。
関町:本当にいらないものは、プライド的に……。センスをちょっと見せたいってのもあるし。プレゼントって永遠のテーマですよね。
山脇:関町さん……全然遊びにきてくれないですよね。
関町:どういうことですか。
山脇:LINEグループで収集かけて東中野とかで呑む時とかに、全然来てくれないな、っていう印象です。
関町:僕的には、あのグループには入ってるんですけど、自分だけ明らかにみんなと距離が違う気がしちゃってて。「俺も行きたいです」って言っちゃっていいのかな、とかいっつも思っちゃうんですよね。
山脇:逆に、全然反応がないから、来たくないのかな、って思ってました。
関町:僕も気にしいなんで、「僕この日、無理なんです」とか言った所で「いや、お前ハナっからメンバーに入ってないんだけど」とか思われたらどうしよう、とか。
山脇:でも、グループ全員に呼びかけてるんだから、そんなのないですよ。
関町:そうなんですよね、でも東中野だから、そのへんに住んでる人じゃないと変な空気になるのかな、とか、僕なりに考えてるんですけど……今後は僕にも呼びかけてるんだ、ってちゃんと意識して、反応します。
山脇:東中野もほぼ新宿みたいなもんですから、わざわざ来たんだ、とか思わないですよ、大丈夫。
関町:勝手に自分の中で、僕は2軍というか……ギースさんや鬼ヶ島の野田さんたちほどイベントとかも呼ばれてないので。
山脇:それは関町さんがお忙しいからですよ。
関町:全然、むちゃくちゃ暇なときありますよ。
山脇:じゃあ来たらいいのに、遊んでくれたらいいのに。
関町:すいません、気にしいで。
山脇:いつも、きっと劇場で忙しいんだろうなあ、撮影とかあるのかなあ、と思ってました。
関町:初期のころは、毎回返したりしてたんですけど、なんかやっぱり、なんでしょうね……勝手に自分のなかで、僕なんかが、そんな第一線で呼ばれてる感じ出しちゃダメだな、とか思っちゃうんです。
山脇:あ、私も、グループLINEでいの一番に返事ちゃうのはいけないんじゃないか、とか、誰かが返事してからにしよう、とか思っちゃいます……。
関町:すいません。今後は、じゃあ、お願いします。
山脇:関町さんのLINEのアイコン、初期設定の、シルエットのまんま、無のやつじゃないですか。あれはどうしてですか?
関町:でも、けっこう多くないですか? そういうひと。
山脇:サルゴリラの児玉さんも同じ、緑色のシルエットの、無のアイコンですね。
関町:どっちかっていったら、無の方が変だな、とは思ってるんですけど。ようはLINE始めて、すぐ変えればいいんですけど、1ヵ月後とかに変えたら「あ、こいつ、すげえ悩んでたんだ」ってなるじゃないですか。その「こいつ、ずっと吟味して、で、これかい結局」って思われたらどうしよう、ていうので、ずっときちゃってるんです。だったら無で「僕、変えるタイプじゃないんですよ」ていうほうが、何も思われないかな、と思ってそのままにしちゃってますね、もう。
山脇:だから余計さみしいですよ。無のシルエットだし、反応ないし。
関町:確かに、別アカウントなんじゃないか、みたいな感じしますよね。
山脇:そうですねえ。シンプルにお名字だけだし。
関町:それもちょっと、時間かかるかもしれないですけど、変えていきたいなと思います。
山脇:いや、別にいいんですよ、そんな無理に変えろっていうんでもなく。
関町:でも、僕も他の人見て、たまに思うんですよね。サルゴリラの児玉とかも無で、なんか、やっぱ無のやつって変な感じしますよ。
山脇:そう、ですねえ。
関町:だから、「あ、俺もそう思われてるんだ」と思うと、変えたいんですけど、いきなり今変えたら、勘ぐられそうですごいいやなんです。だから……自意識過剰なんでしょうね。
山脇:そうなんですね。
僕はもうずっとこのままでいこうと思ってます。
山脇:関町さんは恵比寿っ子、ですよね。
関町:僕、この感じで、恵比寿っ子です。
山脇:生まれときから。
関町:もうずっと恵比寿です。金持ちってわけじゃないですけど。
山脇:東京生まれ、東京育ち。
関町:ずーっと恵比寿で。
山脇:そうすると、上京組に比べると「東京に行くからおしゃれになろう」みたいなタイミングがないわけじゃないですか。
関町:そうです。だから、それは言いたいですね。よく「お前、恵比寿なのに服とかダサいし、全然恵比寿っぽくないな」て言われるんですけど、恵比寿にいるお洒落な人って、結局地方から来た人なんだよな、って僕はずっと思っちゃってて。
山脇:はい。
関町:僕は地元なんで……地元でそんなイキんないじゃないですか。なんならスエットでチャリンコ漕いでコンビニ、とか、僕の中ではそういう感覚なので。だから、ないんですよね、逆に。
山脇:恵比寿だから、っていうのは。
関町:恵比寿の人はみんなこんな感じだし。東京っぽくない人が多いと思いますよ。
山脇:そっかー。
関町:地方の人ほど、服装とかにこだわりすぎてるイメージありますからね。
山脇:すぎてる(笑)。
関町:はい。妙に服とか好きだったりとか。
山脇:しずる村上さんも都内出身だけど、わりとお洋服にこだわった青春を過ごされてますよね。
関町:しずるの村上も、初期の頃は本当にきったない古着のジャージとかばっか着てましたからね。
山脇:へえ。
関町:急になんかヨーロッパテイストの感じになりましたけど。だから僕はさらにダサイと思ってますからね。「自分ないな」というか。
山脇:そうなんですね(笑)
関町:そうです、僕はもうずっとこのままでいこうと思ってます。
山脇:関町さん83年の3月生まれでしたっけ。82年生まれの世代の早生まれ。
関町:宇多田ヒカル世代ですね。僕らの世代で一番バーッていった人が宇多田ヒカルなので。
山脇:あ、じゃあ、私たちは安達祐実世代。
関町:なんか、もっといないですか? もっと、ていうのもあれですけど。
山脇:自分らでは、安達祐実世代だと思ってます。
関町:へー。『家なき子』とか観てたんで、安達祐実さんが2個上って感じしないですね。
山脇:子どものイメージが強い。
関町:小ちゃい方だし、っていうのもあって、年下のイメージもっちゃいますね。
山脇:はい。
関町:こんな話でいいんですか?
山脇:わりと皆こんな感じです。
できない奴って多少可愛いじゃないですか。本人は、ほんとうに嫌なんですよ。
山脇:そういえば私、ライスさんとは『月刊コント浅草号』で一緒だったんですよ。私、A先生と高橋さんと3人で出て。ユニットが多い回で、カナリア安達さんや、鳥居みゆきさんもユニットも出てて。
関町:打ち上げで鳥居さんと話した記憶ある。あれ浅草かー。犬の心さんもいましたよね。
山脇:ライスのYouTube公式チャンネルで怪盗エースのコントを観て「私これ知ってる!」って。そうだ、月刊コントで一緒だった、と思って。
関町:だいぶ前ですよね。
山脇:高橋さんがいたんで、だいぶ前ですね。
関町:そうっすね。すいません、なんか、思い出させちゃって。
山脇:全然、そんな。普段も思い出してるので、いいんですよ。
関町:そうか、思い出してもいいですよね。
山脇:思い出したくないわけじゃないので(笑)。
関町:ふとした瞬間に出ると、なんかドキッとしちゃいますね。
山脇:それで年月をはかっちゃう。「いたなあ、いたってことは2015年以前だなあ」とか。
関町:山脇さんとは、いろんな場所で一緒なんですよね。この前のせきしろさんの結婚式とか。
山脇:はい。いいイベントでしたねえ。
関町:楽しかったですよね。
山脇:関町さんも、楽しそうに大喜利されてて。
関町:あの日、とんでもない疲れでしたよ。前の列にいたのが又吉さんとか上田さんとか、みんな面白いから。
山脇:ある意味、大喜利レジェンド的な方々がずらり。
関町:どの答え書いても、絶対ウケないビジョンしか浮かばなくて、出したらビジョン以上にスベるから、もうわけわかんなくなりましたよね。
山脇:かわいらしい人だな、って言う印象はありましたよ。
関町:それは、みんなが昔からみてる『のび太』みたいなことですよね。できない奴って多少可愛いじゃないですか。本人は、ほんとうに嫌なんですよ。芸人やってる以上、大喜利やって又吉さんみたいにウケたいですよ。
山脇:そうかー。そうですよねえ。
関町:だって15年やってるんですよ。なんであんなウケないんですか大喜利。
山脇:ははは。
関町:初めてやる人みたいになっちゃった。恥ずかしかった~。こんなこと言っちゃダメですけど、せきしろさんの結婚式ですけど、こなきゃよかったと思いましたもん。
山脇:あの瞬間は。
関町:そのぐらいスベりましたから。
山脇:でも、後列でラブレターズの塚本さんも均等にスベって、かわいらしい2人が戯れているなあって感じでしたよ。
関町:一般参加みたいな感じになっちゃって。
山脇:やーでも、大喜利、皆さんよくやるなあって。難しいでしょうに。
関町:ほんとですよねえ。いまだにわかんないですもん。スベるだろうなと思って出したらウケたりするし、難しいですよ。その人に合った答えとかもあるんでしょうね。
山脇:その人のキャラクターに?
関町:僕とかがセンスのある答えを出しても絶対ウケないですからねー。
山脇:そうなんですか?
関町:そうです、そうです。本当にくだらない、誰でも考えそうなことを言うとウケたりするし。
山脇:本当にむずかしいんですねえ。
関町:もう、思い出したくもないっす
山脇:あ、ごめんなさい。でも楽しそうにやられてたから。
関町:やれてました?
山脇:楽しそうでしたよ?
関町:汗びっしょびしょでした、塚本と俺。「やばかったな俺ら」ってポンポンって叩いたときの、塚本の背中がめちゃくちゃ熱かった。
山脇:実はあの時にね、この企画のオファーをしようと思ってたんですけど、関町さん、先に出られてしまって。
関町:あのあと仕事があってすぐ出ちゃったんで。
山脇:そう、タイミングを狙ってたんですけど、大喜利のすぐ後は疲れてるだろうな、とか、今じゃないなとか思ってたら……
関町:心配するくらスベってたってことじゃないですか。
山脇:いやいや「今じゃないな。他の方とお話するだろうな」とか思ってて。
関町:帰らなきゃいけない時間の10分まきくらいで帰りましたからね。もうちょっと居られたんですけど。
山脇:でも、いい披露パーティーでしたね。
関町:いやあ、ほんとに、感動してましたね。
僕がモデルとかやってたらばんばん出したと思うんですけど。
山脇:関町さんは結婚式はしたんですか?
関町:家族だけで、結婚式ってよりかは、食事会って感じで終わっちゃいましたね。
山脇:サルゴリラ児玉さんと喋った時に、芸人さんは、結婚してるとか彼女がいるとかってのをバンバン出した方がいいのか、みたいな話になって。
関町:まー、人によるでしょう、ねえ。
山脇:私は「ファンの方は出さないでほしいって思うのかな?」と思って。そしたら児玉さんが「そういえば関町は出さないですね」って。確かに関町さんは、私生活をばしばし出す印象がないですよね。
関町:そうですねえ、僕の中であんまり……僕がモデルとかやってたらばんばん出したと思うんですけど。
山脇:どういうことですか?
関町:なんかこう、いいじゃないですか。女性って母親だし、子どもの写真載せて、とかはいいと思うんですけど。
山脇:ママタレみたいな感じで、ってことですよね。
関町:子どもを載せるって「可愛いでしょ」ってだけでしかないじゃないですか。よっぽど面白い体勢の写真が撮れたら載せたりするんですけど……基本「可愛い」ってだけなんで、あんま僕、そんな自慢ツイートみたいなのしたくないんです。
山脇:それは、世間のものを自慢だととらえてらっしゃる……?
関町:いやいや、僕はそうだと思いますよ。子ども載せる意味ってやっぱり……ワンちゃん載せるのと一緒で「可愛いでしょ」ってことじゃないですか。よっぽど、髪の毛びしょびしょになって面白い髪型になってる、とかならわかるんですけど。僕は、どっか公園ではしゃいでるだけの写真を載せて「今日は娘息子と遊びに行きました」みたいなのを、もともと載せるタイプじゃないんで。
山脇:それは、よその方がやられてるとどんなお気持ちに……?
関町:可愛いなと思うんですよ。そういう人って、もともと「これ食べました」とか載せる人だから、そういう人はいいと思うんです。
山脇:SNSオープンタイプの人は。
関町:僕はもともと、告知くらいしかしてなかったし。急に子どもの写真載せて「だからなんだよ」って思われたらどうしようって思っちゃって。
山脇:わりとそういう、意識が強いんですね……
関町:トークライブとかもやってるんですけど、子どもの話は……面白い話があったらしますけど、どこどこ行ったとか、そんな話、あんまりしないですね。
山脇:それは、そんなに私生活を出したくない、てというか、出してどうなんだ、みたいな気持ちが、ある?
関町:そうですね。やっぱ基本、面白い話だったらいいんですけど、出さないかもしんないですねー。はい。
山脇:関町さんって、結構、かっこいいんですね。
関町:え?
山脇:かっこいいっていうのもあれですけど……かっこいいマインドがありますね。
関町:や、でもほんとに、なんか、そのー、どっかでほんとに「勘違いされたくない」みたいなところあるのかもしれないです。ツイートとかでも、僕、打った1時間後に恥ずかしくなって消したりしますもん。
山脇:それは、誤解されたくなくて?
関町:自分の哲学っぽい感じが入っちゃってるツイートとかだと、次の日、朝起きて、すげえ恥ずかしくなって。夜中だからこんなこと打っちゃったんだ、と思っちゃって。まだそんな見てないだろうと思って消したりします。
山脇:へえ!
関町:だからむいてないんです、そういうの。
山脇:そうなんですね。なんで恥ずかしくなっちゃうんですか。
関町:どういうことつぶやいたかわかんないですけど、まあ、標識とかポスターを見て、勘ぐって、ちょっといじる、みたいな。よくあるじゃないですか、ポスターをいじって『写真で一言』じゃないですけど。そういうのをつぶやいたとしたら、すごい恥ずかしくなってくるんです。
山脇:はは、はい。
関町:それこそ「『こういう面白い目線、おれ持ってるんだぜ~?』みたいな」って思われてんじゃないかと思って、恥ずかしくなっちゃうんですよ。
山脇:はああ。
関町:なんか、そのときは「あ~面白い」と思って撮るんですけど、ちょっと経つと俯瞰で見ちゃう自分がいて。恥ずかしくなっちゃって。
もしかしたら『自分じゃない』っていうのがあるから、コントのほうがやりやすいのかもしれないですね。
山脇:だから、コントをやってらっしゃるのかな、って思いました。コントだと、役があるから入りやすいとか、ありますか。
関町:あ、そうですね。もしかしたら『自分じゃない』っていうのがあるから、コントのほうがやりやすいのかもしれないですね。漫才だと、その人の感じで喋って、ですもんね。それはあるかもしれないです。
山脇:最初からコントがやりたくて、相方の田所さんと組んだみたいな感じなんですか?
関町:高校の同級生で……最初、NSC(養成所)入って漫才とかやろうかと思って、漫才のネタ合わせしたら、2人ともツッコミが下手で。
山脇:ほう。
関町:「どうも~」「いやなんとかですよね~」「あ、じゃあやってみましょう」って、漫才でこう、会話の流れでつっこむのがどっちも下手すぎて。NSC生なんでそりゃ下手なんですけど、なんかちょっと恥ずかしくなっちゃって。
山脇:普段の会話でそんなつっこまないけど、漫才だからといってつっこむのが気持ち悪いって感じなんですかね?
関町:大阪弁の漫才を観て、なんとなくそのイメージで、でも標準語でそのテンポでやるから、よけい変な感じがしちゃって、コントの方がいいなあ、テンポも速くなくてもみれるし、って、そういうので、もう最初っからコントをやってました。
山脇:関町さん、喋るのがお上手ですよね。コントでも、説明をしっかりしなきゃいけないところとか、ああいうのはもともとお得意なんですか?
関町:いや、めちゃくちゃ間違えますよ、YouTube撮影のライブの時も間違えてるのに気づいてなかったりとか、ありましたね。
山脇:でも、あまりもつれたりは、ないですよね? すーって流れるように話してるなあって。よく覚えられるなあ、すごいなあ、って。特にコントは、笑いのために積み上げていくから、緊張感がすごいんじゃないかな、といつも思って観てます。
関町:確かに……あるかもしれないですけど……でもやっぱ女優さんの方がすごいと思いますけどねえ。
山脇:そんなこたないですよお。
関町:まんざらでもないじゃないですか(笑)。すごいと思いますけどねえ、やっぱ。
山脇:はは。
関町:でも、ちゃんと共演したことないですもんね、山脇さんと。コントで。
山脇:そうなんですよ。いつかご一緒したいなあ、と私は思っているのですが、きっとお忙しいだろうなって。
関町:もうそろそろ暇になってくるとは思うので。
山脇:いずれ、ご一緒できるときがあるといいですね。
関町:お願いします。
「料理が得意って言ってオムライス作られても……もっと手がこんだの作ってほしいですよね」みたいな。
関町:こんなんで大丈夫なんですか?
山脇:なにがそんなに心配なんですか?
関町:なんかすごい、お互い次の仕事まで、たまたま会ったから話してるみたいな感じじゃないですか。いいんですか?
山脇:そうですね。
関町:テーマとか特になく?
山脇:特になく。そこから見えてくるものを見たいな、っていう気持ちで。
関町:文字とかにしたら、全然面白くないんじゃないですか。大丈夫ですか。
山脇:大丈夫です。でも、これは書かないで、とか、俺はこれ言わないんだ、とか、「(笑)」はやめてね、とかありますか?
関町:あーもう全然全然。そんなこと言うひといるんですか?
山脇:今まではないですけど。嫌な人もいるんじゃないかな、とか思いながら文字に起こすときはあります。
関町:ニュアンスが違くなっちゃうときはありますよね、どうしても。
山脇:なんか、ありますよねえ。
関町:一回、わりとおしゃれな雑誌の、僕とミュージシャンの方と俳優の方と3人で、お酒とか飲みながら喋ったのがそのまま載る、みたいな企画で。
山脇:はい。
関町:僕が結構ボケっぽくいってるのが、わりとマジなトーンで載っちゃってて。
山脇:ははは。
関町:テーマが「こういう女性がいい」みたいなので、俳優の方が「料理がうまいひとがいいですね」って言って、僕が「でもあれですよね、オムライスとか言われると冷めますよね」みたいな。「料理が得意って言ってオムライス作られても……もっと手がこんだの作ってほしいですよね」みたいな。
山脇:そんな、IT社長みたいなこと言って。
関町:その場では「なんてこと言うんですか~いいじゃないですか~」「そうか~?」みたいなノリだったんですけど、そういうのも一切なくて「なんかあれだよね~」みたいな、すごい嫌な感じの人になってて。
山脇:わー(笑)。
関町:俺だけ、なんかすげえ嫌な奴みたいになっちゃったりとかしてると、「あ、やだな、一回目を通しておけば良かったな」とか思います。
山脇:へえー。
関町:そういうのって、文字にするとね。
山脇:え、それは本当の気持ちですか? オムライス作られてもな、っていうのは。
関町:オムライス……そんな難しくないじゃないですか。料理が得意って言ってるわりに出すもんでもなくないですか。
山脇:そう、ですねえ……?
関町:もっと料理が上手くなきゃ作れない料理とかだったらわかるんですけど、「わたし得意なんだよね」つってオムライス……って、これ文章にしたら、またおんなじ感じになるんじゃないですか。
山脇:ははは。入れ子構造で。
関町:なるでしょ。そうでしょ、絶対。
山脇:ははは。あ、でもパスタ作って家庭的、みたいなのは私も納得いかないかなあ。
関町:でもパスタは、茹で加減もあるし、味付けも、わりと出るじゃないですか。初めて作った人と何回も作った人とではやっぱり差が出るなとは思うんです。
山脇:えー? なんですかそれ、パスタなんて茹でればいいんじゃないですか。
関町:湯煎しただけの出来てるソースだったらあれですけど。たとえばペペロンチーノとかは、上手くなきゃできない、そんなイメージありますけどねえ。
山脇:ええ~。
関町:僕が一回「うん?」と思ったのが、料理得意だ、じゃあ今度作ってよ、みたいので出てきたのが、鮪とアボカド丼、みたいな。のせるだけじゃないですか。だまされないぞと思って。
山脇:だまされない?
関町:見た目は可愛くてきれいで色とりどりで、「おお~」とかいってんですけど、どっか頭の中で「これ鮪とアボカド切ってのせただけだよな」と思って。ゴマと海苔まぶしただけだ、って。まあ、そういうことです。料理上手いっていうひとの料理じゃないな、っていう。
(PANORAMA FAMILY:マイナスイメージしかない発言ばっかりですけど大丈夫ですか?(笑))
関町:そうですね……逆に(笑)をふんだんに使ってもらって。
山脇:嫌な感じにならないように(笑)。
関町:『一同爆笑』とかにしてもらわないと……結構、文字にするとね、どうやったって嫌な感じになるんですよ、もういいいんですけど、どう思われても僕はもう。
山脇:そっかあ。
関町:でも言わんとすることはわかりますよね?
山脇:わかります。でも、私は一切自分でごはんつくらないので。
関町:そう言われた方が気持ちいいです。全然作らないんだよね、でも作ってみたんだ、の鮪アボカド丼は「おお、すげえじゃん」ってなるんですよね。
山脇:料理が上手って言ってしまうメンタリティみたいのに、そもそも疑問を感じている……?
関町:料理が上手いっていうか……「趣味は?」「まあ、料理とか~」って言う人多いじゃないですか、その『趣味:料理』の料理が鮪アボカド丼かよ、っていう。
山脇:そのとき、たまたま冷蔵庫にあっただけじゃないですか、鮪とアボカドが。
関町:おしゃれかもわかんないですけどね。カフェ飯っぽいじゃないですか。世間的にはパッと見、手が込んでるように見えるかもしれないですけど、僕が作ってもいい感じになるし、っていう。
山脇:関町さん、グルメなんですか?
関町:食べるのは好きですね。でも別に、料理が不得意だからっていやだってことはないです、好き嫌いが多い人はいやですけど。
山脇:偏食の人。
関町:僕、お寿司好きなんで、生ものだめなひとはちょっと合わないだろうな、とか。
山脇:一緒にお寿司食べにいけないから。
関町:ってことですもんね。
他人のミスが好きというか……。
山脇:なんか……関町さんは、意外と……かっこいんですね。
関町:いやいやいやいや。
山脇:マインドがかっこいいんですよ。かっこいい男性と喋ってるみたいな気持ちになる。
関町:逆にムカつかれるんですよ。お前がそういうこと言うんじゃねえよ、っていうふうにはなるんですけど。
山脇:でも、すごい、逆にモテたんじゃないですか。
関町:まったくモテないです。
山脇:その感じでこられたら、だんだんかっこよく見えてくる……なんて言ったらいいんだろう……
関町:男は面白がってくれるんですけど、女性は「誰が言ってんの?」みたいな感じになるんですよね。
山脇:見た目が可愛らしいから、女の子からも面白がられて、いじられる感じになりますよね、きっと。
関町:なります。
山脇:それは、いやですか?
関町:いやじゃないです。わりと、いじってくれたほうが……でもこっちもたまにカウンターパンチ放つよ、みたいなのはあります。
山脇:どういうことですか。
関町:趣味:料理、とか言ってる時に、そういうの出されたら、それは言っちゃうときありますよね。
山脇:ほう。
関町:僕、やな部分がすごいあると思うんですよ、性格的にも。人が怒られてるのみると、すっごいニヤニヤ、わくわくするんですよ。
山脇:わくわく?
関町:昔からそうなんです。先生に怒られてる人とかみると、顔がもうわくわくしてくるんですよ。それこそ誰か同期の奴が、真面目な芝居の時にかんだりすると笑っちゃう。他人のミスが好きというか……。
山脇:他人のミスが好きって、文字にしたら、けっこう最低ですよ(笑)。
関町:最低です。緊張と緩和なんでしょうね。ここ絶対かんじゃだめじゃんっていうときにミスされたりすると、笑っちゃうんです。ミスしちゃダメ、笑っちゃダメ、っていうときほど、笑っちゃうんです。
山脇:わかりますけど(笑)。
山脇:関町さん、脚長いですよね。スタイルがすごくいい。
関町:母方の家系がみんなそうなんです。脚が長くて、変な体型してるんですよ。
山脇:コントで刑事役なんかやられるとき、トレンチコート着てるとすごくスタイルがひきたちますよね。
関町:相方がスタイル悪いんで、よけい僕がよく見えるっていうのはあります。相方は、長袖の服を着ても絶対に袖が余っちゃう。腕が短くて、脚も短いんで。
山脇:対照的だ、じゃあ。
関町:よくいじられてますねえ。
山脇:キングオブコント2016をテレビで観てて、股間が濡れるコントのときに「あ、脚が長いな~スタイルがいいな~」って思いました。
関町:ほんとですか? 僕、ぽっちゃりなんで、もっと痩せたらもっと脚が長く見えるんですよ。だから、あんま痩せないようにしてるんです。
山脇:それは、面白みを優先して?
関町:変なんですよ、脚が長過ぎて。
山脇:長過ぎて変なことって、あります?
関町:コミカルな感じが出ないかな、と思っちゃって。
山脇:舞台映えして、すごく面白いですよ。
関町::やあもう、嬉しいです。
山脇:最近、ライスの公式チャンネルを観て。
関町:あ、観てくれてるんですね。
山脇:椅子にあごと手足がくっついて、隣りの部屋に剥離剤を取りにいく、っていうネタが死ぬほど面白くて。ひいひい笑いました。
関町:あ、うれしいです。でもあの撮影の時は、眼鏡がずり落ちてきちゃって、途中からそっちに気を取られちゃって。「どうしようこれ、途中で眼鏡がストーンって落ちちゃったら」っていうので、すっごいフワフワした状態でやってるんです。
山脇:全然そんな感じは。
関町:あれ、大変なんですよね、動けないから。
山脇:そうですよね。同じ姿勢でずっといなきゃいけないから。
関町:ふだん味わったことのない感じで台詞言うんで。ふわふわしちゃうんですよ。
山脇:椅子に乗ったまま、カッチャンカッチャン動いて、移動しようとするところ、たまんなかったです。窮地に立った人が頑張る所ってやっぱり面白くて。
関町:相方も、僕がひどい目に合ってる所が一番面白いって普段から言ってて。昔、ライブの映像かなんかを撮りに伊豆大島行った時に、馬がいて。撫でてたら馬が興奮しちゃって、馬に追いかけ回されたことがあるんですよ。
山脇:ええ?
関町:普通心配するじゃないですか、人が馬に追いかけられてたら。でもその映像観たら、相方が膝から崩れ落ちながら笑ってて。僕が窮地に立たされるのが、やっぱ相当面白いみたいで。
山脇:関町さん、実は「トホホ」って感じじゃないから、よけい面白いんだと思います。本当に窮地な感じが。
関町:ありがたいことに、テレビでも脅かされたりとか、使ってもらえるんで、嬉しいですけどね。
うしろの黒板に、ぼくの似顔絵を描いた旗みたいのが飾ってあるくらい。
山脇:相方の田所さんとは、高校時代からのおつきあい。仲良いですねえ。
関町:そうなんです。ずっと一緒で。
山脇:どんな高校生でしたか?
関町:僕は、わりと序盤でロケットスタート切れたというか。どういうボケしたか忘れたんですけど、クラスがまだ全然仲良くない状態で、自己紹介で思いきってなんかボケたんです。それがハマって、クラスの人気者みたいになったんです。
山脇:へえ!
関町:一時期、うしろの黒板に、ぼくの似顔絵を描いた旗みたいのが飾ってあるくらい。女の子たちが、僕をキャラクターっぽくして、空飛んでるみたいな旗を。
山脇:え、旗を?
関町:旗を作られたんですよ。白い旗で、アニメっぽくなった僕が、スーパーマンみたいな感じで、まんなかで空飛んでる。マスコットキャラクターみたいな。
山脇:すっごい人気者じゃないですか、そんな人気者みたことない!
関町:僕が、気を張ってたってのもあって、頑張りすぎちゃったんでしょうね。それが、いろんなタイミングとか順番もあったと思うんですけど、めちゃめちゃハマって。男女ともに「あ、もうこいつは面白いやつだ」みたいな。
山脇:さ行だから、まんなからへんで、ちょうど良かったのかな。
関町:そこから一時期、そろそろ関町がなんかやってくれるぞ、みたいな空気になってたのすごい覚えてます。
山脇:旗を作られるって、すごいですねえ。聞いたことない。
関町:一方、うちの相方は出遅れてたんで、なんなら、最初の1、2ヵ月誰とも話せないくらいで、ずっとムカついてたらしいです。
山脇:「あいつ! なんだよ!」みたいに。
関町:でも、まずはあいつと仲良くしなきゃってことで俺に話しかけた。
山脇:関町の『せ』と田所の『た』だから近いですよね、名簿順。
関町:確か、2、3個うしろだったんですよ。
山脇:関町さんの余波で、出遅れちゃったんだ。この後、何やっても、って。
関町:そういうことだったと思うんです。多分「この後、いけねえなあ」みたいな。「これハマっちゃったら、この後普通のことしてもだめだな」みたいになったんだと思います。よっぽどのことしないと、って。
山脇:そんな人気者、初めてです。
関町:ほんとに、高校一年生のときは。
山脇:かわいかったんですか?
関町:もっと痩せてて、眼鏡もかけてて。なんか、ハマったんですよね。あんまそういうタイプがいなかったんだと思います。僕、中学のとき勉強頑張って、結構いい高校に入れたんで、まわりもけっこう真面目な人が多かったんですよね。
山脇:へええー。高校時代、音楽はどんなの聴いてました?
関町:高校の時は、GLAY、L'Arc~en~Cielとかが流行ってましたね。あと、ゆずとか。ゆず、僕好きだったんですけど、女の子がゆず好きな感じだったんで、男みんなラルクとかBUMP OF CHICKENとかそのへん聴いてて、ゆずが好きって言えない自分がいました。
山脇:カラオケ行ったら何歌います?
関町:カラオケ……僕、結構昔の歌も好きなので、堺正章さんの『さらば恋人』とか昔の歌謡っぽいのも歌うし、でもその頃はGLAYとか、the FIELD OF VIEWとかDEENとか歌ってました。
山脇:音楽やりたい、とか、バンドやろうぜ、みたいな流れはなかったですか?
関町:バンドは友達がやってたんで、それを観に行くぐらいでしたね。バンドはたぶん向いてないなと思って。
「え、お前やめてないの?」みたいな空気にはなりましたけど。
山脇:じゃあその頃から「お笑いいきたいな」みたいな?
関町:そう、ですねー。高校3年生のときに暇だったんで……私立の学校だったんで、もう1月くらいからすごい暇になるんですよね。なんで、遊び半分で「お笑いとかやってみようか」みたいな感じでネットとか調べたら、ホリプロでネタ見せがある、っていうんで行ってみたりとか。
山脇:高校の時から2人でやろう、って決まってたんですか?
関町:高校3年生で、暇だからやろうぜみたいな感じで。もう2人とも大学決まってたんで。
山脇:同じ大学に行くのが決まってて?
関町:はい。なのでそんな本気じゃないですね、まだ。
山脇:NSCは大学生の時に?
関町:大学2年で、中退して。大学2年間でお金を貯めてた感じですね。
山脇:へえー。
関町:僕のなかでは、卒業してからやりたかったんですけど。それか大学行きながら、とか。でも結局大学やめるって形になって。それも厳密に言うと、相方は退学したんですけど、僕はちょっとずるかったんで 休学届を出して。
山脇:いつでも戻れるように?
関町:そうですね。そこで1回ちょっと相方と亀裂は生じたんです。「え、お前やめてないの?」みたいな空気にはなりましたけど。
山脇:休学を選んだのは……?
関町:単純に、学費を親に払ってもらってて、「お笑いやりたい」って言ったら親がわりと反対というか「大学を途中で辞めてまでやることなの?」みたいな感じだったんですね。それで、その折り合いつけるために休学でいいかな、っていう。「1年NSCで無理なようだったら、辞めてまた大学通うから」って。
山脇:なるほどなるほど。
関町:相方的には「よし、2人で辞めて、やろうぜ」って気持ちだったんで、休学届を出してきたって言った時の相方の顔が忘れられないですね。
山脇:どんな顔でした?
関町:「え? え?」みたいな、なんともいえない顔。「休学なんて、あるの? 俺、退学届出しちゃったけど、え? え? 2人でパッと辞めて、よーしやろうぜ、って感じじゃなかったの?」みたいな。いろんな感情、悲しさ、怒り……全て入った顔してましたね。
山脇:でも、そこから15年。
関町:結局、大学もきっぱり辞めて。
山脇:田所さんの一番お好きなところはどこですか?
関町:一番好きな所……そうですね。なんか特殊なんですよね。なんていうんですかね、あんまり自分を前に出さないというか。僕以上に、前に前に行かないんですよ。でもそれがなんか……いい感じですね(笑)。ふられたら絶対に期待に応えるというかね、そういう、どっしりとした……僕がスベっても、相方がいるからスベれるみたいな関係性は、やっぱいいなと思いますね。はい。
山脇:ああ、なんか、いいですね。いいこと聞いちゃいました。
「自分で買ったの?」は完全に服を馬鹿にしてきてるんですよ。
山脇:お洋服は、どのへんで買われますか?
関町:僕、家の近所の服屋によく行きます。
山脇:恵比寿の?
関町:はい、家帰る途中とか。母親が美容院やってるので、その近くとか。
山脇:恵比寿、どっち側ですか?
関町:代官山とは逆の方です。
山脇:広尾とか?
関町:白金とかそっちのほうなんですけど。
山脇:え~すごいいところ~。
関町:いいえ全然、金持ちでもなんでもないんです。親が共働きだったんで、仕事の都合上、ずっとそこに住んでるみたいな感じですよね。
山脇:お洋服は、こだわりとかありますか?
関町:こだわりっていうか、なんだろう。わりと僕、店員さんに「いいですよ」って言われたら、真に受けて買っちゃったりします。
山脇:ははは。
関町:わりとぶっとんだ服とかでも「お、似合ってんだ~?」とか思って。そんなの、普通ひっかからないじゃないですか。
山脇:やあ、でもほら、芸人さんだし……
関町:って言われると「確かにな~」と思って、特殊な形の服でも買っちゃったりすることがあって。初めて着ていく日、あるじゃないですか。だいたいそういうとき、まわりの芸人に「それ、自分で買ったの?」みたいに言われて、いじられて。もう一回も着なくなるとか、あります。
山脇:わー。
関町:恥ずかしいですよね、あれが。買った初日にダメだしされると、もう。あれやめてほしいですよね。「自分で買ったの?」って。
山脇:着てるのにね、って思いますよね。着てるんだから、って。
関町:「自分で買ったの?」は完全に服を馬鹿にしてきてるんですよ。「自分で買った」って答える恥ずかしさったらないですよ。
山脇:「自分で買った」って、正直に言えちゃいます?
関町:あ、でも何回か「や、お客さんにもらって……」って時あります。
山脇:言いますよね! 「どうしたのそれ」とか言われたら。
関町:本当やめてほしいですよね。だいたい、自分もたいしたことないじゃん、ていう奴が言ってきますけどね、僕の場合。本当におしゃれな人って、服が好きなんで、肯定的なんですよね。
山脇:お洋服に対して、好意的。
関町:「ええやん」とか「いいじゃん」とか、何も言わないか。お前も大概だぞ、ってやつほど「何それ、自分で買ったの?」「何それ、え、うわーいくら?」みたいな。ほんと腹立ちますよ。
山脇:着てるんだから、こっちは肯定してるに決まってますよね。それを否定する方が正しいよ、みたいな言われ方するとねえ。
関町:わりと悩んだりして買ったやつほど、そう言われると、ほんとへこみません? アウターとか言われた日には「今年の冬、終りじゃん」って。
山脇:ねえ!
関町:「この冬、終りじゃん。アウターなんだから、これでいこうと思ってんだから今シーズン」って絶望的な気持ちになるんですよ。
山脇:はい!
関町:だから僕は絶対に人に言わないですもんね。
山脇:「それ変だよ」とかって。
関町:そんな変な服って正直ないじゃないですか。
山脇:確かに、突飛な服って今そんなないですよね。
関町:「サイズ合ってなくない?」くらいだったらいいですけど、「それ、どこで買ったやつ?」ってニヤニヤしながら言ってくるタイプのやつ。
山脇:特定の誰かなんですね、それ(笑)。
関町:います、います。
山脇:では、これからお写真撮るんですけども……
関町:はい! お願いします。
山脇:ああ、いいお返事を。関町さん、声が、かっこいいですよね。ぴし!ぱし!と喋るから、頼もしい。
関町:全然頼もしくないんですけど。今日、鼻が詰まってるんですよ。
山脇:写真は好きですか?
関町:あんまり、好きな方ではないかもしんないですけど、でも、全然。
山脇:かっこよく撮りたいっていうのがテーマなので、だから、かっこよく撮らせていただきます。
関町:お願いします。
山脇:でも、関町さんかっこいいから。
関町:いえいえ、すごい言いますけど、それ。
山脇:中身が、っていうと、外がどうだってなっちゃうけど……
関町:中身込みで、ってことですよね。
山脇:人として、かっこいいほうのひとなんだな。と思って。
関町:嬉しいです。こういう方が増えたらいいのに。
関町知弘(ライス)
1983年3月2日生まれ。東京都出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。O型。魚座。身長176cm、体重75kg。趣味は温泉めぐり。東京NSC9期生。高校時代の同級生であった田所仁とお笑いコンビ・ライスとして活動、2016年にキングオブコント優勝を果たす。2017年3月18日公開『映画 プリキュアドリームスターズ!』にて声優初挑戦。シティボーイズ2017年公演『仕事の前にシンナーを吸うな、』ゲスト出演。2018年公開映画『海辺の週間大衆』(原作:せきしろ/脚本:上田誠/主演:又吉直樹)に出演。ライス単独ライブ『グラン』は2018年7月7日(土)8日(日)の2日間、東京・CBGKシブゲキ!!にて開催される。
山脇唯
1981年8月3日生まれ。俳優。ヨーロッパ企画退団後はフリーとして舞台を中心に活動。2013年より「すいているのに相席」に参加、“ユーモア女優“の称号をバッファロー吾郎A、せきしろ両氏より賜る。NHK Eテレ「デザインあ」、NTTdocomo、Tokyo FM、東京ガス、他、ラジオCMを中心に声の出演も多数。2018年1月29日に座・高円寺2で行われた『アイアム映画祭』にて清水崇賞を受賞。7月に「すいているのに相席'18決断」に出演する。
PANORAMA FAMILY
2006年頃結成。2009年1月、3MCから1MCへ。以降はゴメス1人のユニットとなる。 渋谷Organ.b第1火曜日mixx beautyを中心に、年間60本ペースで精力的にライブを行う。remix、客演、ビールケースの上から幕張メッセ(countdown japan fes 3年連続出演)まで、大中小規模なイベントに参戦する他、トラック、楽曲提供など活動は多岐に渡る。レぺゼン宮城県女川町スタイル。2014年から写真家として活動。SLIDELUCK TOKYOの第一回ファイナリストに選出される。雑誌STUDIO VOICEでとりあげられる。2016年3月写真集「fastplant」発売するも即SOLD。
2017年12/4~12/17に個展『PARANOIA SLAPPYS』を行い、同タイトルを冠した写真集を発売。